劇場公開日 2021年2月5日

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「陰謀集団としてのイルミナティは、もはや現存しない。……というか、それだけのことを言うのに90分も費やすのは、いかがなものでしょうかねぇ。」イルミナティ 世界を操る闇の秘密結社 お水汲み当番さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0陰謀集団としてのイルミナティは、もはや現存しない。……というか、それだけのことを言うのに90分も費やすのは、いかがなものでしょうかねぇ。

2021年2月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

世界を支配する闇のイルミナティなる存在について、数名の研究家のインタビューをつなぎ合わせたドキュメントです。

もともとイルミナティは、封建時代末期に、民主制を夢見た学者によって結成された秘密結社なのですが、当時、世の中はすべて王様と宗教家の支配下にあって、それ以外の体制など想像もつかない時代ですから、単に民主制と言っても仲間はそうそう増えません。
一方、その集団は他の既存の権力機構すべてから危険な存在とみなされます。

そこでメンバーの拡大のため、ある勢いのある団体を参考にするわけです。
つまり、当時、多くのメンバーを擁していたフリーメイソンに倣って、階級制を採用し(この時点で、現代人なら、民主主義を目指していた当初の思いはどこへ行った? と疑問が沸くのが普通だと思いますけど)、いろんな暗号やしぐさや合い言葉などで仲間を弁別する、そういう無駄に込み入った団体へと変容するわけですね。
フリーメイソンの既存の組織に浸透し、いくつかを乗っ取ってしまうなど、内側から食い荒らしたのは事実のようなので、そりゃ食われた側は憤怒の情を抱くでしょうし、あることないこと、正確には、ないことないことを言い立てられたのだろうなとは感じました。

そして、無駄に込み入った複雑怪奇な儀式の数々を採用していたことによって、のちに世界支配の闇の軍団みたいに陰謀論者が描く格好の集団に変容していたのも事実なんでしょう。

しかしまあ、そういう怪しい儀式を一から徹底的に紹介するでもなく、かといってライバル集団からの攻撃手口を紹介するわけでもなく、数名のインタビューを無批判のままでつなぎ合わせ、何をいいたいのかさっぱりわからないシロモノに仕上がっていました。

お水汲み当番