「日本女性の所作の美しさ」日本独立 菜野 灯さんの映画レビュー(感想・評価)
日本女性の所作の美しさ
バリバリガリガリ音を立ててポップコーンを食う観客2人のために序盤は逆に集中しようと疲れかけたが、食い終わるのを辛抱強く待ち、静まってからはぐっと集中できた。
そもそもなんでポップコーンを映画館に持ち込めるのか理解できない。ガキのころから食う音を注意されたことないまま大人になったひとは音を立てて食う。それを無神経と呼んでもいまさら撲滅できるわけないので、さっさと食い物を持ち込み禁止にしてほしい。
私は映画館にひとたび入れば一挙一動足に音を立てないように細心の注意を払っている。
さて、レビュー。
シリアスになりすぎず、ライトとシリアスのバランスが絶妙だった。
白洲次郎という当時の日本では珍しい欧米文化に触れた日本人が主人公であったからかもしれないし、それを演じた浅野忠信のダンディーな感じがハマってキャスティングもすばらしい。メイクでは小林薫を当時の吉田首相に合わせたずんぐりな顔にして違和感ないのもさすがにプロの技。
伊藤俊也監督が高齢だからか、がんばりすぎず、淡々と引いた感じのカットが多いのは客観性があってストーリーも、この手の政治題材にわりにはわかりやすい。あとは、英語の通訳カットが出てくるので通訳に興味あるひとには少したのしめるかもしれない。
宮沢りえや梅宮万紗子演じた、日本家屋でのお茶くみや甲斐甲斐しい旦那のケアや言葉遣い、フェミニズムのお方たちを刺激しそうなことをあえていうけど、あの感じの所作ってほんとに女らしさが出ると思うし、美しさを際立てると思う。
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