川っぺりムコリッタのレビュー・感想・評価
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奥が深いテーマを終始笑いのある緩い展開で表現した感じの邦画。 本年度ベスト級。
緩くて笑える作品。
鑑賞中、何を表現したいのか解らなかったけど、終わってみたら考えさせられるテーマだった感じ。
ある理由で田舎の古アパートに住みながら塩辛工場で働く松山ケンイチさん演じる山田。
仕事もせず野菜を育て生活するムロツヨシさん演じる島田。
未亡人でアパートの管理人の満島ひかりさん演じる南。
この三人が中心に展開するストーリー。
他人と関わりたくない山田と、山田にご飯をたかる島田の掛け合いが面白い。
墓石売りの吉岡秀隆さん演じる溝口親子は不気味(笑)
食事のシーンが多目なんだけど、白ご飯、塩辛、漬物など質素な物しか出ないけど美味しそう。
孤独死した山田の父親の骸骨を巡るストーリー。
未亡人の南。
旦那を今でも愛し続けている表現方法がエロい(笑)
山田の父親や南の旦那の死を観る人かどのように感じるのか?
そんな事を作者は表現したかったのかと自分なりに解釈。
ラストシーンはダサいんだけどハッピーエンドな感じで良かったです。
不法投棄されたゴミの山。
ゴミが何故か新しい感じに違和感があったけど、それ以上に何故公衆電話が不法投棄されていたのか?
気になります( ´∀`)
図太く荒い輪郭線の精密描写
「親しき仲にも礼儀あり」の手前に、「親しくなるには礼儀なし」があった?
閉ざされた心に荒療治的なコミュニケーションは、
結局断わりきれず押しきられ、まあこの場合は良かったのかな。人生は中庸を行くべし
日本の米は世界一
午後から映画館が台風の影響で閉まるという緊急事態に陥ったので、急遽予定を変更してこの作品に。本来は「この子は邪悪」を観てからの流れだったんですが…。台風め許さん。
今作、程よく笑えて、程よくホロっとくる、そして心が温かくなる良作でした。
前科持ちの主人公が流れ着いたイカを捌く仕事場での交流とかではなく、住んでいる平家一帯の人々との物語だったのも朗らかな感じを演出するのに最適でした。いきなり風呂に入ったり、ご飯一緒に食べだしたりと、図々しい隣人や、墓石を子供と一緒に売る隣人、亡くなったはずなのに現れる老人、亡くなった旦那を愛し続けている大家と個性豊かな面々が揃っています。
途中で殆ど記憶のない父親の遺骨を引き取りに行ったり、島田の過去の記憶が蘇ったり、妊婦を変に憎む大家だったり、坊さんの存在だったり、遺骨を花火にして打ち上げたタクシー運転手だったりと、常に明るい雰囲気のそばに様々な死生観が潜んでいました。命の電話の利用者とか、葬式に坊さんを呼ばないとか、市役所に残っている見ず知らずの遺骨と、そうなのかという情報も詰め込まれており、上映中ずっと死ぬのって怖いなーと他人事のように思っていました。30日公開の「アイ・アム まきもと」の主人公と妙にリンクしているのも面白かったです。
今作は誰かとご飯を食べているシーンが印象的で、メインは白米、それに漬物や味噌汁、そこにビール、出てくるもののバリエーションこそ少ないですが、美味そうに食べたり、感想を言い合っているのも美味しそうな感じを引き出していました。
最後の自由な形の弔いも現代ではありなのかもなというのをひしひしと感じました。江口のりこさんの使い方は贅沢すぎるなとは思いましたが。
