「どう考えても名作!」ドライブ・マイ・カー 2222さんの映画レビュー(感想・評価)
どう考えても名作!
すごかった
もっとわかりにくい、お洒落で眠くなるやつを想像していたけど違った
真面目な映画だった
つかまれすぎて疲れたけど、長くは感じなかった
深すぎて仕掛けがわからなかった部分も沢山ありそうだけど、そこは気にしなくて大丈夫だった
この映画自体、俳優さんから脚本の逆方向へも有機的に作用してそうな印象を受けた
私はどれだけ自分を見つめても自身を空っぽと感じるのではないかと、少し怖くなった
>世界は何も変わってないかのように続いていく
>自分の心と上手に正直に折り合いをつける
>正しく傷つくべきだった
なぜかわかる気がする、、
自分の心に正直でいるのが難しいことがわかってて言ってるのもわかる
不細工な裸の心に正面から向き合うのは恐い
自分の心から離れるスキルは沢山転がってる気がするし、意外と簡単かもしれない
ただ、そこから離れることにより、感触とか、においとか、自分にしかわからない大切なものも滑り落ちていっているのかもしれない、なんてことも考えてしまった
私は、やりすごして時間が忘れさせてくれるのを待つタイプなので、痛いとこつかれた
>ただ単にそういう人だったと思うことは無理ですか?
>その人の中では矛盾していないかもしれない
うまく説明できないけど、支離滅裂側として正当化されたようで感動してしまった
この箱まで回収しにくる真面目さに参った
特にこのセリフに参った
俳優みなさん素っ裸感があってドキドキした
音楽はBGMで感情を誘導するような感じでなく、ミニマムで静けさや間を際立たせていて、ゾクゾクした
BGMと同様に、セックスや人の死も、ストーリー推進力みたいものとして安易につかうのではなく、丁寧に描かれていたと思う
主人公とドライバーが安易に意気投合しない感じもリアルで良かった
映像的に暗いシーンが多いが、触れられたくないとこに触れてくる感じやレイトショーとマッチした
触れられたくないところに触れてきたうえで、しっかりやりきる真摯さに脱帽した
気持ちの良い鑑賞後感だった
ラスト、お化粧した?綺麗になったみさきの生き生きとした表情も良かった
まさにあんな感じの鑑賞後感だった
せっかく忘れてたこと思い出させられちゃって、成仏させられた
おまけで、演劇というものに興味がわいた
これまで俳優さんというものをなめてました
失礼しました!
俳優さん、監督さん、皆さんかっこよすぎ!
どう考えても名作!
スッキリした答えがないことを、敢えて言葉や映像で表現することに挑戦してる。
おっしゃるとおりですね!
ここがスッキリしないと自覚していること、普通なら諦めるそこへのアプローチを開発したこと、この映画を観た後には誰もがそこにスッキリしないことがあったということを自覚せざるおえないほどそれが普遍的なこと(個人的な見解)
久しぶりに深く刺さりました
映画すごいっすー
色々と理屈で考えて分かった気になってもやはり何かが違う、と思うし、自分に正直なつもりでいたはずなのになんだか自分を誤魔化してるだけのように思えたり…スッキリした答えがないことを、敢えて言葉や映像で表現することに挑戦してる。そんな作品だと思います。
支離滅裂かもしれないけれど、言葉に置き換えてみることで何かが可視化されて少しは見えてくるものがあればいい。
自分の中のモヤモヤしたものも試しに言葉にしてみたら?そんな気にさせられた作品でした。