「守る為」マスカレード・ナイト 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
守る為
“ホテル・コルテシア東京”。
前作で気に入り、さてもう一度宿泊しようと思ったら、またですか!
再びあの刑事とホテルウーマンが、お・も・て・な・し。
東野圭吾の同名ミステリー小説シリーズを木村拓哉と長澤まさみのW主演で映画化し、大ヒットした『マスカレード・ホテル』に続く第2弾。
密告者より警察へ。練馬区で起きた殺人事件の犯人が、大晦日にある場所に現れるという。その場所こそ、“ホテル・コルテシア東京”で行われるカウントダウン・パーティー“マスカレード・ナイト”であった…!
あいつを呼べ!
…って事で、再び新田刑事がホテルマンに扮して潜入。
今回もバディは山岸…と思ったら、コンシェルジュに昇進し、担当出来ない。
とは言いつつ、結局は共に行動。
再会していきなりダメ出し、対立、協力…これこそバディ。いや、それ以上の。
しかし、そんな2人にとって今回の事件は厄介。
パーティー客は500人以上。しかも皆、仮面を被っている。
新たに起きようとしている殺人事件。それを阻止し、舞踏会の中から仮面を被った犯人を捜し出す事が出来るのか…!?
THEキムタクにパーフェクトなホテルウーマンの長澤まさみ。
常連&初利用の豪華キャスト。
ホテル映画の“もう一人”の主役と言ったら、ホテル内装。ゴージャス気分に浸れる。
仮面舞踏会。アルゼンチン・タンゴ。
訳ありお客様のドラマと殺人ミステリー。
それらを佐藤直紀の華麗な音楽に乗せて。
引き続きザッツ・エンターテイメント!
今回ホテルを予約したのは…
窓から見える看板にいちゃもん付けるクレーマー女性客。(その看板が、またもや友情出演とは(笑))
女性客をナンパし、無理難題なシチュエーションを要求してくるキザ男。
ホテルを密会場所にしている不倫男。
その妻、その不倫相手。ばったり遭遇。しかも、知り合い!
誕生日をホテルで祝う人妻。しかし、夫が一向に現れない…?
キャディバッグを背負った挙動不審男。
中でも特に、木村佳乃、麻生久美子、高岡早紀ら女優陣の存在感が光った。
事件や真犯人は二転三転。が、勿論、犯人は“お客様”の中に…。
怪しい!…と思ったお客様には実はそれぞれ事情が。皆様心の内を解決して、ホテルを後にしていく。
その合間合間にミステリーが絡み、徐々に犯人が絞られていく。
展開も演出もユーモアや小ネタも真犯人設定も、良くも悪くも前作と同じ。
さらに言えば、ミステリーはよりシンプルになっていた。
これらをどう見るかで好みが分かれる。
新味ナシ、物足りない。
王道、これはこれでいい。
自分的には1~2割前者でありつつ、後者。
前作より見易かったと思う。
前作同様、刑事の立場で、ホテルマンの立場で、事件に挑む姿が描かれる。今回も強く打たれた。
警察には警察のやり方がある。
ホテルにはホテルのルールがある。
以前共に事件を解決したとは言え、一度ある事は二度は…無い? なかなか…いや、全く相容れない。
警察曰く、結局ホテルは客の顔色しか窺っていない。殺人事件の犯人がこの中に紛れ混んでいるのに!
ホテル曰く、結局警察は犯人逮捕しか考えていない。誰だろうとホテルに一足踏み入れば、“お客様”。精一杯もてなすのが私共の仕事。
使命と危険の綱渡り。が、そんな双方にも唯一の共通点がある。
勿論誰だか言えぬが、真犯人逮捕。
動機は、“ある復讐”。
警察を散々振り回し、勝ったと嘲笑う真犯人。
怒号する新田。
確かに勝負には負けたかもしれない。だけど俺たちは、勝負する為にここに居るんじゃないんだ!
警察とホテルマンが“ここ(ホテル)”に居る理由…。
言うまでもないが、やはり声に出して言いたい。
守る為。
ホテルに訪れたお客様を。その至福のひと時を、安全を、命を。
そして、大切な人(バディ)を。
ラストは晴れやかな出発と、再びの再会後を匂わせる。
となると第3弾も期待だが…、
原作では本作が第3弾。調べたら、2作目は短編集で2人が出会う前の“エピソード0”らしい。
やはり新田&山岸のバディで見たい!
こんなのはどう?
その短編集は映画公開前にSPTVドラマ化して、第3弾は東野先生に映画用オリジナル・ストーリー書き下ろして貰うとか。
是非!
何はともあれ、この秋の目玉作品になりそう。
これから観ようとしている方、“THEエンターテイメント・ホテル”へいってらっしゃいませ!
もし新作を作るなら・・・実際にホテルで殺人事件が起こってしまうのがよろしいかと。
警察の権威失墜!キムタク辞表提出、そして犯人に繋がっている潜入捜査官の一人・・・ドロドロな人間関係と、ついにはホテルマンの一人が犯人と疑われ、自殺・・・そして巧妙な密室トリック。解決するのは少年探偵だった!
なんじゃこりゃ~~