浜の朝日の嘘つきどもとのレビュー・感想・評価
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なくしたくないものをなくさないのは本当に大変
福島は南相馬に実在する映画館、朝日座を題材にした作品
100年の歴史を誇る、でも時代の流れのなかで役割を終えつつある小さな名画座のおはなし
コロナがとどめに効いて、ニッチもサッチも行かなくなった館長の喬太郎師匠を、震災の陰を残す映画好きの高畑充希が支える
そこかしこにひょこひょこ著名な俳優さんが本当にチョイ役ででてくる、演劇人としても見逃せないテーマだからかな
映画そのものだっていらないものかもしれないし、ましてや過疎化の進む街の片隅の小さな映画館なんて
誰もなくしたいなんて思ってない、でもなくさないようにするには、それはそれは大変な負担がかかるわけで
そのあたりの畳み方が絶妙、安易に流れてない
取り巻く皆が、そのときの気持ちで動いた、ということ
よい映画でした!
残像現象
栞
ドラマ版の前日譚ですが、ドラマは未視聴です。高畑充希さん主演の作品としては超小規模だなと思いつつも鑑賞。
閉館寸前の映画館をとある女性が救う為に奔放する物語です。初っ端から高畑さん演じる浜野あさひ改め茂木莉子が柳家喬太郎さん演じる森田保造がフィルムを燃やすのを全力で阻止するところから場面が始まります。ここがとっても笑える場面で、茂木莉子が楯突いていくので、それに対抗する森田が圧倒的に押されていく展開がずっと面白いです。
そこから不動産に行ったり、ビラを配ったり、クラファンをしたりと、悪態つきながらも誠心誠意働く彼女の原動力は恩師の願いでした。あさひの高校生時代に描写が移り、東日本大震災の影響で人助けに奔走してしまったが故に父親のせいで、友人関係が崩壊してしまったあさひの心境を支えてくれたのが大久保さん演じる田中先生でした。生徒に寄り添ってくれる人かと思いきや、割と厳しめのことを言う先生で、良いことばかり言う大人は信用できないでしょと、真っ当なことを言っているあたり、人生経験豊富でとっても教養のある人だなという印象がつきました。
そんな先生の元へ家出したあさひがやってきて、一夏の生活を過ごす描写が擬似家族でありながら、本物の親と娘のようで微笑ましかったです。途中から彼氏のバオくんがやってきた後も楽しい時間が過ぎますが、その中で外国人留学生の闇をさらっと重く描くので侮れません。
ただあさひの母親が田中先生を未成年誘拐容疑をかけて、あさひは実親の元へ戻ることに。母親は一切登場しないのですが、弟にだけ気にかけたり、ノイローゼになったりと、震災が生み出した毒親という感じあり、良い意味でとても不快でした。ただ田中先生、とってもとっても優しいことに、あさひが渡した生活費諸々を増やして、学費の足し、そしておまけに映画代を渡すという聖人な行動をしてくれます。厳しいことを言いながらも、心の底から優しい人で、現実の大久保さんととってもリンクしていて素敵でした。男にだらしない場面も笑
そんな先生が乳がんで余命宣告され、虫の息になった時に、バオくんが心からの好きを伝えて「ヤッときゃ良かった」と遺言を残して死ぬシーン。不謹慎ながらとっても笑ってしまいました。「ザ・スーサイド・スクワッド」の爽快な死の笑いとはまた違い、言葉で笑わせてくるあたり、とっても悲劇的なのにとっても喜劇的に仕上がっているのはさすがだなと思いました。
結局クラファンは集まらず、映画館は解体となり、2人とも諦めてご飯を食べに行こうとしますが、住人だったり、バオくんだったり、あさひの実親がお金を出資して助けたりと、なんやかんやで映画館は存続することになりました。正直、ここでたくさん人が集まって、なんとかなるという流れは微妙でした。バッドエンドはバッドエンドでも、前に向けるバッドエンドだったので、ここでハッピーエンドにするにはお門違いかなと思ってしまいました。あとコロナ禍を交えてはいるのですが、登場人物全員マスクをつけてないので、現実と空想がリンクしてないなと思ってしまいました。
