「村上映画って感じだろうか?」ドライブ・マイ・カー トミジュンさんの映画レビュー(感想・評価)
村上映画って感じだろうか?
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原作を観てないのだがこの映画観た最初の感想は
なんか村上春樹の小説を読んだような空気感だった
心地よいイメージと思考の海に漂うような感じで
原作への忠実性がどうかはともかく
作品として成功してるんじゃないかと思った
話としてはずっと妻を亡くした事からくる切なさ、やるせなさで引っ張っているが
なんていうかそれ以外にも色々な要素を提示していてそれがいい
失われた娘の話とかドライバーの母親の話とか話が落ち着きそうになると
その都度燃料が足されるような展開で観ていて飽きない
ただ、ちょっと最後の方長く感じたかな
なんとなく展開は読めていたので結論が早く観たくなる感じあった
人間は何かを信じたり、信じ込むことによって時には柔軟に事実を受け入れられなくなる
不義理な人間、上手くいかなかった関係について理由を考えたがるものだが
そこは考えなくていい、そうゆう人だったとして受け入れられないですか?
ってドライバーの娘の問いは鋭かったね
人間はお互いに何もしなくても影響を与えあっている
お互いに理解しようとするが理解なんてできない
でも、何か気持ちが通じる時がある
それは言語に関係なく、人間としての共通項なのだと思う
その事を言語の違う演劇という舞台を通じて描きたかったように感じた
そして同じような傷を背負った主人公とドライバーが
お互いに支え合うことで乗り越え進んで行く
そんな終わり方はありがちながらも、希望を抱く終わり方だった
結果、何かもう一度浸りたくなるようなそんな観心地の映画だった
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