考えさせられることは多かったですが、劇場を出るときには不思議と笑っていられた、そんな作品でした。あ〜お腹空いたなぁ。
鑑賞日 9/19
鑑賞時間 11:40〜13:50
座席 K-17
糖質制限なんてクソだ。
北陸の片田舎に越してきた青年が少し変わった隣人や年中喪服を着て墓の営業にまわる親子や夫を亡くした大家さんらとの交流によって徐々に復活していく話。
女性達が色んな食材を使ってオシャレに健康的な食を楽しんでいるのが印象的だった『かもめ食堂』とは反対に、今作はほとんど米と夏野菜と味噌汁と塩辛だけ。栄養はほぼ糖質だけだし、塩辛を大量にかけてるから絶対塩分取りすぎ(クーラーない部屋で汗かきまくってるからこれぐらいとっても問題ないんだろうけど)だけど、日本人って米さえあればどうにかなるんだなと思わせてくれる。
毎回毎回ご飯を口にする度に身に染みてる松山ケンイチの顔が最高。『孤独のグルメ』みたいに勝手に心の声をつけてしまいたくなる。それ以上に何が良いってこれが羨ましく見えても帰ったらすぐに真似できることよ。糖質制限なんてクソだな。
萩上監督の作品って素朴な人々の生活を描いているようでコミュニティは全く現実的でないある種の楽園であることが多いと思っていて、今回も日本の隅に取り残された田舎であるにも関わらずめちゃくちゃ理想の楽園。皆が皆の面倒を見合ってご飯を分け合う。最底辺の生活に思える場所がすごく幸せそうに見える。
とても多くない収入だろうに隣人とごはんを分け合うたけしを見ていると私達って1人生きていくのには十分なお金は貰っているのに贅沢に贅沢を重ねてるから人に与えるお金が無いんだと恥ずかしく思った。まぁ現実問題都会に生きているともっと沢山の出費が必要な面もあるけど。
とはいえ1番楽園感を醸し出してるのは全軒クーラーがなさそうなこと。今の日本でいくら北陸の方の田舎とはいえ、真夏にクーラーなしで耐えられる場所は幻想じゃないかと思うね。。あれぐらい塩辛食べないと脱水になっちゃう(笑)あと、1度口に着けた箸で塩辛を取ってそれを真夏の常温で放置して1度もお腹壊さないのもファンタジーだと思う!!(笑)
人とつながってこその小さな幸せ
あっけらかんとした隣人さんによって、心が解けていく。その隣人さんにも過去があり。。。
自分を捨てた父親が孤独死して、遺骨を引き取るがどう処理すればいいのか分からない。
食事を取っ掛かりに、孤独をかみしめて生きてきた住人たちの心に日常の触れ合いがちょっとした温かさをもたらしていく。
魂は金魚となって、、、空に浮かぶ不思議な物体が最近観たNOPEを思い出した(^^;;
賛辞が多すぎて文章がまとまりません
題名からして、ちょっとスカした印象?でしたので、たぶんほんわかした婿入りコメディ?かなんかだと思って鑑賞いたしました。
ムコリッタ=仏教用語で時間の単位。今の時間で表すと約48分・・・映画冒頭で意味ありげに説明文提示でいきなり釘をさされます。勘違いすんな、と言わんばかりに。
釘でちょっと、さされるだけでしたらまだ余裕だったんですが、どことなく不安感が漂う殺風景なシーンの連続で松山さん演じる主人公、山田の動作ひとつ、かけられる言葉ひとつが限りなく非常に重くのしかかり・・・画面に釘付けにならざるをえません。ムコリッタ荘(でしたっけ)は、廃墟一歩手前だし。
で、ムロツヨシさん演じる、アパートの隣人のいきなりの登場でしょ?
