「チャーミングなドニー」燃えよデブゴン TOKYO MISSION MAKOさんの映画レビュー(感想・評価)
チャーミングなドニー
先ずひと言云いたいんだが、冒頭に「この映画の東京タワーのシーンはCGとセットです」なんて註釈を入れたのは何処の馬鹿だ。二度と許さん。
まあさて、ドニーがコメディやると、こうも可愛くなるのは何故なんだろう?太る前から可愛い(笑)
昔のドニー映画だと、怒ってる顔か(たぶん)怒ってない顔の二種類しか表情のパターンが無かったんだが(いや、そんな事は無い筈、たぶん)イップ・マンシリーズを経て確実な演技力を身に着けたんだと思う。
ゴリゴリのナルシストのドニーが太った役を演じるなんて、昔なら考えられない。ほとんど奇跡だ。
そんなドニーを見事に演出した我等が谷垣健治監督。苦労も多かったようで、監督を押し付けられた。次に同じ話が来たら下村勇二に振る(笑)。とか映画秘宝で云っていたが、またやっちゃうんじゃないかなあ?
何だかんだいっても、いい師弟関係だと思う。
なので是非、今後も組んで我々を楽しませてください。これまでもセリフ無しの共演シーンは有ったけど、内輪ネタ的なセリフのやり取りをする共演シーンを、是非観たいもんです。馬鹿ウケ間違い無しだ(ごくいち部に)。
そして今作のアクション監督を担当したのは立体的なアクション設計を得意とする「High&Low」の大内貴仁氏。
この方に任せたからこそ東京タワーのクライマックスは実に見応えの有るシーンになったと思う。
とはいえ先輩とその師匠に挟まれての演出は、かなりキツかっただろうなあ。ドニーは今やハリウッドスターなわけだし。
きっと胃薬手放せなかった事でしょうな(笑)。
で、クライマックスといえばその相手を務めたのは期待のアクションスター、丞威氏。
初めて目にしたのは「TOKYO TRIBE」で、まるで重力無視するかの様にクルクル廻ってピョンピョン飛んでいて、出演シーンは少ないながら、凄ぇ、何この人。って感じの印象を強烈に残した人だが、調べるとダンスが得意でアメリカでフルコン空手のチャンピオンになった事も有るという実力の持ち主。
背が高くハンサムで強いという人類の敵です(笑)。
今後も是非活躍して頂きたい。
因みにニコラス・ツェーには似てない。
以上の様に素晴らしいスタッフ、キャストによって作られた、暗い空気を忘れさせてくれるオススメの娯楽映画。
まだまだ公開してると思うので、まだの方は是非。
蛇足
タイトルが「Enter the fat dragon」なのにテーマ曲が「Way of the dragon」なのはなんでだ?ラロ・シフリンの権利高かったのかな?
あと、是非サモ・ハン御大にも出演して戴いて、ドニーに「ガリガリだな」とか言うシーンが観たかったなあ。
MAKOさんのレビュー、勉強になります!冒頭の東京タワーに関するエクスキューズは私もよくわかんなかったです。もしそういうことなら、東京タワーより歌舞伎町に言った方がいいのでは?と思いました。でも、楽しかったです!