「気になる部分が多々ありまして」孤狼の血 LEVEL2 mvlvさんの映画レビュー(感想・評価)
気になる部分が多々ありまして
なんか、辻褄が合っていないというか脚本が甘いと言うかが気になってしまい、前作よりレベルダウンしたなぁ。という感想(酷評)です。
【気になったところ】
序盤から気になったのは日岡の人間関係。前作の大上にくらべ脇が甘いなぁと。
大上の場合、女はその場限りか風俗嬢で済ましていたし、美人局要員にも絶対に裏切らないくらいの恩を売ってから仲間に引き入れていたのに対し、スパイ担当チンタの姉(西野七瀬)とまさかの恋人関係って、それはないわ日岡くん…弱みにしかならんでしょその恋人。
出だしで刑務官の妹がグッチャグチャにされたの見て、西野七瀬も後々エライ目に合うのかと思いきや、この悪い予感は全く外れ、被害はチンタのみ。逆になんで姉はほぼ何も被害を受けないのかな?かわいいこから手出されるのがこの世界の掟でしょ!?と内心悪態をついていましたが、動員増やすために元乃木坂使いたかっただけなのかな?という邪推だけが残ってしまいました。
ちなみに彼女、日岡のことを憎いと口ではいいつつ、なし崩し的にまた受け入れていたし、しかも最後に弟を上林に売った公安のおっさんを自分の手で殺して復讐を果たした模様。ただ、この犯行はバレて捕まったみたいだけど(記事には容疑者捕まったって書いてあったよね?ちゃんと確認できなかった)ちっちゃい弟と妹どうした??なんで日岡左遷されて縁も切れたはずなのになんで殺った?意味わからん。
結局、あの女なんのためにおったん?!!
安芸新聞の記者。
ミスリードのための配役とはいえ、前作と同じ役回りでさすがに今回は騙されんかったぞ。
しかも全然気が付かない日岡くんに警察の怠慢捜査をご丁寧に教えに来てくれるとか、人相悪いくせにいい人かアンタ?!
あと、バディになった定年間近のおっさんね。
怪しいと思ったのは、そのおっさんこと中村梅雀の奥さんが宮崎美子だとわかったときだよ。絶対に怪しいじゃんこの夫婦。定年までヒラのまま勤めた警官のほのぼのした家庭だなぁ〜って、ならんわー!!演技の達人夫婦だろが!若干メタ視点からだけど、あの夫婦はこの先なんかあるでしょって思わなかった人いるのかな?
そしてこの偽夫婦の化けの皮がどう剥がれるのかと展開を見守っていると、事件について始末書書くために日岡と情報共有したあとで、上記の記者のご注進から上林への密告が発覚?してたっけ?この辺りはうろ覚えだが、アパートを尋ねると既にもぬけの殻…日岡のお人好しぶりと大上にくらべて全然青二才なところをキッチリ描いたのはよかったけど、そこまで疑わないのかよってビックリしました。でもチンタの命をゴミのように扱った公安怖!警察怖!!
あと、おっさん大映しでの正義論。あれもこのおっさんただ者じゃないよねって場面でしたよね。しっかり日岡批判してたし。
外林もなんか結局のところ暴れたいだけの兄ちゃんだったなぁ。
死んだ親分しか信じていないというのは義理人情に熱いとも言えるけど、組のために何かする姿勢がみられたかというとそんなことはなく、最後も親分を殺した組ぶっ潰すと言ってたのに止めに来た姉さんをなんの躊躇もなく殺してしまい、カチコミした先では日岡が来たらそっちとの勝負を優先してどっか行っちゃうし、なにがしたかったんだアンタ。
そもそも、出所後の犯行で中に出しちゃってDNAの証拠残してたって最後の方で発覚してたけど、だめでしょそんなん。なんも考えてないじゃん。
けっきょく、警察が証拠隠滅してたから捕まらなかったけど、はじめから取引してたってこと?そうじゃないとこの犯行の杜撰さはカタギに手出したら確実にしっぺ返し食らうからなという論理で動いていた前作を全否定しちゃってませんか?と思いましたけど。
うーん、やっぱり出所前から警察幹部と話ついてたのかなぁ。そういうことにしとこ。
でもそうなると、外林の暴れっぷりも自分は捕まらないとわかっての悪行って事になるし、絶対悪としてのキャラにブレが生じるなぁ。なんだかなぁ。
映画での次回作があれば、次こそしっかりしたのを期待します。
↑続き
言いたいことがボヤけてしまったので、要点だけ追加しますが、刑務官の妹への襲撃だけは、他の暴力や狂気とベクトルが違っていたように思ったので、出所前から警察上層部と何か話があったのか気になったというシーンでした。
>一二三四五さん
言ってましたね。
外林は単純に暴力の化身。組の存続、死んだ親分への仁義など考えていない人物で、刑務官の妹を襲った時点でも今後の展開を計算して動いているわけが無かったんですよね。おっしゃる通り、警察上層部のコマとして状況を掻き乱すのに使われて死んだ、哀れな男。男としての身体・精神的強さから、自分の中のイメージで彼を美化し過ぎていたように思います。