ザ・プロムのレビュー・感想・評価
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現代社会に送るには時代遅れ感が否めない
これ本当に2020年に送るべき映画ですか?
田舎街でゲイという理由でいじめを受け、PTAとも対立する少女を救う話。
これがいま世界のどこかで起きている事実だとして、それをミュージカルの力と愛(と金)で解決するって無理ありませんか。
PTAのお母様だって、お友達だって、歌ひとつで優しい人間に生まれ変われるなら、もっとこの世界は良くなっているはず。
レズが〜、同性愛が〜って取り上げる時代ってもう終わったのかと思ってたよ、特にアメリカでは。
まだこうやって分かりやすく観客のイメージとか意識を変えなきゃいけないの?年寄り向けなの?
やっぱり悔しいんですよ。
私たち同性愛者は、支援を受けなきゃ生きられない立場なの?
なぜ、だれかに認めてもらう必要があるのか。
普通の世界に馴染みたいだけ、普通の生活を送りたいだけなのに。
ミュージカル俳優の彼らも結果ハッピーになって終わるけど展開についていけないし、彼らの努力でそうなったとは思えない箇所が多すぎる。
とにかく、「ムーンライト」や「ハーフオブイット」を深く尊敬している私にとって、この映画は都合よく“lgbt”を取り入れた映画でしかなかった。
LGBTQのメッセージがミュージカル映画となってわかりやすく伝わっ...
観て良かった!
【ミュージカルっぽいミュージカル映画】
ミュージカルは、映画や舞台より、非日常感が強いと思う。
なぜだろう。
歌でコミュニケーションするからだろうか。
やっぱり、分からない。
でも、実際のミュージカルの方が、映画のミュージカルより、非日常的で、高揚感は高いような気がする。
ただ、この作品について言えば、ミュージカル部分は、極力、セットで作った空間で撮影されて、スポットライトの色彩や当て方など、舞台の良さを強調して、ミュージカルの非日常感を出しているように感じる。
更に、一定の閉ざされた空間で、多くの人が踊る方が、迫力が段違いだと感じるのは僕だけだろうか。
青空、大草原で歌い踊るより、歌や踊りがピンボケにならず、前面に迫力を持って迫って、こちらに向かってくる感じは、舞台のミュージカルに近い気がするのだ。
物語はベタだ。
でも、ミュージカルの物語は、ベタでなくてはならない。
性質上、ベタであるべきだ。
インディアナ州のど田舎の高校のプロムに、ゲイの高校生の参加を助けるために、売名行為のブロードウェイで落ち目の連中がやって来る。
このありえないストーリーも大切だ。
そして、女子高生がめげずに勇気を持ってカミングアウトして、それを皆が理解して一体感を出して踊る姿にもワクワクするが、ご都合主義の大人が正直になって、それぞれ大なり小なりの問題を解決する姿にもホロリとさせられる。
このベタさに拍手喝采だ😁
The prom
王道ミュージカル!
楽しくないわけがない王道ミュージカル映画。あのgleeのチーム?監督?が作ってるらしいからそりゃそうなるという楽しさ。
アメリカの高校の伝統的な行事であるプロムと、近年のタイムリーな問題であるLGBTを掛け合わせ田面白いテーマ設定だなと。過去の習慣と新しい
時代。自由な自分を曝け出したい子供と風習や古い習慣に固執する大人。そんな対立構造がはっきり分かるテーマ、ストーリーとしては至極単純だけどミュージカルのパワーで楽しく感じてしまう。
出てくる劇中歌も簡単な歌詞や素直なメロディーが多く、純粋にストレートミュージカルという作品で楽な気持ちで見ることができた。
これは何回も流し見して歌にハマってしまう感じのやつかな〜とうっすら思っているよ。
Net Flixさすがっす。
人生はリハーサルじゃないよね。
始まってすぐに(あーブロードウェイでミュージカルを観るまではあたしゃ死ねないな!)って心から思いました。ずっとNYに行くことが夢なんですよね。
今はブロードウェイも閉鎖してるし当分は簡単に海外に行ける状況にはならないだろうけど、でもそんな時だからこそこんな底抜けにポップでハッピーな作品は本当に嬉しい!
