ズーム 見えない参加者のレビュー・感想・評価
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怖すぎることなく、気軽に楽しめる
コロナによる外出制限の中、「最小規模の映画」がいくつも生まれた。どれも似たり寄ったりだとする意見もあるだろうし、アイディア先行で「やったもん勝ち」なところもあるとは思うが、この特殊な状況下と、最新のオンライン・ツールと、古来のホラー手法とを掛け合わせ、70分弱の長編にまとめあげたところは評価したい。画面上の男女6人の身に「パラノーマル」を思わせる展開が次々と起こる単純な内容だが、全編がデバイス画面で完結している点や、ホラー見本市のような、お手軽かつ効果的な演出のつぶて、さらには分断された領域を越境して親友を助けに向かう場面などに「おっ」と思わされた。この手の作品はアイディアが豊富にあっても、それらを一つにまとめる折に平坦になりがち。その点、なんとか構成上の緩急を生み出そうとする努力の後が見て取れる。でもいちばん怖いのは、画面がフリーズしたり、参加者が急に落ちることだよな、とつくづく感じた。
根拠がない
そもそもどういう流れで会を始めたのか謎。
友人同士なのか?
気乗りしてない子もいたし。
霊媒師?が「それはいい兆候よ〜」みたいに言ってたけど、何が良いんだろう?
何をどうするのか、流れもわからないままダラダラと進み、ネットワーク環境を理由にオフになってしまう霊媒師。
や、すぐ連絡取ろうよ〜。
向こうも電話くらい出来るでしょ。
無責任過ぎる。
大きな音、謎の光、どうにでも出来そうな撮影現場。
あとは見えない何かに襲われるシーンを適度に見せつつ…ってどう着地するのか気になって最後まで観たけど、唖然。
しかもメイキング?
そっちはそっちで意味深のようで、そうでもない。
時間が余っちゃった?
アイディアは良かったと思うけど、根拠のない怖さは怖くないので、星少なめ。
Shudderオリジナル
アメリカのストリーミングサービスでShudderというのがある。ホラー専門のNetflixみたいなものだと思うが、英語圏へ事業拡大しているものの、多言語へのローカライズはない。VPNを介さずにshudder.comへ行くとSorry, we are not available in your countryとでてくる。
というわけで見られないが、ときどきおりてくるshudderオリジナルもshudderで配信している旧作もすごくそそる。
さいきん聞くようになったしょうばいでキュレーターというのがある。
日本語でいうと学芸員。美術館でなにを展示するか組み合わせとかを考えながら選んで企画立案する人だ。博覧強記とセンスが必要なしょうばいだろう。美術館のランクによってぴんきりだろうし母体のちゃんとした美術館の企画展なんか案出できるのは一握りしかいないだろう。
この学芸員の解釈を広義にしたのがキュレーターである。(多分、だいたい。)
Netflix、Disney+、AppleTV+、Hulu・・・などのストリーミングサービスで数知れない旧作からなにを置いておくかがキュレーターの博識とセンスの見せどころ──ということになる。
今やSteamにもキュレーターがいるし、観光案内も一種のキュレーターといえる。いわば「おすすめを教えてくれる人」であり司書もバーテンダーもいろんな専門家がキュレーターの側面をもっている──と言えるんじゃなかろうか。(わかんないけど。)
どんな分野であれ、それをやりつけている人が見たら選者が解ってんのか解ってないのかがすぐわかる。だからキュレーターは好事家の上をいかなきゃならない。
その点Shudderのキュレーターはいいところを突いてくるしオリジナルも変わり種があるし、ローカライズまでいかなくても日本でも見られたらいいな──とたびたび思ってしまう憧れのホラーサイトなのだった。
本作ズーム/見えない参加者(原題:Host)もShudderオリジナル。小品だがぴりりと辛い仕上がりだった。
Unfriended(2014)と比較されているがじぶんも見る前からUnfriendedが頭にあった。が、両者のもっともクリティカルな相違はCOVID19があったか、なかったか──だと思う。
外的条件の違いとはいえコロナ禍下がHostのオンラインセッションを迫真に変えている。ホラーへ至る要因も自然で作為がなく、出演者は巧みな演技で状況へ落ちていく。
