ステージ・マザーのレビュー・感想・評価
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温もりと肯定がいっぱい。子らと共に母が羽ばたく物語
何もズバ抜けた行動力があるわけではないし、巨大な力がみなぎっているわけでもない。だがこのママからはじわじわと愛情をもらえる。店に集うドラァグクイーンの中には親と縁を切ったも同然の者もいる。そんな彼/彼女らを、ママはしっかりと見つめ、我が子のように肯定してくれる。そうやってただ頷くだけで、子らはどれだけ心が満たされることか。これはひょんなことからバーの経営を担うことになる女性の物語。様々な要素は含んでいるものの、究極的には広い意味での「母と子の絆」がメインだ。自信なさげでかよわく見えるのに、実は芯が太く、度胸も座ったジャッキー・ウィーヴァーのマザーっぷりが気持ちいい。全編を彩るハーモニーやパフォーマンスも飽きさせない。吹けば飛ぶよな小さいバーだが、そこは己を表現できる掛け替えのないホームでもある。本当の自分。なりたかった自分。あるべき自分。誰もが探している。そしていつでも遅すぎることはない。
☆☆☆★★★ ほんの少しだけの感想で。 いわゆるジェンダー物の話で...
☆☆☆★★★ ほんの少しだけの感想で。 いわゆるジェンダー物の話ですが、それ程深刻な内容では無かったのが救い。 ストーリー展開から何まで、観た人のほぼ全員が「こうなるんだろうなあ〜」…と思って観ていると、まさにその通りになる王道路線。 しかし、ジェンダー関連に於ける差別等は特に(多少は有るが)起こらず。経営難に陥ったBARの問題点等も、それ程では無く。1人1人の歌であったり、表現力のスキルは元々高い…って言う。 だけど、平日は全員がボロボロ。 何故だか週末になると一気にスキルが上がって大成功、、、って。 それ、ただ単に観客が少ないとやる気が無いだけだろ、、、みたいな^^; それだけに、映画全体に深みと言ったモノはあまり感じられ無いところは否めないか…と。 それでも、観た人の多くは「やっぱり楽しかったね〜」…と、思えるだけの作品では有ったと思います。 観ていても、人生に於いて〝 徳 〟になるモノは全く無いながらも。確実に、体内に溜まったストレス等のガス抜きをしてくれる事、間違いなし…と言ったところでしようか。 但し、映画にある程度の芸術性であったり。1つ1つのショットに於いて、完璧を求めるがゆえに、作家論をぶち上げ。何がしかの意味付けをしたがる人には、返って自分のストレスを溜める作品だとは思うので、ご了承下さい…としか。 それにしても、オーレン・イシイも変わり果てましたなあ〜(´-`)シミジミ ほぼ最後まで誰だか分からなかったっス💦エンドクレジットで「嗚呼!そうか」…と。 ※ 思えば、第1作目の『チャーリーズ・エンジェル』のオーディションを、工藤夕貴が受けていたのなら。 その後の工藤夕貴とルーシー・リューの人生はどうなっていたのか?…等と、考えると感慨深いものが。 まあ〜!それ程は変わらないのでしょうが。 マザーが仲良くなるホテル従業員が、最初に登場した瞬間「え?ジェリー・オーバック?」と思ってしまった。 かなり似ていたから本物か?とびっくりしてしまった。 あの世から蘇ったのか?…と。 鑑賞後にYouTubeで、彼の歌う♬ Try To Remember♬を直ぐに検索。 よく見るとちょっと違う。そりやそうだろ別人なんだから(´・ω・`) 2021年3月4日 TOHOシネマズ/シャンテシネ1 ※ 当時、アジア人枠のハリウッドでの、役の在り方等で疑問を持つていた工藤夕貴は。『チャーリーズ・エンジェル』のオーディションを受けるのを断った経緯が有った。 工藤夕貴が『ミステリー・トレイン』で注目され、度々ハリウッド作品に出演。 『ヒマラヤ杉に降る雪』で大成功をしたのが1999年。 一方のルーシー・リューも、工藤夕貴と同じ時期からアメリカのテレビドラマ等で脇役として出演。 2人は度々オーディションで役の取り合いになっていたのでは?と思える。 〓 この頃から工藤夕貴は、ハリウッドでのアジア人俳優の扱いに疑問を持ち始めていた…と、過去にインタビューで答えている。 (その後、父、井沢八郎の病気の為に日本へ帰国) 当初は工藤夕貴の方が先に注目を浴びる存在だったのだと思うが。ルーシー・リューも次第に『チャーリーズ・エンジェル』で成功し。その後の『キル・ビル』で大ブレイクしたのはご存知の通り。 〓 あの〝 ケン・ワタナベ 〟でさえ…ですからねえ〜!