メリル・ストリープ、ニコール・キッドマンにジェームズ・コーデンという超豪華キャストが時にセレブリティ自虐ネタをぶっ込んできて、いろんなミュージカルのパロディ?オマージュ?もたくさんあるからミュージカル好きにはたまらない!
あるがままを受け入れようっていうテーマは王道だし楽曲もキャッチーで歌詞もわかりやすくてすぐに乗れました♫
シンプルなストーリーを嬉々として演じ歌い踊る大御所たちを観てるのは理屈抜きに楽しかった!
Netflix作品だけど映画館で観れて良かったです。
舞台版も観たいな、ブロードウェイで‼︎
ミュージカルの醍醐味
初端から、ブロードウェイのミュージカルシーン。ギンギラのステージ衣装で、大勢のアクター達が、スクリーン狭しと歌い踊る。テーマはLGBTと現代風なれど、古き良きミュージカルの香りがプンプンする。
新作舞台がコケて背水の陣のベテラン俳優、チャンスを掴めずクサりぎみの端役。波に乗れない俳優達が目論んだのは、社会活動によるイメージアップ。同性とのプロム参加を認められずにツイッターでバズっていた女子高生を、お手頃案件と見込んで現地へ乗り込むが…。
古風な地方の拒否感は強く、頭ごなしの啓蒙活動は上手くいかない。傷付く女子高生、どうせ自分達もはみ出し者と落ち込む俳優達。
だが、若者は諦めない。時代は変わった。自分らしく生きたいと、傷付きながら闘う人達が世界中に沢山いる。ネットワークは心を繋ぐ。失意に慣れた大人達も勇気付けられ、それぞれが自らの問題に立ち向かう。
最後は全てが好転し、予定調和のハッピーエンド。
ありふれたストーリー、チープな主張、力業の展開、溢れるご都合主義。
だからどうした?これはミュージカルなんだ!
ミュージカルファンの校長先生が言っていた。唐突に歌い出し、踊っている間に全てが解決する世界。うちひしがれた僕達は、夢を求めて劇場に集い、ステージを仰ぎ見ながら癒されるのだと。だから歌い踊り続けてくれと。
エンターテイメントには苦難の時代だ。今必要とされているのかと作り手は苦悩し、今望んでいいのかと受け取り手は躊躇する。
だが、居直るかのように堂々と、力強く、豪華キャスト達が歌い、踊り、演じ上げる。ここが私達の世界、これが私達の使命だと。
それでいい。
現実が甘くも容易でもなく、正義は破れ、弱者が虐げられ、奇跡も殆ど起きない事なんて、私達の誰もが知っている。
だからこそ、ステージの上から虚構の夢と理想を振り撒いて、疲れて蹲まる私達の、ブルーベリーみたいにちっぽけで柔い心に、再び立ち上がって歩き出す勇気と気力を与えてくれ。
ブラボー!
映画館で見た方が……
ネットフリックス作品だが、これは劇場で見るべきでしょ。
華やかな色合いでカメラワークを駆使した映像とダイナミックな音楽のミュージカルシーンの連続で心が踊る。
同性愛者ということで、ハイスクールの卒業前のダンスパーティのプロムに出席できない女の子。
その子を応援すべくニューヨークから田舎町のインディアナ州に赴く、落ち目気味のミュージカルスター、メリル・ストリープ、ニコール・キッドマン達。
オープニングから、ハイテンションで突き進む。
いやあ、ほんとカメラワークが凄いわ。クルクルクルクル回ってダンサー達の躍動感が伝わってくる。
冷静に考えれば王道ストーリーなのだが、そんなことは考えず2転3転していく話で楽しめる。
やっぱり映画は劇場で見るのがいいなぁと思う作品だ。
「glee グリー」好きなら絶対!
