「香港人にとっての「自由」とは何だろうか」香港画 h.h.atsuさんの映画レビュー(感想・評価)
香港人にとっての「自由」とは何だろうか
「自由」ってなんだろう。10人に訊けば、10人違った答えがかえってくる。
香港の人びとが命をかけて守ろうとしている「自由」と、私たち日本人が日頃耳にしたり、声に出している「自由」は違うものなのか。
「香港の人は自由を抑圧されて大変だねえ」とお茶を飲みながらTVやネットのニュースを通じてみている。そんな私たちは本当に「自由」なんだろうか。
自由主義陣営の旗頭を標榜してきたアメリカでさえ、心から自由を享受できているか疑わしい。
社会システムや個人個人の思考が硬直化してしまった私たちは、自由に対する感受性が「麻痺」しているだけではないのか。
この28分の短編ドキュメンタリーは最初から最後まで息つく暇も与えないほどデモの24時間が濃縮されおり、抵抗する香港人の熱い思いをこれでもかとぶつけてくる。
その状況はニュースで伝えられてきたよりも凄惨であり、さらにデモ側における暴力行為が体制側の正当性を補完してしまった。
20年6月の国安法成立を受け、彼らを取り巻く状況は映画制作の時よりもさらに状況は厳しくなっている。
香港の夜景は皮肉にも何事もなかったように無機質で美しい。
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