劇場公開日 2021年1月1日

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「これぞ香港カンフー映画!」燃えよデブゴン TOKYO MISSION おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5これぞ香港カンフー映画!

2021年1月11日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

興奮

2021年が明るく楽しい年になるよう、今年の1本めに選んだのは本作。予告編から、昔懐かしいジャッキー・チェンのカンフー・コメディを彷彿とさせたからです。その期待どおり、頭空っぽで笑って楽しめる作品でした。

とにかく序盤からアクション満載で、これぞカンフー映画といった感じでテンションが上がりました。走る車内で複数の敵を相手に立ち回る主人公フクロンがカッコよかったです。そして、散々あたりに被害を出しまくり、最後も大惨事の一歩手前で無事終了という王道展開も楽しめました。

物語も、この序盤の騒動から恋人との別れ、部署の異動、主要人物の関係性や人柄をコンパクトに描き、あっという間に舞台を整えてメインストーリーを展開していきます。このあたりも香港映画らしく、実にテンポがよかったです。

本作の舞台はほぼほぼ日本で、地方在住の自分には馴染みのない場所でしたが、おそらく歌舞伎町あたりでしょうか。しっかり取材して組んだセットだとは思いますが、日本なのにどこか違和感を覚える街並みで、洋画の吹き替え版を見るような感覚がなんとも言えない不思議さでした。そして、そのセット内で手近なものを駆使して縦横無尽に暴れ、あたりを壊しまくるカンフーアクションが痛快です。ただ、日本の街中で暴れられるとなんだか複雑な気持ちになるのは、やはりセットがよくできていたせいでしょうか。

それにしても、主演のドニー・イェンは本当によく動きます。本編中のフクロンはブルース・リーを意識していたようですが、キレと柔らかさとユーモラスな動きはやはりジャッキー・チェン。ラストの東京タワーでのアクションも秀逸でした。冒頭で「東京タワーはセットとCGだ」とわざわざ断りがありましたが、それでも現地ロケしたのかと思えるほどでしっかり楽しめました。

さらに、エンドロールもメイキング映像もしっかり楽しませてくれました。まあ、ストーリーはがばがばですが、本作に求めるのはそこではないと思うので、あまり気になりませんでした。というわけで、徹頭徹尾、正統派香港カンフー映画として楽しめる一本でした。

おじゃる