大コケのレビューで初日で上演終了となってしまったミュージカルの主演二人が、インディアナの高校で同性カップルでのプロム参加は認められないからPTAによって中止されたという記事を読み、ジュリアード卒なのにリアリティーショーの人気司会者に甘んじている俳優と万年コーラスガールの女優の4人で高校に乗り込んで高校生たちを救ってイメージ挽回という売名行為を思いつく。中止の張本人となった女子高生(ドリュー・バリモアそっくり)は「お前のせいでプロムがなくなった」と周囲からイジメられるが、相手は実はPTA会長の娘。また味方である校長先生はミュージカル鑑賞が生きがいで、名女優の登場に感激し4人に感謝するが、売名行為だったと知り…。
メリル・ストリープの歌唱力は有名だが、今回は脇役のニコール・キッドマンも「ムーラン・ルージュ」に出ていたし、ミュージカルもできる人だった。ダンスもできるしスタイル良いし声もかわいい。俳優それぞれに見せ場があり、その辺も「glee」っぽい。
集団でのバッチリきまったダンスの爽快感、俳優たちの多才ぶりにオープニングからエンディングまでワクワクしっぱなし。ミュージカル好きの校長を入れることでミュージカルへの敬愛や、スター街道を歩いている俳優にも悲しい過去があることも描かれていて、エンターテイメントとして十分。
歌とダンスで元気になる‼︎
人生はリハーサルじゃない
キラキラしたミュージカルなんだけど、それだけで終わらせない深さがある。
LGBTQが題材になっているけれど、それだけじゃない、深さが感じられる映画です。
親子だったり、愛だったり、友情だったり、宗教、生き方など。
ホントにいろんなトビックが絡んでいる。
笑いがあったり、ミュージカル特有の唐突な歌があったりだけど、軸がブレずに進んでいるのが、素晴らしい。
何よりメリル・ストリープの歌と踊りがすごい。それに、ニコール・キッドマン、素晴らしいですね。初期のニコールとは、全く違うように見えました。
宗教をこんなふうに、使うのはマジで斬新。
楽しい、笑える、リズムを刻む自分がいるのに、涙が出るのはなぜだろう。
よくできた作品です!
「隣人を愛せ」それだけで十分。
ホント、今のアメリカに必要なメッセージなんでしょうね。
多くの人に見てほしい。
アメリカのティーンエイジャーだけでなく、日本の、ティーンエイジャーも悩んでる。だれを愛そうと、自分は自分、誰でもない自分を、愛せない若者が増えている今だからこそ。
高クオリティのミュージカル
メリル・ストリープとニコール・キッドマンの出るミュージカルだと思って観に行ったんだけど、実はストーリーの中心は彼ら「大人世代」ではなく、若者たちだった。
いや、だから良くないって話ではなく、いい意味で予想を裏切られたんだけど。
ブロードウェイ・ミュージカルの初日が終わったばかりのベテラン女優のディーディー・アレン(メリル・ストリープ)と、相手役俳優のバリー。
ところが、2人の演技は批評家にこき下ろされてしまう。
名誉回復と注目を集めることを目的に、その「ネタ」を探していた2人が目をつけたのが、インディアナ州のある高校で、同性愛者の女の子がプロムから排除される、または、プロムそのものを中止にしようとしている、という騒動。
そこに、ミュージカル「シカゴ」の端役を演じているアンジー(ニコール・キッドマン)、売れないコメディアンのトレントが加わり、インディアナに乗り込むことになる。
歌率高し。
しかも総じて高クオリティ。ほとんど名前を知らない役者たちの歌とダンスが超絶上手くて、ビビる。
いつも思うんだけど、アメリカのショービジネスの底辺の巨大さは恐ろしいよね。
特に、準主役で、レズビアンの女の子エマを演じたジョー・エレン・ペルマンはソロも多くて魅せる。
全編を通じ、歌のシーンの強さは特筆モノ。元がNetflix作品なんだけど、チャンスがあれば大画面、音がいい映画館での視聴がオススメ。
特に男女混成の楽曲が素晴らしかった。
ミュージカル特有のご都合主義が気にならないわけではない。
