「終戦後の白洲次郎の物語だと思って観に行ったんだけど『戦艦大和の最期...」日本独立 じょんそんさんの映画レビュー(感想・評価)
終戦後の白洲次郎の物語だと思って観に行ったんだけど『戦艦大和の最期...
終戦後の白洲次郎の物語だと思って観に行ったんだけど『戦艦大和の最期』を執筆した吉田満も登場してりで焦点が少しぼやけてしまった感がある。
GHQに「従順ならざる唯一の日本人」と言わしめた白洲次郎にもっとフォーカスしてほしかったし、妻の正子や吉田茂、近衛文麿との馴れ初めなどにも触れても良かったのではと思った。
白洲次郎の痛快なエピソードのひとつである占領軍将校から流暢な英語を誉められた際に「あなたももう少し勉強すれば上手くなりますよ。」と返した場面は再現されていた。
でも昭和天皇からのクリスマスプレゼントをぞんざいに扱ったマッカーサー元帥に対し「天皇陛下からの贈り物を無碍に扱うとは何事か!」と怒鳴ったエピソードが盛り込まれていなかったのは甚だ残念。
そして『日本独立』と題したのなら、サンフランシスコ講和条約時の活躍までしっかりと描いてほしかったな。
長身で英語が堪能な白洲次郎を演じた浅野忠信さんも良かったが、吉田茂を演じた小林薫さんが素晴らしかった。
・・・ってか最初は彼とは気付かないくらい吉田茂に激似。
吉田茂と並んで時の閣僚を演じた石橋蓮司さんや柄本明さん、伊武雅刀さんもさすがの一言。
反面GHQ側にも誰かひとりくらいは名のある俳優をキャスティングできなかったものか・・・。
映像はもう少し暗めの方が重厚な雰囲気が出たかも知れない。
BGMも場面にベストマッチとは言い難かったかな。
それでも今この時に、この題材の映画を作ったことは称賛したい。
全国的に上映館も少ないし、私が観た上映回の観客は5人だけ・・・。
『鬼滅』や『ドラえもん』に圧され公開期間も風前の灯火かも知れなかったので、この年末に鑑賞することが出来て良かった(´ー`)。