マスカレード・ナイトのレビュー・感想・評価
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職業意識の異なる異色バディ
映画の醍醐味を十分に味わうことのできる見応えのある作品である。本格的サスペンスでありながら、エンタメの要素もたっぷり盛り込んでいるので、2時間強の長尺でも間延びしたところはない。メインキャストの木村拓哉と長澤まさみの丁々発止のやり取り、衝突を繰り返しながらも、協力して犯人に迫っていくプロセスの塩梅が絶妙である。バランスが非常に良い。二人は完全に役を掴み切っている。はまり役になっている。二人以外には考えられない役になっている。
本作の舞台はホテル・コルテシア東京。数日前に発生した殺人事件の犯人が大晦日にホテルで開催される500人規模のカウントダウン仮装パーティーに現れるという密告文が警視庁に届く。型破りな刑事・新田浩介(木村拓哉)はフロントクラークに扮してホテルに潜入し、優秀なホテルマン・山岸直美(長澤まさみ)と意見衝突しながらも協力して、仮装パーティーに紛れ込んだ犯人を暴き出していく・・・。
本作は殆どホテルが舞台であり、豪華ホテルで繰り広げられる物語は舞台劇を観ているような雰囲気がある。このホテルを訪れる登場人物達は夫々に訳ありで、怪しい。犯人としての雰囲気を醸し出している。登場人物達を演じる豪華俳優陣達の熟練の個性的な演技の競演が見どころになっている。
新田と山岸の異色バディが本作の売りである。犯人逮捕最優先の新田とお客様第一主義の山岸では職業意識が正反対で意見の食い違いが多い。本来なら二人のバディは成立しない。しかし、刑事は市民を守るために犯人を逮捕する。ホテルマンはお客様の快適安心安全のために最善を尽くす。人のためというのが二人の職業意識の唯一の共通点であり、二人が異色のバディを組めた理由になっている。
終盤、様々な謎は一気に究明されていく。急ぎ足になった感はあるが、脇を固める演者達の演技力が奏功して迫力がある。
本作は、映画は楽しむものであることを教えてくれる作品である。
前作を上回る出来栄え
周知のように大ヒットした前作『マスカレード・ホテル』の続編で、高級ホテルで起こる事件を辿るサスペンスという全く同じ設定に加え、主要キャストも全く同じであるが、マンネリ感はせず、スリリングでお洒落な2時間を体感しました。
ホテルという閉鎖された非日常的な異次元空間の、官能的で、一種蠱惑的な空気感は前作同様ですが、前作が個々のエピソードが脈絡なくつながれた、オムニバス風の、まとまりのない印象だったのに比べ、本作は冒頭の10分間で作品のフレームワークを全て吞み込ませてくれます。
更に前作と違ってテンポが速く、一つのエピソードに拘って尺を取らず、次々と展開させていき、明らかに脚本の構成が前作とは異なっていました。
本作は、限定された閉鎖空間で展開される、僅か半日間のドラマであり、その点ではやや不自然で強引なストーリー展開も見られましたが、ほぼ無駄なエピソードはなく、全てがラストに向けスパイラルに収束していきます。その結果、常に緊迫感を漂わせ、濃密に凝縮された時間体験を楽しむことが出来ました。
ただ冒頭のアルゼンチンタンゴのシーンは、ドラマの伏線にしていますが、やけに長尺で台詞もないので、いきなり観客は飽きがきてしまうように思います。
スジ立ての妙に加え、カメラワークが秀逸でした。寄せカットは長くせず、1人だけのカットは殆どありません。ローアングル、俯瞰、上空からの鳥瞰、引きから寄せへのゆったりとしたズームアップ、流れるようなパンフォーカス、更にフィックスも交え、視覚への芳醇な刺激が溢れていました。観客を一つの視点に留めさせず、興味の対象を常に移ろわせてくれ、そして緊張感と不安感を掻き立てさせます。ベテランの江原祥二カメラマンの技量を実感します。
それにしても主役の木村拓哉の、実年齢を感じさせない若々しく端正な顔立ちと軽快な動作は、本作に相応しい華やかさと煌めきを漂わせており、長躯の長澤まさみと並ぶと、如何にもスクリーン映えするシルエットになり映画館に来た甲斐を感じます。
但し、抑々はミステリードラマですが、謎解きの過程は釈然としません。強引過ぎたことによる唐突感と、飛躍し過ぎていて違和感が残るのは難点でしょう。
かっこいいを捨てたらいいのに
気~づいちゃったぁ、気づくよね
続きなのかと思ったが…
大満足!
最高でした!
安心感もしくはベタ
想像通りでした。
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