特に校長先生とPTA会長の変心は「そんなにカンタンかよ!?」と突っ込みたくなる。
とはいえ、全編を覆う「性的マイノリティや世代をめぐる分断や差別、不寛容と相互理解、多様性」というテーマの説得力は、まずまずあり、脚本が極端に雑なわけではない。
エマや彼女の恋人の親子問題には、バリーの母のエピソードが重なるなど、複層的にストーリーを重ねる脚本の工夫もある。
大人たちが寄ってたかって若者に手を差し伸べるのがいい。
その動機には「大人の事情」があったのかも知れないが、やがて、大人たち自身も救済されていくのもいいね。
画面の色彩設計も見どころ。
全体としては、画面にLGBTの象徴であるレインボーカラーを作ろうとしていたと思う。
その上で、各場面の歌唱シーンに加わる役者が、今度は何色の服を着るのか?と、予想しながら観るのも楽しい。
バリーの母親役が、80年代に活躍したシンガーのトレイシー・ウルマンで驚いた。
アメリカ映画は、差別表現にうるさいイメージがあるけど、特定の地方(特に田舎)や出身地を笑い物にすることは意外と多い。本作でも、インディアナ州を盛んに田舎呼ばわりしてるんだけど、こういうのが問題にならないのか不思議だ。
同性愛と差別をテーマとして描き続けたライアン・マーフィの最高潮!!
Netflixとしては2020年年末して、最大級のエンターテイメント作品である。Netflixとライアン・マーフィはパートナー関係を結び、『ハリウッド』『ボーイズ・イン・ザ・バンド』を製作しきたわけだが、これこそが最高潮といってもいいだろう。
Netflixは『ジングル ジャングル ~魔法のクリスマスギフト~』などミュージカルに力を入れてきたわけだが、これで映画同様のクオリティのミュージカルを作ることができるという基盤が強固なものとなり、今後は多くのミュージカルネタを持つDisney+やNBCのミュージカルライブに対抗すべく、ミュージカル映画製作に積極的に着手していくだろう
2016年に初演された比較的新しいミュージカルということもあって、テーマ性は現代的である。舞台版自体が10代の同性愛というテーマ性からして、同様のテーマを扱い、世界中にカミングアウトする勇気をもたせた、ドラマ『glee』に影響を大きく受けた作品でもあるだけに、それを『glee』のクリエイターであるライアン・マーフィが映画化するというこのも不思議なものだ。
今作はもともとアジア系のオークワフィナがキャスティングされていたように、様々な人種のキャラクターが登場し、人種差別という点では、あまり扱われていないように思えるかもしれないが、親世代は正に人種差別を受けてきた世代でもあるのだ。更に遡れば、奴隷制度といった、もっと酷い差別もあっわけであるが、親世代というのが、1970年代なのである。
キング牧師やマルコムXらによって、1950年~60年代にかけて行われた公民権運動によって黒人が人権を得たといっても、それまでにあった差別意識というのは、簡単に消えるようなものではない。世間の動きと人々の意識は必ずしも比例しないということを受けて成長してきたのが現代の親世代なのだ。
今でこそ同性愛への理解はされるようになったものの、まだまだ世間の目は厳しい。それは人種差別も同じで、どんな影響力をもった人物がいたとしても、人々の概念として根付いてしまっているものを取り除くのは難しい。それを知ったうえで、あえて生きづらい環境に飛び込む子供たちに厳しくあたるというのは、わからなくもない。
嫌がらせではなく、子供達のためにという意識という点では、同じ子供を愛する者の立場ではあるのだが、結果的にそれも差別につながってしまって、差別が残ってしまう。
時代の変化と未来への希望を10代、20代に託してみたいという人達がいるのも事実。デリケートな問題ではあるが、このデリケートな互いの境界線を埋めるのが音楽や芸術であり、それが一体化したミュージカルというものが昔からやってきたことである。
