「地元のために働きたい!」ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌 Socialjusticeさんの映画レビュー(感想・評価)
地元のために働きたい!
観たかったが、ネットフリックスのオリジナルなので、当時ネットフリックス買っていなかったので観るチャンスがなかった。今、やっと観られたが、すでに、あまりにも有名な映画や回顧録にもなっていて、J. D.バンスのことをかなり知ってしまったので、感慨深くなくなっちゃった。 まずいなあ、かなりの情報がこの映画をつまらなくしたし、彼自身も、あまりにも有名になりすぎちゃった。 バンスは前から有名だったかもしれないが、私にとっては『なぜ、トランプが大統領になって、ヒラリーがなれ
なかったのか』という紐を解いてくれた人の一人だった。選挙後、なぜ、トランプかの彼の説明はアメリカ社会で重要な存在になったと思う。 バンスのような家庭環境で育った、忘れられていたヒルビリーが脚光を浴びたから。私がまだ覚えているバンスの一言は「ヒラリーの演説は右の耳からも入らない。雲をつかむようだが、トランプの演説はシンプルでわかりやすく迫力がある。』これはバンスの言葉を訳したものでなく、私の記憶にあるものだ。なるほどと思った。人の心に訴えるように話すことは政治家だけでなく、壇に立つ人の必要なスキルなのだ。
バンスは共和党で、2022年のオハイオ州の知事選に出るようだ。私は彼の政策を全部読んでないが、JD Vance for Senate Inc.から二つの課題だけちょっと抜粋した(そして、私が意訳を)。興味があればJD Vance for Senate Inc.をコピペして読んで欲しい。
A Foreign Policy that Puts Americans First
Our troops don’t need to focus on diversity or equity or any other progressive buzzword; they need to focus on fighting and winning America’s wars.
彼は軍には多様性や公正性などに焦点をおかず、戦うことや米国の戦争に勝つことに焦点を置く必要があると。
Restore Sanity on COVID-19
should be able to go to school in person, without masks hiding the faces of their friends and teachers.
コロナに関しては、学校に行って授業に出るべきで、友達や先生に顔を隠さず、マスクなしと。
この2つの課題だけでも私個人と全く逆の考えだ。でも、これだけでは、人間性云々は言えないと思う。 映画が事実だとすると、これだけ、苦難を乗り越えた人が(一般に言われる)成功した場合、反面教師になるか、また、親と似たような性格になるか?本人にあったこともないし、身近な人でもないから知らない。ただ、彼はCNNのコメンテーターだったから、彼の話ぶりは知っている。
この回顧録の映画で強烈だったところは、祖母が彼を立て直したところだ。母親もあの状態だから、祖母にとっても、子育てに自信があるとは言えないが、オーピーオイドの薬中になり母親のように生きるか、それに、高齢貧困層に配給される昼ごはんを頼みにする生活をするか、祖母の励ましや病気、などがバンスの目を開かせた。貧困から抜け出すには批判的思考力がいると教育界ではいうが、彼もそれがあったに違いない。
それからバンスは高校を卒業し、海軍に入った。 貧困でも(軍の奨学金でーそうは言ってないが)
大学にいける。
彼のあるインタビューで感激した言葉がある。オハイオ州に戻ってきてからの言葉で、シリコンバレー(ここで投資家だったようだ)なんかどうでもいいよとか言って、 オハイオ州で問題なオーピーオイド(痛み止めが麻薬化する)などに力を入れたいと。地元のために働きたいと。