劇場公開日 2021年2月19日

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「自己責任論について」ある人質 生還までの398日 お抹茶さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5自己責任論について

2021年2月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

自分の意思で行った危険をかえりみない行動が起こした結果はその行為者が責任を負うべきという、自己責任論があります。

一方自己責任論への反対意見として、次のようなものがあります。
 ・世界のどこかで凄惨・残忍な行為がなされている場合、誰かがそこに行ってその事実を伝えない限り外部の人間は知ることができない。
 ・その残虐行為が行われていることを知らないということはその行為がなされていないということを意味しない。
 ・それゆえ、危険を顧みずその事実を世界に伝えようとする行為は評価されるべきであり、政府は救出に責任を持つべきである。

この作品は、取材経験の乏しい若者が一旗揚げるために紛争真っただ中のシリアに取材にいき、過激派組織に捕まった1年あまりの悲惨な記録です。

彼の母国はテロリストを支援することになる身代金支払いを拒否します。一方で身代金を払った国もあったようです。
彼の家族の募金活動の結果として彼は助かりますが、殺されてしまった捕虜もいます。

シリアに関しては、歴史・宗教・政治面で非常に複雑な国家です。
米ロ英仏等の大国のパワーゲームに翻弄される状況にあるそうです。
彼の行動に同情できない点もありますが、少なくとも安易に貶すのは違うのだろうと思います。

ちなみに楽しい作品ではありません。

お抹茶