またインディアナ州が舞台ということも大きな意味がある。インディアナ州では2015年に新たな法律として、「宗教の自由を回復する法律」というのができたのだ。これによって「宗教上の理由」でと言えば、同性愛者に締め出すことが可能となってしまったのだ。
劇中でも学校内にはキリスト教信仰者の生徒たちが多くいるため、宗教上の理由で同性愛を差別しているという者もいるわけだが、それなら「離婚」「タトゥー」「処女」も教えには反している。都合の良いことだけ、宗教を理由にしていないかという矛盾点も指摘しているのだ。
時代は変わっていくのに、歪んだ価値観や概念が邪魔をしているが、ただ好きなった相手か同性であったというだけのことで、シンプルに人が人を好きになっただけということではないかということを訴えている。
昔から同性愛と偏見、世間の評価と闘ってきた象徴としての役割をミュージカル俳優達が果たしているのもおもしろい設定である。
メリル・ストリープ、ニコール・キッドマン、ジェームズ・コーデンといったミュージカル映画に多く出演している俳優の起用も見事ではあるが、注目してもらいたいのは、もともと決まっていたアリアナ・グランデの代役としてアリッサ役に選ばれたアリアナ・デボーズだ。
アリアナ・デボーズは、ドナ・サマーの伝記ミュージカルやDisney+で配信された『ハミルトン』にも出演しており、スティーヴン・スピルバーグが監督を務めたリメイク版『ウエストサイド・ストーリー』では、アニータ役を演じなど、今後の活躍が期待できるミュージカル女優である。
ベテラン陣も見事だが、アリアナ・デボーズの存在感と歌唱力にも注目してもらいたい。
今作で残念なことは、これこそ劇場で観るべき作品だということだ。日本では一部の劇場で上映されているし、今後遅れて公開される地域もあったりするが、機会があれば劇場で観てほしい。
It's Time To Dance
誰が誰を愛してもよくて、誰もカレもカノジョもみんな大歓迎!!!!!!! さぁ、ダンスの時間♫きらびやかに豪華絢爛キラキラ。
INCLUSIVE
PROM
FOR ALL
最高のヒットメーカーと歌える豪華キャストが仕掛ける最高のフィナーレが気持ちよすぎた!これは鳥肌……けど主役は彼らじゃない。ボクたちキミたち!! だからパーティーの準備はできてる?何も控えたりしないし、もう自分に嘘つかない!ホモセクシャルのプロム?いや、みんなのためのプロム!
タイトル、あらすじ、キャストを知ってずっと楽しみにしていた本作。思っていたより生徒にスポットが当たる割合が途中後半まで少なめな気もしたけど、作品を彩るノれる強力な楽曲たち。次から次へと話題作を生み出す、お得意のライアン・マーフィー・ワールドとも言えそうな彼らしい世界観ビジュアルといっかんしたメッセージ。つまり大胆に高カロリーケバケバしくも、やっぱり上手くて、LGBTを中心に据えながら誰も拒まない。生きにくい世の中、1年に1回くらいこんな作品が作られてもいい。いや、作られてほしい。生きにくいと思っている人もショー好きも大勢いるはずだから。
うまく行くってこんな感じ?メリル・ストリープ(『マンマ・ミーア』『イントゥ・ザ・ウッズ』) × ジェームズ・コーデン(『イントゥ・ザ・ウッズ』) × ニコール・キッドマン(『ムーラン・ルージュ』) × キーガン=マイケル・キー(『ジングル・ジャングル』)はじめ歌える豪華キャスト。ディーディー役メリル・ストリープがいいキャラしている、『シッツ・クリーク』のキャサリン・オハラも少し彷彿とさせたり案外ケチだったり。ナルシストなのがたまに傷(キャラクターとしては魅力的!)なブロードウェイ・スターたちが観客も住民の人生も変える?酷評されて信頼を回復するために行動開始。一人の女の子を救うという"立派"なことをして立派な人間=活動家になる売名行為。それと人々の意識改革を。普遍の真理が一つ、人生はリハーサルじゃない。良い人になるのは難しい。閉鎖的田舎に象徴される無知と不寛容。飾りじゃない気持ち、自分らしくいたい!そしてあなたと踊りたい
I just wanna dance with you~(It's time to dance!)
