「優しさと慈愛に満ちた良作」岬のマヨイガ コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
優しさと慈愛に満ちた良作
非常に良作で、人の心に訴えかけていく要素が「日常の積み重ね」と「何気ない思いやり」という丁寧さで、優しさを感じ取るタイプ。
実に吉田玲子さん脚本らしく、じんわり涙を誘う。
震災や、家族の喪失、肉親から受けた虐待(毒親のDV)など、ここ10年で子どもたちが受けたさまざまなショックな出来事に対し、包み込むように見守るお年寄りと、遠野の妖怪たちも交えた優しさと慈愛に満ちたファンタジー。
戦争と恋愛という要素を外した『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の1話みたいとでもいおうか。
どこか映画版の『すみっコぐらし』を思い出すというか。
ただ、キャラデザインには美少女然とした記号が薄く、派手なアクションがあるわけでもなく、いわゆる「キャッチ」なポイントが少ない。
コレ、宣伝が難しいだろうな、……という印象。
『虹色ほたる』『肉子ちゃん』『河童のクゥ』みたいに良さは伝わったとしても、興行成績にはつながりにくそうなタイプなのが気がかり。
また、原作未読なので差異はわかりませんが、原作ファンがどのくらい響くのかが未知数(SNSでは「かなり違う」との意見が目立ちます)。
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