「何が彼女をそこまで突き動かしたのだろう」私は確信する kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
何が彼女をそこまで突き動かしたのだろう
実際におこった未解決事件を題材にした法廷サスペンス。失踪した妻の殺害容疑で捕まった夫の無罪を勝ち取るために努力する弁護士と支援者の女性を描く。
膨大な通話記録を文字に起こす作業をしていた支援者の女性はフィクションであることは説明があったが他はどこまで事実なんだろう。ただ、死体も見つかっていなくて、殺害方法や狂気といった物証・証言が全くないまま殺人で逮捕・立件した警察・検察がそもそも狂っている。推定無罪って原則はどこにいった?
この手の法廷ものでありがちな警察・検察のクソみたいな行動や証言は少し抑えめ。支援者のノラが膨大な通話記録から重要な情報を取り出してくるって流れなんだけど、おいおいそこまでやるか?ってのが正直な感想。子どもや仕事を犠牲にしながらとにかくどっぷりとこの事件にハマりまくる。単純な正義感だけでそこまでできるのか?って思ってしまった(フィクションの登場人物なんだけど)。
そして、ラストは想像通りで、なぜそうなったかを想像すると「殺人犯はそこにいる(清水潔著)」というノンフィクションを思い出した(読んだことある人にしかわからないかもしれないが)。妙な怒りと気持ち悪さと怖さを感じるラストだ。実在する未解決事件だけにかなり重い。
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