猫と塩、または砂糖のレビュー・感想・評価
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常識に挑む独創性と、意外なほど真っ当な映像センス。新しい邦画を求める映画好きなら見逃せない
端的に言うなら「新感覚のホームコメディ」ということになろうか。監督の小松孝は、早大在学時にシナリオ研究会に所属、デイトレーダーで失敗、ニート生活という変わったキャリア?を経て、PFFアワード2016でのグランプリ獲得を受け、PFFスカラシップ作品として制作した本作で40歳にして商業映画デビューとなる。
タイトルに含まれる「猫」は、監督のニート時代が反映されたであろう主人公・一郎(田村健太郎)が、買い物やゴミ出しなどの軽作業で母(宮崎美子)を手伝うほかは家でゲームなど好きなことをしてごろごろしている状態を“職業”とうそぶいて命名した言葉。一郎はたとえば、サラダに塩ではなく砂糖をかけてみる。世間の常識に挑む一郎(そして小松監督)の姿勢が題名で示されているのだが、けっして頭でっかちで偏狭な作品ではなく、ほどよいユーモア感覚と意外なほど真っ当な映像センスと軽妙な編集テンポで楽しませてくれる。
アル中でやはり家でごろごろしている父(諏訪太朗)とで、世の常識からは外れているものの一応の均衡が保たれた穏やかな暮らしを送っていた佐藤家に、母の元恋人の男(池田成志)とその娘(吉田凜音)が居候することに。5人の奇妙な同居生活はやがて、互いの関係性を、そして個々の生き方を変えることになる。
わかりやすい成長物語ではないけれど、「家族の役割ってなんだろう、親子の関係ってなんだろう?」と、多くの人が日常の中で当たり前すぎて深く考えないテーマに気づかせてくれる。理屈っぽいところもあるけれど、ポップにまとまっていて、笑いもたくさん。新しい邦画を求める映画好きなら見逃せない快作だ。小松孝監督の今後の活躍にも大いに期待する。
いや、とりあえずチョコレートください。
ほうほう。なんかきっと変な映画なんだろうなと思いながら見ました。登場人物は5人。呑んだくれの父。過保護の母。母の猫として生きるニートの息子。母の元恋人で再婚相手の新しい父。その連れ子で父専属のアイドルをしている陰キャの娘。
あ~なんか頭痛くなってくる設定。とにかく一人一人がかなりズレてるのに、更にみんなで一緒にひとつ屋根の下。もうそら変ですよ。ただ私は意外に落ち着いて鑑賞できました。息子の声が良かったお陰かな。
ストーリーにこれといって意味はなさそうだし、かと言ってコメディでもなく、やっぱなんか変でした。鑑賞後は甘い物が欲しくなります。
人の心の奥を描く作品
人の心の奥底を描く作品ではないか。
客席から小さい笑い声が何度も漏れ聞こえてくる。間違いなくコメディ。繊細で絶妙な演出も含め、とても面白い。
しかし笑っているうちに、このクレージーな人間模様は、どこか遠い世界のことのようで、実は案外自分のすぐ隣の家で起きていても不思議ではない狂気にも思えてきた。変わり者のおじさんおばさんのニュースを時々見かけるじゃないか。さらに言えば、普通の人間のつもりである自分も、人生の歯車がひとつ狂うだけで、世間からズレた不思議さんになってしまうのでは。そう思えてきた。なんだか心の奥を監督に覗き込まれたような気がしてきた。
話の流れが予想出来ない凄さ。
PFFってどうなんだろうシリーズという、自分の勝手なシリーズ第二弾。
凄く面白い。
話の流れが予想出来ませんでした。
細かい事は色々あるよ、この家の収入源はなんだ?とか、都合良すぎるよとか、猫なのか?とか、多肉植物はなんだ?とか父と娘の関係の説明しろよ、、とか、、。
でもね、若々しい魅力となんだか新しいセンスを感じるんだ。どんどん影響うけたり、逆転したり、、展開も凄いなと思った。池田成志、吉田凛音、宮崎美子が凄く良かった。
美術と映像はパッとしなかったけど最後の凛音ちゃんカットが素晴らしく綺麗だったから許す。
映画と関係無いけど映画.com最近レビューの編集機能無くなりましたか?私のような文才の無い人間には凄く不便なんで戻して欲しいです。
なんで、生きてるの?
主な登場人物は、5人。それぞれが、とても個性的で、謎?とも言える人達。老夫婦とニートの青年の3人家族の中に、急に父子の2人が同居人となる。3人から、5人となった生活が、今までと大きく変化する。常識を覆すような展開で、最後まで飽きさせず、引き込まれました。ユーモアの中に、アインシュタインの相対性理論が出てきたり、カピバラの生き方は?どれも正解はなく、家族を、生き方を考えさせる・面白い作品だと思う。最後の、3人で囲む食卓のシーンが、何となく笑えて、落ち着いて、安心できた。
ハラハラドキドキの現代のホームドラマです!
❶公開初日(7/23)初回の監督舞台挨拶付き上映を観てきました。映画チラシには「ホームコメディ」という言葉が出ていますが「ハラハラ!ドキドキ!ホームドラマ」というジャンルでしょうか。
❷主な登場人物はリタイアした老夫婦とニート息子と謎の同居人父娘の5人だけ。場面の90%は登場人物たちが住む一軒家の中。そこで繰り広げられる「食卓を囲む団欒」という古いシーンと「VR機器で遊ぶ家族」という新しいシーンで繰り広げられるドラマはまさしく現代の鋭いホームドラマです。
❸でも酒乱のお父さんの将来は? そのお父さんから邪険に扱われているお母さんの怒りはいつ?どんな形で爆発するのか? ニートの息子は「僕の職業はお母さんのペットです」と自虐しているがその真意は? 胡散臭い同居人父娘の狙いは? この家族の行く末は? 本当に最後までハラハラドキドキでした!
❹全国で増えている「老いた両親にパラサイトしているニートの子供たち」に関心の有る人にはぜひ観て欲しい映画です。『猫と塩、または砂糖』というのはあることのメタファ(隠喩)なのですが、それが判ると更にいっそう面白くなります!
ありがとうは敬語じゃない
母親の猫として生きることを選んだ32歳高学歴ニートとアル中DV親父と暮らす母親が、旅行先で出会った元彼とその娘と暮らすことになる話。
設定だけでも良くわからん!?な感じだけど、父親のアイドルをしている17歳の娘と元会社経営者という父娘を連れ帰ったことで、DV親父は居候になり、母息子&父娘+居候元親父の同居生活が始まって行く。
いきなり洗脳されているのか?という母親と、怪しい元彼、そして兎に角白なふしぎちゃん土足少女。一応絵の具なら白は作れたと思うけど…。
そういえば、金や仕事に絡んでくるストーリーの割に、元々の収入源は…???
アインシュタイン傾倒がなくなって地に足つけようとしている感じはわかったし、汚したくなかった白にも色が付きそうな感じもあったし、ちょっとシュールさもあってユニークな作りではあるけれど、結局なんのこっちゃ?と判然とせず。雰囲気どまりという感じ。
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