劇場公開日 2021年2月5日

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「事情を理解していれば、そこまで低くはならない映画。今週では1番手~2番手。」イルミナティ 世界を操る闇の秘密結社 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5事情を理解していれば、そこまで低くはならない映画。今週では1番手~2番手。

2021年2月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

今年26本目(合計93本目)。
大阪市ではやっている映画館が実は極端なまでに少なく、この映画のためだけにシネ○ーブルさんまで行きました(隠す意味ない…)。
これに限らず、シネ○ーブルさんが扱う映画は、どちらかというと問題提起を含んだ映画がとても多く、「極端なハズレを引かない」という点で、「ここで放映されているか」(系列のテ○トル梅田、シネ○ート心斎橋も含む)は一つの判断材料(極端なハズレを引く・引かない)になるかと思います。

 さて、映画のタイトルからわかる通り、イルミナティと呼ばれる一種の秘密結社を描く映画です(映画というよりドキュメンタリー映画に近い)。この秘密結社としては、フリーメイソン等があげられますが、それらとの異同も含めて丁寧に解説があります。また、当時としては珍しい、(もちろん、今となっては技術としては古い)暗号による文書のやり取りなど、知られざるところも触れられており、ちゃんと作った印象が結構強いです。
一方、上述通り「ドキュメンタリー映画であり、純粋な映画とまでは言えない」ため、アクションが好きだの何だの、という観点で行くと肩透かしを食らいます(多分、タイトルからしてそう思う方も多いかと思いますので、書いておきます)。あくまでも「史実を元にしたドキュメンタリー映画」です(この組織が存在したこと自体、また主要な参加者などにおいて史実と相違がない点は確認済み)。

 惜しくはやっている映画館が若干少ないことと、いわゆる「コロナルール」(20時上限ルール)が適用されることで、毎週公開される映画のスケジュールが立てにくいという点(もはや、移動時間まで含めてパズルみたいな状況になってる…)ですが、それはコロナ問題であり映画の瑕疵ではないので、それは他事考慮にあたるものではないので、減点対象からは外しています。

 早速採点に入りましょう。下記0.3で4.7、七捨八入による4.5としました。
ただ、私は結構英語のミスについては厳しいので(準1までもってます)、そこは過大に引いた、かもしれません。

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 (減点0.2) 映画のセリフの中で、致命的な文法ミスを犯している方がいます(日本語字幕版はそこのミスは補っている)。分詞構文と呼ばれる中での懸垂分詞(分詞構文で、主節と分詞構文の意味上の主語とのズレがあるもの。意味上の主語を明示的に書かない限り、英文法としてはアウト扱い)があり、字幕ではなく音声中心にみると(英検準1もあれば、それも可能)、「何が言いたいのかよくわからない」点が明確にあります。ただ、懸垂分詞構文の問題は、ややもすると本国アメリカでもうっかりが多い問題であり、日本の大学入試の2次試験の英作文問題でも、多少の減点にはなっても、意味が通じる前提なら大幅減点にはならないのであり、「ただ単に言い間違い」というようには思いましたが、「英語を理解する人が損をする」というのは避けてほしいです。

 (減点0.1) フリーメイソン等と比較して語られるこのイルミナティですが、その元になる部分には、イギリスのスコットランドの支配問題(1314年、バノックバーンの戦い)などど理解していなければならない点があります。そして、このあとイギリスはフランスと百年戦争に入りますが(1339~1453)、要はイギリスはこの当時、あちらこちらと戦争をしていたのであり(だから、物事には優先順位があるように、百年戦争は1339年から始まるというのが通説ですが、それ以前からフランスとは仲が悪かった)、よって「どことの戦争にリソースを割くか」という点が論点になりますが、バノックバーンの戦いにはあまり多くの戦力は割かれていなかったようです(それより、百年戦争と言われるフランスとの対立でフランスを戦力で負かすほうが明らかに優先順位が高かった)。とはいえ、バノックバーンの戦いも高校世界史で扱うような内容でもないですし、ここは字幕などで説明の工夫が必要かな、とは思えました。
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yukispica