「猟奇的殺人者とヤクザは違う。そして、警察官やヤクザは超人てはない。」孤狼の血 LEVEL2 caduceusさんの映画レビュー(感想・評価)
猟奇的殺人者とヤクザは違う。そして、警察官やヤクザは超人てはない。
こんな警察官とヤクザもいないとは思うが、猟奇的殺人者とヤクザは違うんじゃないかな。
広島でロケしたということだが、広島の空気感もイマイチだと思う。
ラストシーンに向けて、鈴木亮平演じる上林が殴り込みをかけるが、殴り込みそっちのけで車で走り去り、松坂桃李演じる日岡とカーチェイスになる。
二人の決闘シーンをつくりたいのだと思うが、殴り込みは何だったんだろう?
最後の決闘シーンはかなりの死闘になるが、これは超人ものか、スーパーヒーローものかというぐらいの死闘だ。
日岡は、その前に、村上虹郎演じるチンタに拳銃で腹を撃たれ、上林に殴られ半殺しの目にあっている。
そして、また、上林に日本刀で切られている。
上林も、日岡に日本刀で左の腹を刺され、そのまま横一の字に右腹まで切られている。
刑事やヤクザは超人ではない。
上林いわく、「死神がついている」らしいが、撃たれたり、切られたりして、放っておけば人間は死んでしまう。
腹を切られている人間を、刑事もそのままパトカーには乗せない。
ラストの死闘が長く、このあたりで集中力は切れるが、引き続き、日岡が県北の駐在所にとばされた後の様子が描かれる。
このあたりは、もはや意味不明だ。
139分の尺を使うなら、2時間以内におさめて、とっちらかったストーリーをまとめた方がいい。
西野七瀬演じるチンタのお姉ちゃんも、殺し屋ではない。そんなに簡単に人を殺せるものでもない。
ラストの死闘が無駄に長く、駐在所シーンがあり、お姉ちゃんが元刑事を事故に見せかけ殺してしまうが、すべて無駄なシーンだ。
西野七瀬は一皮むけたという方向に持っていきたいのだろうが、それなら、冒頭の日岡が「一緒に風呂入ろうよ」と言ったシーンで、一緒に風呂に入らなければいけなかっただろう。このシーンも無駄なシーンだ。
しかし、この映画のいいところは、客が呼べるというところだ。コロナ下で、どの程度の入場者を集められるかはわからないが、話題作であることは確かだろう。
もはや、ファンタジーではあるが、興味があれば、劇場で観てみてもいいのではないだろうか。