ここ笑っていいんだか、新たな災難の襲来(笑)なんだかこの時点じゃ想像もつきませんでした。
しかし・・・しかしです!映画を鑑賞後にその戸惑いや不安感は180度方向転換し賛辞が頭を渦巻きました・・・そして溢れ出ました。
いやはや、よくこの重くて深くて暗くて決して正解がないテーマを、いろんなとっちらかったエピソード(笑)をからませて軽妙に表現し最後にはきっちり収束させながらひとつの映画作品にしたもんだ、と深く感心いたしました。
原作、脚本もされている荻上直子監督は、かなりの力量と技量と確かな感性をお持ちだと思いましたよ。偉そうなこと申し上げて済みませんが。
特に共感したのは日本で栽培され調理され食卓に上がる毎日の食事、おやつなどが、人が生きる上で大切な原動力、小さな幸せの元になっているという思想です。
他にも脚本、演出(音楽)など、たくさん褒めることがありすぎで文章がまとまらないし、あまり書きすぎるとネタバレしますのでこのあたりでレビューは終わりにします。
ぜひ劇場でご鑑賞ください。
予告編を見て想像していた話と違う・・・
予告編を見て、秘められた過去を持つ人々の人間関係をコメディタッチに描いた作品かと想像していたら、結構重いテーマを扱う作品だった。
重いテーマをそのまま食べたいと思う観客は限られるから、ムロツヨシによるコメディ要素とか死んだ婆さんとか宇宙人とかホラー要素とかで味付けしてますね。
出演者の方々はいい演技してますね。
・恵まれない家庭環境で育った前科持ちの主人公 松山ケンイチ
・厚かましいミニマリスト ムロツヨシ
・亡き夫をいまだ忘れられない大家 満島ひかり 等々
なお、富山が舞台となっていますが、知人の話では、浄土真宗が盛んな富山でナスの精霊馬は作らないし、最後の野辺送りの風習もないとのことでした。
自分も野辺送りに立ち会ったことがないので、最初、何が何だかわかりませんでした(苦笑)
イカはイカがですか‼️❓イカんかな‼️❓イカにも‼️❓
食を通じて、また、死んだ人への想いに苦しみながら、新たな出逢いに、ささやかな生きる意味を見つける、そんなところでしょうか?
すき焼きやご飯が美味しそうです。
最近、尿酸値が危ういので、牛乳と卵多めで、肉魚を自粛しておりますので、なおさらです。
マツケンより、ムロツヨシと石売りの人が目立つのが、どうですかな。
ムロの野菜も美味しそうです。
反対に塩辛が嫌いになりました、映像で、ナメクジやウジとシンクロするもんで。
ところで人骨は粉にして撒いたら合法なんですね。
ところで満島ひかりが人骨で自慰するところで加点しました悪しからず是非。
こんな俺でも笑っていいのかな…
仕事場でくたくた、空腹の状態で観賞しました。
お腹が空いてたのですが、主人公(松山ケンイチ)のお腹をすかせている演技が凄すぎて、私の一食、二食抜いたぐらいの空腹とは訳が違った。
不幸な生い立ちの青年を演技させればトップクラスの松山ケンイチさんが本当に泣かせる。
ちょいちょい笑いのシーンもあったが、すき焼きと、イカの塩辛の壺のシーンは笑った。
生きる=食べる事 私もちゃんとごはんを炊こう
白飯がめちゃくちゃ食べたくなる映画
ご飯と味噌汁と塩辛、美味そうだった
北陸にある塩辛工場で働きはじめた山田(松山ケンイチ)は、安い古アパート、ハイツムコリッタ、で暮らし始めた。人と関わらずひっそりと生きたいと思っていた山田に、隣の部屋に住む島田(ムロツヨシ)が、風呂を貸してほしい、と訪ねてきた。島田は図々しく、山田がご飯を食べてたら茶碗と汁椀とはしを持ち漬物だけ持ってきてご飯やおかずを食べた。そんなことをしながらも山田と島田は、楽しい日々を送り、友情も芽生えてきた。そんな時、山田は前科者で見知らぬこの町にやってきた事がわかり・・・てな話。
ムコリッタ(牟呼栗多)という仏教用語を知れた。時間で48分の事で、ささやかな幸せの意味らしい。
些細な事で幸せを見つけて生きていく、って事をみせたかったのかな
ご飯と味噌汁、漬物に塩辛、うまそうだった。
なんてことない日々の、ささやかな幸せ
