「残念」孤狼の血 LEVEL2 しずさんの映画レビュー(感想・評価)
残念
前作が良すぎて物語としては残念過ぎました。
どうしても比較してしまうのですみません。
俳優さん皆さんは本当に素晴らしい演技でした。
私は呉出身で実家の近くで撮影されていたのと、昔から仁義なき戦いが好きなので前作を鑑賞しました。
呉弁は広島弁よりもイントネーションや方言がキツいので広島出身の俳優さんでも、?と感じる事が多いですし、関西人の方は特に難しい様子ですね。
前作、今作共に松坂桃李さんは素晴らしい! 前作は、仕方がないのですが大事な場面での呉弁が残念な方がいて、耳障りで一気に冷める瞬間があったのですが、物語が良すぎて最後までぐっと心を掴まれました。
今作は皆さん、演技はもちろんですが呉弁が本当に素晴らしかったです。特に西野さんの呉弁すごく良かったです。女性も感情が昂る時はドスがきくあたり、最高でしたし、難しかっただろうなぁと思いながら観ました。ベテランの俳優さんでも関西出身の方は関西弁のイントネーションが混じってしまうので。
今作はとにかく、アクションと残虐シーンが多すぎて内容は薄いと感じました。上林側の物語は良かったと思いますが、大上さんとの関係性がもっと描かれていれば、日岡がなぜこの様になったか、日岡の苦悩が感じられていたと思います。
前作は大上さんがなぜこの様なやり方で捜査をするのかが切なく、無残な殺され方で日岡が覚醒し、大上さんの成しえなかった事を引き継ぎ一件落着的な爽快感が残りましたが今作は観終わったあと…えっ?ってなりました。
上林が死ぬ事で収拾をつけるしかなかったのでしょうが…。
ラストは原作の続編、凶犬の眼に繋がるのかな?という期待感だけは残りました。
前作が良すぎると期待値も高いですし、キャスティングも素晴らしいのでかなりハードルを上げて観に行ってしまったのが失敗でした。
仁義なき戦いなら金子信雄さん、前作なら石橋蓮司さんの様な、うわっ!こいつホンマ腹立つ!と思える、ねち〜っこい悪人がいれば良かったですね。上林はやってる事は残酷ですが、彼なりの正義?から始まっているし、こいつムカつくと思うキャラクターもそれぞれの立場があるよなぁ、とどこか憎みきれないし薄味ですね。時代背景もあるのかなぁ。
前作の事を一旦忘れて、もう一度観てみようかなと思います。