I just wanna dance with you~(It's time to dance!)
Dance~! Dance~! Dance~!
Tonight Belongs To You/It's Time to Dance@アップルとビーズ
今のアメリカの諸問題を明るく描くミュージカル
ネットフリックスが制作した映画で、ネトフリ配信前に劇場で公開するという新しいタイプの映画ですね。しかし、ミュージカル映画は自宅のテレビじゃなくて大画面大音量の映画館で観た方が絶対良いので、今回は映画館で鑑賞いたしました。
私は恥ずかしながら「プロム」というものの存在を知らなかったので、物語の序盤で「プロム」なるパーティーをやるやらないの悶着をしているのを観ててもイマイチピンと来なかったです。ストーリーが進むに連れて、「プロム」というのが高校生活の一大イベントということが何となく理解できたので、問題なく観ることができました。
一応説明しておきますと、「プロム」というのはアメリカの高校で卒業を控えた生徒たちが集まって行なわれるダンスパーティのことだそうです。綺麗に着飾ったカップルが残りわずかな高校生活の最後を締めくくるかのように歌って踊って盛り上がります。この日のためにおめかししたり気になっている子に告白したり、日本でいえば修学旅行と文化祭が合体したような一大行事なんです。この「プロム」についての知識は無くてももちろん楽しめますが、一応知っておいたほうがスムーズに映画に没入できて良い気がします。
最初に結論を言います。この作品は「些細な部分に目を瞑れば、最高のミュージカル映画」だったと思います。正直手放しに「最高!」と褒めることはできませんが、歌唱やダンスは観ていて胸躍る素晴らしいものでしたし、同じ歌をアレンジを変えて4回も歌うことで、キャラクターの心情の違いを描いた演出も思わず鳥肌が立つほどに素晴らしいものでした。後半の展開に若干ご都合主義的な部分があったり、「あの問題はどうなったの?」と、ある問題が放置されている感じがあったので、そこが正直引っ掛かりや違和感を感じてしまいました。
・・・・・・・・・・・
LGBTQに対する偏見が未だに残っているアメリカ・インディアナ州の高校生であるレズビアンのエマ(ジョー・エレン・ペルマン)は、カミングアウトによって両親から勘当され、そして高校最後のイベントであるプロムにも参加できなくなってしまった。これが人権問題としてPTAと対立し、ネットでも話題になる大論争へと発展することになる。
時を同じくして、ニューヨークでの新作ミュージカルに出演するも大酷評を受けて窮地に立たされた俳優のディーディー(メリル・ストリープ)とバリー(ジェームズ・コーデン)は、たまたまSNSでエマのニュースを見つけ、、自分たちの売名とイメージ回復のためにエマの応援をすることを決め、インディアナ州へと向かうのであった。
・・・・・・・・・・・
最初は自分たちのイメージ回復のためにエマの活動に協力していたディーディーとバリー。自分勝手な行動や高飛車な発言も多く、エマの抗議活動の邪魔にしかなっていませんでした。しかし、レズビアンのエマが周囲から受ける仕打ちがあまりにも残酷で、それを間近で見ていた彼らもその様子に心を痛め、いつしか本気でエマの活動を応援するようになります。
登場人物のほぼ全員が、自分に何かしらのコンプレックスやトラウマを抱えており、エマの活動を通じてそれらと向き合って解決していく。胸を打たれるような素晴らしい作品でした。
先にも書きましたが、この作品の前半、プロムに向けて準備を進める各登場人物が「人生はリハーサルじゃない」と歌を歌うシーンでは、同じ曲が4回連続で歌われます。基本的なメロディは一緒なのですが、歌詞やアレンジが異なり、各キャラクターのその時の心情を見事に表した演出でした。ここは本当に凄かったです。
【※※以下 ネタバレ注意※※】
ただ、ストーリーの面で気になった部分があります。
