陶王子 2万年の旅
劇場公開日:2021年1月2日
解説
陶磁器の2万年におよぶ歴史を通し、壮大な人類史をひも解いたドキュメンタリー。縄文、中国、メソポタミア、ギリシャ、エジプト、ヨーロッパへと人類の知恵を集めながら発展し、現代ではファインセラミックスとして人類を宇宙にまで連れて行くことになった“焼き物”=“セラミック”。陶磁器でできた器の精霊・陶王子をナビゲーターに、土器から陶磁器、さらにファインセラミックまでの変遷を追い、人類の果てない探究心と進歩を描き出す。ATP賞ドキュメンタリー部門優秀賞を受賞したNHKの番組に新たなカットを加え、完全版として劇場公開。「ひめゆり」の柴田昌平が監督を務め、中国を代表する若手アーティスト・耿雪が人形制作を担当。女優のんが陶王子の声を演じる。
2021年製作/110分/G/日本・中国合作
配給:プロダクション・エイシア
スタッフ・キャスト
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2021年3月28日
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鑑賞方法:映画館
2021年3月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
古代中国や縄文時代の「赤」から、中国の「白」、エジプトの「青」、中国の「青/白」、スペインやイタリアでの白に似た色、ドイツ・マイセンでのヨーロッパ初の「白」、フランス・セーブルでの多彩な色、と色を出すためのさまざまな材料、釜などの工夫による高温の出し方などが紹介され、陶磁器における2万年の歴史を振り返るドキュメンタリー作品。
現代ではファインセラミックスとして宇宙船の断熱材としても使われている焼き物。
陶器で出来た人形の陶王子をナビゲーターに、土器から陶磁器、ファインセラミックまでの歴史を学べる。
個人的にウエッジウッドやロイヤルコペンハーゲンなどヨーロッパの食器が好きなので大変興味深く観れた。
最初は白の出し方、続いて青、と大変な努力と試行錯誤を経て色の出し方を発見する過程が面白かった。
のんの声がナビゲーターとして聴けて良かった。
焼き物の好きな人にはオススメです。
2021年1月18日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
セラミックのはじまりを写しと捉えていくところが非常にしっくりきて、かなり教育番組的なつくりながらも、一つ一つなるほどと思いながら観賞できました。
教育番組的といっても、アートの要素が満載というかそれで埋め尽くされていたので、ビジュアル的にも楽しめるはずです。
タイトルにも関わっている操り人形の演出に、一抹の不安を覚えましたが、数々のドールには圧倒されました。
取材力とか素材の質の高さは素晴らしいものがありましたが、グラフィックとか合成のされ方があまりにもお粗末だったって印象が・・・
とはいえ、これを見終わって、コーヒーや紅茶はガラスやステンレスではなく、マグなどセラミックで飲みたいという気持ちになりました、味ばかりではなく見た目も気にしながら─。
僕の田舎の実家の近くには、縄文時代の竪穴式住居跡があって、近所の畑や畦道で、縄文土器の破片や石器が見つかることが多かった。
僕の幼馴染は、鏃(やじり)など鋭利な石器が好きだったが、僕は土器の縄目文様が好きで、破片を拾い集めていたことがある。本当は、よそのうちの畑を掘ったこともある。
僕の父方の実家は、陶芸の窯元で、一時、地震や磁器の台頭、戦争で途絶えていた時期もあったが、今は親戚が再興して、窯を営んでいる。
そんな理由で、僕は陶磁器が好きだ。
自分で教室に通ったこともある。
高価な器も持っている。
高価な抹茶の器を落として割ってしまって何ヶ月も落ち込んだこともあるし、ハンズで金継ぎの道具を買って、金継ぎを試したが、下手で更に落ち込んだこともある。
前に、磁器を生産している窯の方と話をした時に、現代は、皆、器を大切に使うので、割れることが少なくなっていて、ある意味、商売があがったりだとぼやいていたのを思い出す。
中国から伝わり、ヨーロッパで発達した磁器はとても洗練されている。
デザインや色彩は普段使う時の楽しみでもあるが、それだけではなく、使用した後の洗い上がりが、安いものとは全然違うことにも驚かされる。
僕は専門家ではないので、こんな程度しか話題にできないが、是非、様々な器を使って、この映画で語られる2万年の旅路に想いを馳せて欲しい。
コバルトの青も素晴らしいが、陶器に使われる藁灰(わらばい)の海鼠釉(なまこゆう)の青も深い海の底を思わせるようで素晴らしい。
欧米では、現在、洗練された磁器より、素朴な釉薬を使用しない陶器を好む傾向が高まっているという話も聞く。
あまり、形式に拘らず、お気に入りの陶器の器で抹茶をたてるのも心が休まります。
日々使うことで、生活にリズムが生まれたり、豊かさを感じたりすることも出来ると思うので、皆さん、器に目を向けてみて下さい。