「ヤクザ映画の限界を超えた新鮮味」孤狼の血 LEVEL2 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
ヤクザ映画の限界を超えた新鮮味
日本映画の過去を踏襲しつつ、更に一歩踏み込んだ新世界が見えた。
「ヤクザ映画」は、人間ドラマの一つの進化形。
白石和彌はヤクザ映画の限界を感じさせない。
ヤクザとは、社会のアウトローで、真ん中を歩けないハミ出し者。
ヤクザを美化も肯定もせず、エゲツない暴力を見せつけ、
《血みどろの人間の修羅場》が描かれている。
鈴木亮平が境界を超えた人間の悪を表現すれば、
松坂桃李は桃李でヤクザ界をコントロールしてるつもりが、
鈴木亮平の出所により、
バランスを崩されて、警察官のモラル(正義・道徳)を見失い、
警察官を逸脱した一匹狼となる。
善から悪まで、振り子の大きく揺れる役をモノにしている。
この男(松坂)、どこまで複雑に屈折してるのか?
終いには、鈴木亮平がただのサイコに見えてくる。
どの役も一筋縄では行かない。
村上虹郎も、刑事(松坂)のスパイに使われたばかりに、
とんでもない運命を辿る。
ウブに見えて、見せ場が多く同情を誘うお得な役だ。
姉のスナックママ役の西野七瀬。
弟チンタ(村上虹郎)そして子供を育てる姉(西野七瀬)も底辺で地を這うように
生きるしかない運命(さだめ)の人間だ。
警察組織のドロドロの隠蔽と権力争い。
特に滝藤賢一の管理官も複雑な男。
日岡を毛嫌いしつつ利用もしている。
そして中村梅雀の狡猾・・・定年間際の目立たぬ男にも、まだ欲と嫉妬が残っていて、
この映画に深みを持たせた隠れた騙し絵ピース。
ヤクザ映画というジャンルを跳び超えた秀作だと思います。
ラストではコミカルな味付けも楽しめる。
2021年(東映)監督:白石和彌。原作:柚月裕子。脚本:池上純哉。
過去鑑賞
新境地のヤクザ映画でした。あまりヤクザ映画を知りませんが、ヤクザとややこしい刑事との闘い。
良かったのですが、なんか1の雰囲気がお気に入りでしたので。💕
あの檻に入れられたところ、実際あるのでしょうか?怖すぎ❗️
鈴木亮平、サイコパスでした。
こんばんは♪
いつもありがとうございます😊
共感コメントしていただきましてありがとうございました😊
素晴らしいレビューですね。
韓国映画『母なる証明』を最初映画館で観た時、血🩸が凄かったしそのシーンが長く火事もありスクリーンが真っ赤っか❣️
二度と観るもんか、と。だ〜いぶしてTVで観ると赤くないし短いし、 えっ⁉️ というぐらい違いました。レビューのように
期待して観に行きましたが、
1の方が良かったという感想。
やはり役所広司さんの存在感でしょうか。無茶苦茶ながら、
何か1本通っているような、
松坂桃李さんもいいけど、やはり
経験の差でしょうか?
ご意見をどうぞ。
鈴木亮平の役 悪の求道者ですね。凄すぎで、その先に何の損得計算もない。破滅しかない。滝藤賢一の管理官、計算ずくの狡猾な悪 好対照でした。鈴木亮平役が周囲にいては絶対困りますが、一番憎たらしかったのは警察の管理官でした。典型的な、自分は安全地帯にいて現場コントロールの狡猾。村上さんの役はチト心が痛みました。