息子リッキーとの共演
母と息子の愛と絆の物語。 疎遠になっていた息子の訃報から始まった、息子のルーツを巡る旅。 葬儀に行って初めて知った息子の近況、そこで戸惑いながらも息子の大切にしていた物を守ると決めた母。 まるで知らない世界ながらも色々な人と触れ合うたび、喪失より段々と自身の喜びに繋がっているのが表情からもわかるんです。 そんな彼女を中心に顔を伏せていた皆も顔を上げ始める、笑顔が増えていくって見ていて気持ち良い物ですよね。 それと全体的に歌が効果的で、ラストのメイベリンによるステージは素晴らしい暖かさ。 ボニータイラー「愛のかげり」の歌詞もぴったりだし、しかもこのステージは亡き息子リッキーとの共演ですよね?これは幸せでしかない。 セクシュアルマイノリティを扱ってはいますが、あくまでコメディタッチで軽やか。 少しイージーな展開だとはあると思いますが、そこはジャッキー・ウィーヴァーの芝居が全部引っ張っていった気がします。 ともて気持ちの良い作品でした。
息子を愛する母の強さと、自分を生きることの大切さを学べる映画
息子がオーバードーズで亡くなった上に、ドラァグクイーンだったことを突然知ったが、それでも息子の大切なものを守っていこうと一人で頑張る姿に元気をもらえる。 主人公は常にポジティブで周囲の人を大切にしており、それが周りに認められて成功していく。 ありのままの自分を愛し生きていくことの大変さと素晴らしさが表現されたいい作品。
ほろりと来るけど、ちょっとご都合主義強めかな?
結構いい話でした。ラストシーンはちょっと泣けちゃう。 でもね、何年も縁を切っていたドラッグクィーンの息子のこと、あんなにすんなり受け入れれるのかな?しかも彼の生きてた時のシーンは一切挟まない演出が、問題のリアリティーさを消してる気がする。おまけにお店にまつわる様々な問題も結構すんなり解決していっちゃうし… 多分、これは抑制され続けた母の解放の物語なんだよね、結局。だから老いらくの恋までついてきて。そんな何でもかんでも上手くいく?って確かに思っちゃう。 まあ、歌のシーンもそこそこ良かったけど、ゲイの問題を深くえぐって胸に応えた『チョコレート・ドーナツ』の歌のシーンほどの感動はなかった。 こんな風に皆んなが愛しあえたら、LGBTとかすんなり乗り越えられるのにね、っていう夢のあるコメディでした。
親目線での感想
そう、喧嘩する時は真剣。 真剣に縁を切る、感情の昂りに任せて。 でも、その存在が亡くなった時、改めて自分の愚かさを思い知る。 そして其処から子の事を知ろうとする。 子はやはり親と似るものだ。似てるからこそ、自分の分身と思えるからこそ愛せるのかも知れない。 子が大切にしたものを知れば親も守りたくなるのは当たり前。 そうやって物語は進んでいく。 子と喧嘩、絶縁状態にある親子達 子は親が無くとも生きるが、子から先立たれる程辛く悲しい事はない。 親は子に正論を押し付けるで無く、もっと子の事を理解する努力が必要だ。
とてもよかった。久しぶりに素直に感動した。 この「好転・改善・解決...