以前Unfriendedのレビューで『役者たちは台本と設定だけで、恐怖に震えたり、泣き叫んだりしているのであり、それを考えると、役者とはいえ彼らの没入度には尊敬を感じる。』と書いているが、本作でもそれに感心した。
パソコン画面を見つめた状態で、監督から「はい泣いて下さい」とか「はい怖がってください」とか「はい取り憑かれた演技をしてください」とか「はい上辺では思いやっているけれど内心はそうではないという演技をしてください」とか・・・言われてやるわけである。
それで見る者を感興せしめなければならずかつ怖がらせなければならない。たいへんなことだと思う。
『撮影は、COVID19のパンデミックによる検疫規制が敷かれている間に行われ、俳優たちは自分でカメラ、照明、スタントをセットアップし、サヴェージ(監督)は遠隔でかれらを演出指導した。サヴェージによれば、特殊効果には「昔ながらの」技術("old school" technology)が使われることが多く、俳優たちの家に釣り糸が送られ、棚から物を引き抜く練習がなされた。実践的なエフェクトを俳優たちが担当し、ドアを動かしたり、棚から物を飛ばしたりといったエフェクトのセットアップ方法について、ワークショップを通じて詰めていった。サヴェージは、構想からShudderへの納品まで、映画の完成には12週間を要したと述べている。』(Wikipedia、Host (film)より)
各位じぶんの家に撮影環境をセットし釣り糸をつかってモノを落としたりずらしたりの怪奇現象をじぶんでやりながら演技もやった──というのである。
苦労のかいあってUnfriendedを上回る評価になった。Imdb6.5、RottenTomatoes99%と71%。Rob Savage監督は2020年の撮影時若干28歳だった。
ところでPOVの宿命だが有名な俳優ではリアリティが著しく損なわれる。見知った顔だとVogueのセレブインタビューみたいになっちまうわけ。
よって低予算だから無名役者を使っているのではなく、POVだから無名役者を使わざるを得ない──という理屈はあるていど合理になる。
でもだからこそ逆に有名人だらけの大予算なPOVが見てみたい。というのはあるな。アカデミーかカンヌを想定した有名どころ総出の授賞式会場でゾンビ化しちゃうみたいな。w。
【百物語ならぬ、リモート六物語。霊に敬意を払わない男女に起こった事。】
いいねぇ〜^ - ^
一気に恐怖へと・・・・
正直期待してなかったのにすげえ怖かった。
U-NEXTにて新着だったので鑑賞。なんか流行りのソフトに乗っかったB級かな~とも思っていたのですが、蓋を開けてみるとRECシリーズを初見で観た時のような”アノ感覚”が蘇ってくる怖さでした。
特に演出が素晴らしくて、こっちの予想を裏切ったり不意を付くの連続で全く飽きさせない!!割りと早い段階から怪奇現象が起き始めるのですが、それがもうこっちを集中させる暇も無くポンポン起きるので一気に恐怖の世界へと叩き込まれます。
固定の画面越しというかなり制約の掛かった作品であるにも関わらず、素晴らしい出来栄えでした。
あ~でもやっぱり、これを観ちゃうとPOV視点のホラーがもっと観たくなるのよねえ。何故廃れたんだろ。
今の時代ならではのリモートホラー
はいはい。
アイデアのみの安っぽい映像ですが、鼻水べちゃべちゃの白人演技が楽しめます!
2020年(イギリス)
コロナ禍で「ZOOM」会議が多くなった。
週一で「ZOOM」で会議。仕事仲間の男女7人が、お遊びで「ZOOM交霊会」を開くことに。
言い出しっぺはヘイリー。
(普通、部屋で輪になって手を繋ぎ、亡くなった人の霊を呼び出す・・・あれ、ですよ。
交霊のプロも参加して、蝋燭を用意・・・そして酒(水の人も)を飲み飲み始めます。
個々の家を経由して交霊会は果たしてなりたつのか?期待は膨らみます。
ジェマがある嘘を付いたばかりに、悪霊を呼んでしまいます。
怪奇現象が・・・停電、ネットの不調・・・
そのうち更に更にエスカレートして、大変な事態になります。
参加者が消えた・・・ポルターガイスト現象も!!頻発。
もう参加者はパニクリ出します。
ヘイリーやジェマの顔が、恐怖で凍りつき、泣き出して、もう涙と鼻水でグシャグシャ・・・。
まあ素人映画に毛が生えたようなチープなアイデアだけが勝負の映画です。
コロナ禍で暇だから出来ちゃいました、みたいな!!
上映時間は、たったの68分。
(最後に種明かしがあります、笑ってやって下さいな!!)