とはいえ、役者陣の演技は素晴らしく、高畑さんの闇と光の演技(高校生時代を演じた高畑さんかわいすぎました。)の振り幅、大久保さんの身から飛び出るほどの優しさ、柳家さんの飄々とした喋り、演技についての文句は1ミリも御座いません。
映画にハマったきっかけを少しだけ思い出させてくれた作品でした。サブスクも楽しいですが、まだまだ映画館を愛し続けようと思います。
鑑賞日 9/10
鑑賞時間 16:30〜18:35
座席 G-4
泣いて笑った
タナダユキ監督による「映画に愛をこめて」
福島県南相馬に実在する映画館が舞台とのこと。
閉館を決めた福島県の映画館・朝日座は100年近くの歴史に幕を下ろそうとしていた。
朝日座を立て直すために東京からやってきた高畑充希ちゃん演じる茂木莉子登場‼︎
充希ちゃんの声のトーンのせいかなぁ。映画館の支配人を演じた柳家喬太郎さんに対する無礼なタメ口も気持ち良くて仕方なかった。二人の会話が楽しくて仕方なかった。自分も「ジジイ」と呼んで欲しかった。
そして、大久保佳代子さん。莉子を助け、莉子に映画の魅力を伝える学生時代の恩師を演じた。彼女を美しくとらえた魅力的なショットがいっぱいあった。
ラスト、竹原ピストルさんの登場で、忘れかけていたテレビドラマ版とつながった。
タナダユキ作品ということで期待し過ぎた感も有り。
生きるためにチカラとなるもの
映画館なんかなくたって、生きていけるんだけどね。
「フィルムって、半分暗闇見ているのよ。」って言われてドキリとした。世の中も、真実の半分しか見れていないんじゃないかと。いや、それ以下か。その半分を埋めるために、映画(を含め創作物であるエンタメ全般)を観たいと欲するのか。感情にできた隙間を埋めたくて、映画を観たいと思うのか。それを知ってるからこそ、映画館を守ろうとするのか。
その気持ちは、
先生「東京で何してたの?」
あさひ「映画館ばっかり行ってました」
先生「入ってよし」
のやり取りでわかる。
支配人の「みんな、映画館がいつでもあるって思ってるから大事にしないんだよ。人と同じだよ。」ってつぶやきでわかる。
高畑充希の演技はややオーバーアクトに感じることが多くて、今回もそのきらいがあった。役柄的にその熱量が必要だったせいもあるだろうけど。それに、私可愛いでしょ?感がいつも強い。ただ、高校生役も実年齢役も違和感なくこなすスキルはすごい。
喬太郎師匠は、ふだん高座の上での"独り舞台"が主戦場なのに、人と交わった掛け合いが自然すぎて心地よすぎた。たまに演劇の舞台にも出ているとはいえ、さすが。ドタバタしがちな物語の中で、適度なユルさと、緩急の間の上手さったらなかった。
しかし、結局おいしいところを最後にかっさらっていったのは、大久保佳代子だったな。なによ、好感度上がるじゃん?
ラストは、たしかに大団円ではあるけれど、決して万事好転のハッピーエンドで終わらせていないことは、森田支配人とあさひのやりとり、
あさひ「ほんとにこれで良かったのかな?」
支配人「これで良かったにしていくしかねえな」
でわかる。その冷静さのおかげで、すっきりできた。
そんな現実を見据えている支配人が、「映画館なんかなくたって、生きていけるんだけどね。」と自虐的に言う。だけど、映画好きが言うそのセリフは、駄々洩れの愛にあふれているようにしか聞こえなかった。
題名に振り回されてしまった。
福島の震災復興映画なのかなと想像してたんだけど、そっちではなく、全国にある映画館へのオマージュがヒシヒシと伝わってきた。
閉館間近の名画座に突然やって来て、勝手に立て直しを図る女子が主人公。オーナーや周囲の声には耳を貸さず、映画館存続の為に頑張ります。強引だけど憎めない、重い話なのにコミカル、高畑充希の魅力全開だわ。
ストーリーは、この映画館の話と、そこに至るきっかけを作った恩師との繋がりの、2本柱。
恩師との話は全て過去の出来事。なんだけど、題名の「嘘つきども」が、引っかかって、これは本当なのか嘘なのか、今なのか過去なのか時系列もずっと混乱してました。
元々、そんなに難しく話では無いので、最後はクリアになりました。
どうでもいいけど、茂木莉子って、片桐はいり(記憶違うかも)を思い出しちゃう人はそんなに多く無いのかな?
