「観て損はないかと」マスカレード・ナイト SZEさんの映画レビュー(感想・評価)
観て損はないかと
木村拓哉、長澤まさみが出演するということもあって映画公開前から注目度の高かったこの作品。CMやポスター広告などで見かける方も多かったのではないだろうか。私もそのうちの一人で、映画視聴前に事前にCMやポスターのイメージを持っておくことで、より映画の世界観に入っていけたように思う。視聴後の感想としても映画全体のイメージはその広告の通りと言って相違はないだろう。
作品の感想としてはまず一言目に「良かった!」と言わせていただきたい。これはストーリーはもちろん、役者さん方の演技やセット、音響までもが良かったということである。そして何より監督が木村拓哉の使い方をよくわかっている。「流石『HERO』の監督。」と言った感じ。主演の木村拓哉の存在感は凄まじく、「キムタク」感が強いことは否めないが、それが彼の魅力でもあるので私は良いと思った。(これが苦手な方も一定数いるようには思う。)
相棒役の長澤まさみもやはり安定の演技力で、大コマで抜かれることが多い作品であったがそれも難なく耐えた、と言った感じ。「登場する全ての人が殺人事件の犯人の可能性があり、全員が疑わしく思えてくる」この状況を登場する役者さん方が皆上手く演技で表現していたように思う。
個人的にあっ!と思ったのが「クサカベ」という人物についてだ。作品の冒頭と最後では全く違う人物に見えてくるので面白い。これから視聴する方は要チェックです。
そして演技力で圧巻されたのは、麻生久美子さん演じる中根緑の演技である。若干ネタバレになってしまうが、終盤の豹変ぶりにはとにかく驚いた。何かありそうな人物だとは思ったがまさかあそこまでとは...。
インタビューで木村さんが答えていたが、タンゴのシーンは相当練習したそう。映画はこのタンゴを踊るシーンから始まるが、まずこれでホゥ...と感嘆のため息をつくことだろう。木村さんの猛特訓は観客の心を掴みましたよ...。まあシンプルにめちゃくちゃカッコイイ。それに合わせての音響もまた見事。壮大な音楽でこの作品を支えたと言えるでしょう。まさに縁の下の力持ち。
とにかく、これは観て損はないです。