「油断で映画が進行する、終始、歯がゆい」藁にもすがる獣たち 塩かげんさんの映画レビュー(感想・評価)
油断で映画が進行する、終始、歯がゆい
気になっていた映画。
アマプラであと24時間と表示されていたので
慌てて、ひとりTWENTY FOURスタート。
24時間以内に見られるのか!
100分強の物語は、いくつかのチャプターで分けられており
時系列もバラバラとしながら、最後につながる
「マグノリア」フォーム。
この伏線の回収の仕方には、もはやお上手な落語のようなもんで
ハイ!名人芸! といった表現方法なんですよね。
おもしろい、よくできている、それなりにオチも理解できる。
どんずまりの、どんつきの、どーにもならない登場人物に
どよーんとなってしまうのは、僕だけかな?
フリーアンサーの記述式解答なんだけど、
正解の流れが決まっている、そんな一方通行な映画でした。
面白いけど、この映画の枠外にはみ出るものが
世の中にはもっとあると思うので、
なんとなく、獣といいながらも、
常識人たちが集った映画だったように思う。
この映画の軸は登場人物の「油断」。
油断する人と油断させる人
このペアで物語が進行していくと、
だんだん飽きてくる。
僕の中では「油断をつく」ってのは、映画に1回
出てきていいかどうかぐらいの切り札感がある。
やたらめったらと、油断で物語が進行する構成に
間抜けさがぬぐえず、どこにも感情移入ができなくなるという構造。
やっぱり、きちんと映画の必然性をもって、物語が進行しないと
それはもう、作り手の思うがままじゃん!となるわけだよ。
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