劇場公開日 2021年8月20日

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「和製アクションとしては上出来」孤狼の血 LEVEL2 N Tさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5和製アクションとしては上出来

2021年9月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 今作の主人公である松坂桃李。前作では、ヤクザと通じる不良警官(役所広司)に振り回される品行方正な真面目な警官役でしたが、今作ではすっかり不良警官になってしまいました。松坂桃李は言うまでもなくキレイに整ったイケメンですから、果たして荒々しい不良警官役が務まるのかと不安でしたが、始まってみれば違和感なく観ることができました。一方で敵役である鈴木亮平は圧巻の悪者でした。単純に大声で怒鳴りつけて睨みを利かせるだけでなく、静かなトーンでも表情の変化で「ヤバいやつ」を演じています。割と優しい顔立ちだと思うんですが大したものですね。体もでかくて迫力があります。他の俳優陣も実力派がそろっているので画面の密度が濃い。ただ、早口の広島弁で怒鳴るシーンが多いのでセリフが聞き取れない箇所がちらほらあったのは残念でした。

 物語全体としては、前作よりもアクション色が強めの印象です。前作がヤクザ間の抗争に介入する主人公たちの立ち回りに主眼が置かれていたのに対し、今作は、主人公(松坂)VS悪役(鈴木)という構図で描かれるため、悪役の狂暴性を印象付けるシーンや二人の対決シーンもあったりと、ドンパチはけっこう激しめ。クライマックスは完全にアクション映画です。これはこれで面白いですが、前作の雰囲気が気に入っている人には好き嫌いが分かれるかもしれません。私は前作の方が好きです。

 それにしても、前作の主人公である役所広司が、回想シーンにすら登場しなかった(見逃してなければ)のは何か理由があるんでしょうか。今作は原作にはないオリジナル脚本らしいので、もしかすると正当な続編というより、一種のスピンオフとして楽しむのが正解かもしれません。

N T