松山ケンイチ、ムロツヨシ、満島ひかり、吉岡秀隆
その他やたら演技派の俳優さんが無造作にちょいちょい登場
北陸の片田舎の、築50年の長屋みたいなアパートにたまたま集った隣人が、昨日と同じ今日、今日と同じ明日を過ごす
世の中の誰しもがそうであるように、そこに集うに至っては、一人ひとり、いろんな出来事を通り過ぎてきてる
今日も白米が上手に炊けた、そのささやかな幸せ
っていう、
一体それの何が面白いんだってなりそうな物語だけど、なんせ芸達者のみなさんがそういう一つ一つの個性を繊細に丁寧に抉りだすもんだから、とりたてた起伏はないあるひと夏の日々が、なんかジーンと胸の奥に沁み込んでくる
距離感
137本目。
作品の中身を考えれば、重くなりがちなのかと思うけど、夏の景色だったり、周りの人達でうまい具合に中和されてる。
死と、どう向き合うのではなく、死だったり人だったりの距離感をどう取るのかといった作品なのかな。
ムコリッタ、仏教言語なんだ。
好きな映画かも。小さな小さな出来事の積み重ね、それが人生。登場人物は皆、家族の誰かを失っているし何か人生につまづいている。それでもまだまだ人生は続くし過去は許されると。パターンは大好きなドラマのすいかみたいだけどこれはこれで好き。
本当の豊かさとは何か
どうせ人はいずれ死ぬ
なのであれば
ちょっとやそっとの事で妬んだり
腹を立てたりしている時間は勿体無い
何もなくても
豪華な家に住んでいなくても
ささやかな暮らしの中で
人の温もりや
ご飯のおいしさに気付くだけで
心は満たされる
そういった事を思い出させる作品。
あなたが忘れない限り、その人は確かにこの世に存在し続けているのだ。
登場人物はそれぞれ大切な人との別れを経験してて、どこか喪失感を抱えながら生きている。しかしそれは人生においては必然でもある。「ご安心ください。亡くならない人はいないのですから。」時は積み重ならず、川は絶えず変化しながら流れていくだけ。でもかつて豊かさの象徴だったガラクタは、それを使っていた人の記憶をそこに留めている。自分には生きる価値がないと悩む主人公に対して「その人が居なかったことにしてはいけない」「僕がなくなったら君に淋しいと思ってほしい」というセリフが刺さる。
その人が確かにそこに居たと、少なくとも自分は覚えていたい。色々考えさせられる映画でした。
あと風呂は直ったんだろうか?付帯設備の修理は大家さんの義務、なんだけど多分家賃払ってないから、要求できないんだろうなー(;^_^A
確かに死なない人はいないよね。
予告編からかる〜いコメディを想像してたんだけど、クスクス笑いながらもジワジワ染み込んでくるお話しだった。
松山ケンイチ演じる前科者の山田が富山の塩辛工場に就職。同時に築50年のハイツ ムコリッタに引っ越してくる。
引越し初日から隣に住んでいるムロツヨシ演じる島田がズカズカ接してくる。初対面のお隣さんに、風呂貸してなんて笑える〜!その後も一緒ご飯食べるシーン、楽しかった〜。そのままのコメディかと思っていたら、子供の頃に別れ別れになっていた父親の遺骨を受け取るかどうかの選択に悩む山田。記憶にも無い親の死、自分ならどうする?難しい選択だ。
最初からずっと心を開けない山田のモヤモヤ感、松ケン、凄く良かった。今まで観た中で1番ハマってた気がしました。周囲のみんなも色々背負うものがあって、人生は十人十色、価値観もそれぞれ。結構考えさせられました。
えっ!隣の婆さん、幽霊!?とか、巨大なイカのお化け!?とか、遺骨でエッチ!?とか不思議なシーンだらけで楽しかったですよ。
ピアニカの音色がぴったり
かもめ食堂のように、ただオシャレっぽい映画で終わるのかなと思ったら意外に話が深い。しかしそれぞれの苦悩がやんわりとしか描かれていないので??が多く残りますが、それでも最後みんなが上を向いて前へ進んでいたので良しとします。ときどきくすりと笑えて、私は好きですこの映画!ピアニカの音色が頭から離れません。
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