「呆れてばかりもいられない」ミッドナイト・ファミリー Imperatorさんの映画レビュー(感想・評価)
呆れてばかりもいられない
メキシコシティの人なら、何が起きているのかつかめるのだろう。
しかし、説明がなさ過ぎて、自分にはよく理解できなかった。
何より、“裏稼業”であるために、映像にできなかったことがたくさんある感じで、余計に分からない。
警察無線を傍受していることは、観ていて気付かなかった。
公立病院は避けて、実入りの良い民間病院に運んでいることは、ほのめかされるのみである。
無免許営業なのだが、“客(=搬送された怪我人)”が金を払っている理由は不明である。相場も分からない。貧乏人からは取りっぱぐれる一方で、金持ちにはふっかけているようだ。
よって、“事実に基づく”「救急医療」のドキュメンタリーとしては、期待外れの内容だ。ともかく、観ていてよく分からない。
ただ、この作品の見どころは、そこにはない。
「私営救急隊の家族」についての、スリリングな“エンタメ”調のドキュメンタリーだと、割り切って観れば興味深い作品である。
それにしても、開いた口がふさがらない。
公道をサイレンを鳴らして、他の車を押しのけて突っ走る。
無免許で、堂々と医療行為までしているのだ。搬送中に怪我人が死んだら、どうする?
警察も、必要悪として野放しにしているだけではない。賄賂を取れるから、“目こぼし”している。
しかし、メキシコシティの医療行政の酷さに、呆れてばかりもいられない。
日本政府や東京都や日本医師会のコロナ対策など、外国からみれば、まさにこのレベルだろうから。
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