この作品の中心人物であるレズビアンの女子高生であるエマは、そのカミングアウトによって両親から勘当されてしまったという悲しい過去がありますが、この問題は全く解決しないまま終わります。劇中では、ミュージカル俳優のバリーとエマの恋人であるアリッサが抱える母親との確執とその和解については描かれていますが、序盤から語られていたエマの両親については登場すらしません。この問題が残ったまま「めでたしめでたし」とばかりに皆で仲良く踊って大団円、というのは違和感がありました。
また、「いがみ合ってた人たちが簡単に仲良くなる」という問題もありましたね。
これはミュージカル映画あるあるかもしれないんですが、めちゃくちゃ険悪な関係の二人がミュージカルシーンを一回挟んだだけで簡単に仲直りしてしまうのが違和感あります。例えば、ディーディーの自己中心的な面を見たことで、ディーディーと校長先生の関係が険悪になります。しかし、この険悪な関係も、ディーディーが校長室に乗り込んでミュージカル1発決めたら仲直り。レズビアンのアリッサと教育ママである母親との確執も、ミュージカル1発で解決。ミュージカルシーンの中で、お互いの主張を激しくぶつけ合うような描写もなかったので、何だか不完全燃焼な感じが否めませんでした。
また、インディアナ州への差別問題もありました。
これだけ「ゲイ(LGBTQ)への差別はやめよう」みたいなテーマを提示しておきながら、インディアナ州への悪口は劇中で一貫して描かれています。これはインディアナ州がLGBTQ差別に繋がる州法を可決させたということからそのような描写がなされているのだと思いますが、正直日本人にはそんなローカルネタ分かりませんし、「LGBT差別はダメだけど、地方差別はやります」という自分勝手な二枚舌にしか見えませんでした。インディアナの批判をしたいがために、「差別ダメゼッタイ」という作品のテーマが完全にブレてしまっていて、これが個人的に一番酷いと思ったポイントでした。
難しいこと考えないで観るミュージカル映画としては非常に素晴らしいものでした。
ただ、細かいところまで観てしまうと色んな穴とか矛盾とか制作陣のエゴとかが見えてくる映画だったと思います。
エンターテイメントの魅力に溢れた作品
主人公エマを演じたジョー・エレン・ペルマンの伸びやかで力強い歌声に感動。想いを込めた歌詞が涙を誘う。
情感豊かに演じるメリル・ストリープ、美しくスレンダーなニコール・キッドマン、メインキャストの皆さんの抜群の歌唱力、そしてエネルギッシュなダンスと楽曲。パワーが貰えます。
様々なメッセージか込められた作品。
映画館で鑑賞出来た事に感謝しています。
何度でも観たくなる作品。
「 人生はリハーサルじゃない 」
「 隣人を愛せ 」
映画館での鑑賞
久々に良い映画を観た〜
中学生用教育ビデオ
わかりやすいセリフ、ひねりのない展開、ご都合主義の大団円。歌とダンスで飾り付けて、明るく楽しく差別をなくそう!…と。まぁ、いいでしょう。だって中学生用なんだもの。
調子にのって必要以上に有名なキャストにオファーしたら、OKでちゃったもんで、慌てて忖度and忖度。
ミュージカル なのに踊れもしないシルバーシーンがだらだら続き、日本版のポスターに至っては、お婆さんのアップという何の映画か不明な仕上がり。
なんで出演OKしちゃったかね。ニコール・キッドマン。ひどい役。フォッシーダンスを語るならいっそ某米倉の方がマシた。ジェイムス・コーデンとアンドリュー、見せ場不完全燃焼。ライアンマーフィーはgleeの頃から、大御所になるとミュージカル スターの見せ方下手。好き過ぎるのかな。
メリル・ストリープはお婆さんすぎて、ダンスシーンとラブシーンが見ていられない。
ブロードウェイ作品でもこんな感じなのだろうか?
無名で達者なキャストで心静かに語ったら、きっと良い作品になっただろうに。
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