ズームでの降霊会、というたった一つのアイデアのみで突っ走った映画
着眼点は認めるが・・・
ロックダウン。
ZOOMと。
アイデア勝負の低予算で、一発狙いだろう。
着眼点は認める。
ただそれだけ。
チラシやら予告編。
各映画サイト。
筋書き見ただけで、粗方展開読めるしね。
なので、本編見てても、スリルやら緊張感とか感じられず。
興味が持てるとしたら、オチをどうするのか?
だけ。
「だから何?」って感じだったが。
何も無いところにフィルターが反応してる!の絶妙さ
意欲は評価、意欲以外は及第点超えず
コロナの状況を逆手にとって、オンラインホラーを撮った今作。ZOOMの背景機能やフィルターを使ったホラー表現は感心しました。
悪く言えば感心しただけで、内容はお世辞にも面白いとは言えず。1時間しかない尺で体感半分くらいおふざけシーンでした。危害を加える霊が現れた理由もあやふやだし、霊媒師?も割と他人事で適当。みんな顔は迫真だけど、行動も言動も鬼気迫る感じがなくてしらけてしまいました。
リモート撮影は出来る事が限られていますが、だからこそ脚本や演技が際立って粗が目立ってしまうなーという印象です。
あとこれは日本の番宣だけかもしれませんが、「密を避けて撮影」を強調していますが、本当なのかなと素朴な疑問。2、3人の演者が集まるシーンを除いてもあれだけ物体が動く部屋を大人数のスタッフなしでやるのは難しいのでは?(本当に密回避で撮影していたらごめんなさい)配信版では、エンディング前にスタッフ・キャストで実際に霊を呼ぶZOOM会議をやっていますが、そんなものよりリモート撮影の裏側を流して視聴者に頑張りが見えたら星0.5位上がると思います。
見かけ倒し
見かけ倒しとはまさにこのこと。ちょっと気を引くようなタイトルにつられて見始めたら、最初から駄作の匂いがぷんぷん漂っていました。
本当は、見たいと思っている人に興味を持ってもらおうと、なるべく褒めようと思っているんですけど、いいところが無かった。これはどうしようもない。
たいてい、映画には主人公のクエストがあって、何でもいいけど必ず成功を収める様子がストーリーに入っています。たとえバッドエンドの映画であっても、肝心の悪党は倒した後に主人公が倒れるとか、悪魔の正体を突き止めたのちに、自分が悪に取りつかれてしまうとか、何某かの結論が出るのが映画の本質で、そうでない映画はたいてい成功していません。
この映画には、まずクエストがない。「怖いもの見たさ」でオンライン降霊会なるものに集まった女たちが、ワイン片手にぎゃあぎゃあ叫んでいる様子をただ見せられても、時間の無駄にしか感じません。どうやら手に負えない怪物を呼び寄せてしまったようで、彼女たちはとんでもない災厄に見舞われますが、日本人的感覚だと、例えば漏電が燃え広がって逃げそこなうとか、バスタブにドライヤーの電源が伝わって感電死するとか、何か超自然的なものが働いて、事故なのか呪いなのかはっきりしない怖さを演出していくところでしょう。
ところがこの映画、物理的に悪霊のようなものが姿を現し、彼女たちを叩きのめしていきます。ストレートすぎる…しかも、予算的にカツカツなのか、悪霊はハッキリとは出てきません。「謎の何か」のままです。オンラインで、めいめいの場所から参加している彼女たちを同時多発的にどうやって襲うというのか、映画的にバチっと謎解きでもしてくれたら、見終わった時の感想もそれなりに違ったものだったでしょうが、このモヤモヤは最後まで晴れません。
そして、あろうことか、お話は終わっているというのに、尺が足りないのを埋めるためか、映画のプリプロダクションである、ズームでのカメラリハーサルの様子を強引につなげています。女優たちが素に戻って、監督たちと打ち合わせなのか雑談なのか「話しているうちに、謎の停電とか、予期しないアクシデントが起きて、とても怖い思いをしたんだ」みたいな展開になり、そこで映画が終わるというくだらなさ。だったら、最初からその体裁で、ズームを使ったホラーっぽい映画を撮ろうとしたら、謎の悪霊に邪魔されて災厄に見舞われた映画スタッフというストーリーを貫けばいいのに。という、欲求不満まで抱え込んで映画が終わります。
見せ方と、すごく身近な設定が、おもしろそうだっただけに、残念を通り越して、腹立たしい。ここまでしょうもない映画によく仕上げたな。
2022.2.6
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