とてもよかった。久しぶりに素直に感動した。
この「好転・改善・解決」が、全てリッキーが死なないと起こらないことなのが切なかった。
リッキーが死ななくても起こせた人はいたけれど、起こったかもしれないけど、でも現実問題起こらなかった。これは別にリッキーが可哀想だというよりは、「人は勝手に救われる」ということで、そこに死者目線で切なさを覚えるのは無意味なのだが。でも、死んだ理由が、死によって、あるいは死後無関係な要素によって解決したとて、生きていく理由や死ななくてよかった理由にはならない。むしろ死を選んだことの正当性を強化してしまうとすら思う。人が死んだくらいで解決できる問題を、それでも彼が死ぬまでは誰も解決しようとしてくれなかったし、彼自身も解決できなかった(自死の理由が明確ではないので─そこもこの映画の優れた点だと思う─この「問題」が自死の理由かは傍論に置く)。リッキーが死んだ、悲しい、それはそれとして明日も生きていく、という、この映画の「主観」から外れると、ふいに救われなくなる。私が。
でもこれでいいと思う。だから素晴らしい映画なのだと思う。
なんというか、死を選んだ理由が明確でないからこそ、「弔い」という行為が純度の高い愛によるものだと納得しやすい。そんな感じ。
話が…
とんとんと上手く行き過ぎなところもあるけど、気持ちがほっこりする映画。親の思うようにならない子供。育て方を間違ったのか、田舎テキサス州であれば、尚の事、同性愛に関しては否定的、恥ずべきこととして、最後まで父親は認めなかった。その気持ちもわからないでもない。メイビリンはそれ以上に息子を愛し、理解しようとしたからこそ、彼の仲間たちもすんなり迎え入れたと思う。ネイサン役のエイドリアン・グレニアー、渋い声のアンソニー・スコディが良い。
ミニ
母から息子への果てしない愛。出来るならば生前に分かり合えれば悲しい別れにはならないだろうがなかなかそうはならない現実。 皆んな色々な問題を抱えているところ、メイベリンがそれその母となり、優しく支える。 女達に比べて男達の情け無い事。終わりはみんなハッピーでとても良かった。幸せな気分になれる一本。
メイベリンの行動力に脱帽!
見終わった後、幸せな気分になれる作品。 ひとえにメイベリンの愛情の深さ、人間の大きさにドラァグクイーンたちの問題だけでなく、バー経営まで解決していく。 自身のアバンチュールもあり人間くささも見せてくれる。 田舎に住むおばさんが都会のそれもゲイバーの人間とこんなに分かり合えていくのはある意味、予想はできていたものの感動ものだった。 加えて前半に流れるオチャラケの歌とは対照的にしっとりしたバラードの数々、じっくり聞ける歌で詩も良かった。 メイベリンの芯の強さが映画の芯の強さにつながっていてハートフルなお薦めの映画です。 少し前にミッドナイトスワンを見てたのでゲイバーの世界に少し免疫ができてたけれどメイベリンのようになかなか自分からその世界に入っていく勇気はないなあ。
ゲイバー
経営の息子が亡くなり、疎遠だった母親が経営に携わり再生するストーリー。ツッコミどころ満載だけど、それなりに楽しめた。 メイベリン役の女優が歳を取りすぎの様にも感じるが、主役だし、見ていくうちに納得の演技。ただ皆の心を和解させる場面はそんな簡単じゃないだろうとツッコミ。ショーを一から変える演出、何も変わらず。スリーディグリーズの物真似位しろよとツッコミ。 ラストの演出はお見事。 個人的に亡くなる前に、親子理解し合えよと、ツッコみたい。
変わることを怖れなかったメイベリンに拍手‼︎
映画館で観た予告編で興味を持った作品だったが、意外とよかった。メイベリンは、カツラやシャンデリア、結婚のことなど、息子がどんなに自分を愛してくれていたかがわかった。そして、一肌脱ぐことにした。彼女には、教会の聖歌隊の指導の経験だけでなく、アイデアやガッツもあった。田舎暮らしの主婦がどんどん生き生きとしてゆく姿に応援したい気持ちがいっぱいになった。ステキだなぁと思った。終幕の彼女の選択はあっぱれという他はない。
見終えると優しくなれる気がする
親の期待どおりにならなくても子どもは子ども。お互いをありのままに穏やかに受け入れられるといいのであるが。 テキサスの田舎で暮らす母親がそのことに気づけたのがこの物語のキモで、しかしそれは一人息子が亡くなったあとのことだった。 「多様性」という言葉を昨今よく聞く。言うのはかんたんだけど、しかし自分が試されるとかんたんではないだろう。見終えると身近な人に優しくなれる、気がする。
ほんのり心が温まるような素敵な映画です。
DVDで観たんですが、B級と思いきやいいキャスト使ってるし普通に良作でした。 向き合って生きるっていうのはやはり大切なことですね。 ゲイバーだから何かという話ではなく、舞台がゲイバーだからこその困難がある。 家族が向き合うことの大切さも感じました。
最高ですね
最高ですね。突然のゲイ・バーの相続から始まるストーリーが私の事前予想を超えて感動しました。口パクのステージショーが本物のステージショーになっていく、歌がうまくていいミュージカル映画です。とくにメンバーが抱える問題など心の交流や変化が伝わってきて歌が心に響きました。また機会があればみたいです。
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