「これはヤクザ映画というか…」孤狼の血 LEVEL2 キレンジャーさんの映画レビュー(感想・評価)
これはヤクザ映画というか…
ヤクザ映画はどちらかと言うと苦手。
ただ、今年は「ヤクザと家族 The Family」「すばらしき世界」といった、ドラマとしてよくできた映画も多く、その流れで「孤狼の血 LEVEL2」を観ることに。
前作は劇場には行かなかったが、登場人物が生き生きと描かれていて人間ドラマとして見どころがあった。
ただ、今作はヤクザの社会に関わる人々の愛憎をベースにしているとは言え、鈴木亮平演ずる上林はヤクザ的なしがらみや価値観を逸脱した猟奇イカレ野郎であり、主人公の日岡もまた、亡き大神の影に取り憑かれたイカレ野郎。どちらかと言うとアクションのドギツいサイコミステリー的な映画になっているので、ヤクザ社会の哀愁みたいなものはあまり感じることができないのに加えて、物語が進むにつれて登場人物の誰も信用出来なくなり、誰とも共感できない感じになっていく。
西野七瀬は決して下手とは言わないものの、観ていて「彼女クラスのアイドルなら、乱暴されたり無惨に殺されることはないな…」と予想できてしまう辺りは観ている側としてはイメージが邪魔してしまった。(筧美和子はどちらかと言うとその逆パターンかな。)
決して嫌いな映画でもないし、ましてやつまらない映画では決してない。
『相性』の問題だろう。
とは言え、このスケール感やエネルギーは元気があった頃の日本映画を思い出させてくれる。
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