「傷ついた人ほど心が動かされる映画」ドライブ・マイ・カー hiroさんの映画レビュー(感想・評価)
傷ついた人ほど心が動かされる映画
悲しみが積み重なる、雪がしんしん積もっていくような、大人の映画。
不倫されたショックと、それを隠して普段通りの生活を進めようとする主人公。
妻が亡くなってから、自分の気持ちに正直であれば良かったと後悔する。
自分のせいで死んでしまった、殺してしまったという気持ち。
それは自分だけではない。
大切な自分の車を代わりに運転してくれる若い女性のドライバー。
彼女の運転技術は、悲しい環境が与えてくれたもの。
母親の虐待を受けつつも、母の弱い優しい別人格に支えられて生きてきた。
全ての母親の言動ひっくるめて、彼女は母親として認識していた。
そんな母親を土砂災害で見殺しにした。
彼女は主人公にそれを伝える。
もっと妻に正直であれば良かったと後悔する。
身近な人を亡くされた方は、深く心に突き刺さるのだろう。
傷ついた人が、傷ついた分、感情が動かされる映画なのかもしれない。
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