あと、子供の頃行ってた津山市の映画館を、ずっと思い出してました。
で、嘘つきどもって誰の事だったの?
楽しかったわ。
映画館は必要だ
映画を愛する人に根暗が多いのは間違っていない気がする笑
主演の高畑充希さん流石です。
詰め込みすぎて消化不良
映画館って最高!ってことが素敵に描かれている
最高!癒しと少しの感動物語。
【映画を観る理由】
僕の田舎の町に、むかし、映画館がひとつあった。
今はない。
僕が通った高校のある町には映画館がふたつあった。
今は、どちらもない。
地方都市も、市内の映画館は少なくなって、郊外のシネコンに取って代わられているように思う。
だからというわけではないが、この実在する映画館にはずっと映画を届け続けて欲しいと思う。
この作品は、映画館の存続を巡るあれやこれやに、人間味が溢れていて、楽しいのだが、実は、どうして僕達は映画を観るのだろうかと考えさせるようなストーリーでもあると思う。
茂木莉子こと朝日の経験した辛さや、先生との交流ようにだ。
どうして、こんなにも沢山映画を観るようになったのだろうか。
理由やきっかけは人それぞれだと思うけれども、身近に映画館があったという人は少なくないだろう。
僕は、田舎時代から映画は好きだったけど、映画好きを自認しはじめたのは、大学に入学して映画館が身近に沢山あるようになったことと、ロードショーだけではなく古い名画と呼ばれる作品をレンタルビデオだけではなく、大きな画面で観る悦びを知ってからのような気がする。
母親のジェームズ・ディーン好きも影響している。
そして、大学のゼミの恩師が無類の映画ファンで、最高の名台詞は何かということで盛り上がったこともある。
「第三の男」のオーソン・ウェルズのアドリブのセリフだ。
ウィーンの観覧車乗り場でのものだ。
名台詞としてはいささか長いが、これがアドリブなのかと驚いたのと、これほど社会に対して、リアリティとアイロニーを突き付けた名台詞を未だかつて聞いたことはない。
エンドクレジットの詩の一文の持つ意味と、映画とビデオで変更になった日本語訳が数十年にわたって僕を悩ませたのが、ウンベルト・エーコ原作の「薔薇の名前」で、これも印象深くて、しつこいくらい、たまに、友人に話す。
だからといって、このふたつがベスト2かと問われると、それも違う気がする。
映画には、テキストでは文字でしかないものが、社会学も、歴史学も、社会科学も、純文学も、政治学も、科学も、勇気も、愛も、正義も、理想も、現実も、問いかけも、全部、想像力を駆使したメッセージとして入り込んでいる気がするのだ。
だから、やめられないのだ。
きっと誰かの糧となる物語
きっとこれが良いだろうと思って皆動くが
果たして、それが最善だったのかなんて、誰もわからない。
揉みくちゃに考え行動し出た答えに、良くしていくしかないだろうって言った
柳家喬太郎さん演じる朝日座支配人 森田
そのセリフを聞いた時、繋がりとは血なのか心なのか、どっちかなんかわからない
でも、やるっきゃない!
サンボマスター「できっこないを やらなくちゃ」である!
どんな時勢にもどんな悲しみにも推して参る!を忘れてはならないとボクは思った。
タナダユキ監督の脚本は、誰かの心にストンと降りてきて、だよねって確かめさせてくれる
ラストの支配人森田と茂木莉子のやりとりはルパンと次元のような最強バディのようで良かった
衣装もかなりキャラクターに合っていて淡い色のコーデがコンクリートなど重い背景でも
映えていて素敵だった。
面白いと思ったんだけどな、、
テレビでいいかなという感じですね。
テレビドラマの前日譚ということですが、テレビで見るぐらいで良かったかなという感じですね。
映画のつくりとしては、低予算映画の部類ですが、その分、会話劇になっており、他愛もないのはいいですが、ちょっと映画としては見ごたえに欠ける部分があります。
これだと、尺を1時間半ぐらいにしないと、かなり中だるみしてしまいますね。
題名と内容が合っていないし、映画好きが観たら感動するかと言えば、そこまででもないでしょうね。
まあ、高畑充希さんファンは楽しめるかもしれませんが、高畑充希さん演じる茂木莉子のキャラが、今ひとつ出来上がってないのかもしれません。
まあ、期待値より低かったので、批判ばかりのようですが、なんとなく映画を観たくなった方は、ぜひご覧ください!
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