川っぺりムコリッタのレビュー・感想・評価
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リアル「めぞん一刻」
原作は読んでいないが、「めぞん一刻」が裏原作に違いない。
映画.COM の評価が3.7と高いので、鑑賞しました。
まず最初に気になったのは,
まるで16ミリ映画のような粗末な画質。
それでも そういう演出なのかと解釈して、観ていくが
何もかもB級機材を使っている? ので、とても鑑賞しづらい映画となっていた。
更に、カメラが不安げに微動撮影している。
細かいカット割りを失くして、カメラを動かす事で、場面を構成しようという意図のつもりだろうが、どうも監督からの演出指示は少なく
カメラマンが気を利かせて、自分の考えで動いているように思われる。
内容とは関係なく、撮影関係で映画評価を★2個は確実に落としている。
監督は演技指導もできていないようで、
各俳優陣が自分なりの演技をしていたが、自分を持っていないエセ俳優の演技は見られたものではなかった。
特に坊さんは酷い。重要な役柄だけに、もう少し演技のできる配役をキャスティングすべきだった。
ヤギが口を動かさずに、鳴くのは 糞演出。
アイスを食べるシーンで「僕は。。。」で切らるシーンは絶妙なタイミングは良かった。
主人公の部屋の前に住む親子?が家賃を5年間滞納しているくせに 親子が同室ではなく隣室住になっている。
その辺の 言われ は原作にはあるのだろうか? 興味が湧いた。
主人公があの部屋を紹介されるまでの
不動産屋さんとの やり取りを冒頭で描いた方が、映画の質が上がっただろう。
この映画を観たら、やはり アニメ映画「めぞん一刻」を見たくなった。
タブーの死に向き合った意欲作
青年の山田(松山ケンイチ)があるアパートに引っ越してきて、アパートの住民達との触れ合いや死生観を考える物語です。
大きな感動はありませんでしたが、死生観について、いろいろ考えさせられます。
個人的には、タクシードライバーの花火の話は驚きます。
なかなかためになる話が出てきますので、観て損はないと思います。
若い人には微妙な映画に感じるかもしれませんが、タブーに挑んだ貴重な映画だと思います。
思えば皆前科者のように何か抱えている。
単調に続く日々を見やると希望などなく、いつか死ぬのを待っているのだろうか?
でもその暮らしの中にささやかな幸せを見つけられることが生きる喜びとなる。お風呂に入ったり、炊き立てのご飯を食べたり。
死ぬと骨は残っても、魂は金魚になって空を浮かんでいくと思ったら、凧のようなイカだった。宇宙人に電話が繋がり、わぁと思った。
#69 小さな幸せの積み重ね
前科者ゆえに幸せを感じちゃいけないと思い込んで、いつも仏頂面してる男が主人公のお話。
隣に住むズーズーしい男や、変な大家親子とか、絶対富山にはいなさそうな人ばかり。
唯一いそうなのは、山の上の大きな家に住む世間知らずのおばさん。ああいう金持ちはいそう。
久々に松山ケンイチの良さが全面に出てる作品で良かったっす。
死ぬまでに大成したい人じゃなくて、穏やかな人生を望む人向けのお話。
オール富山県内ロケってことだったのに、場所を特定出来そうな風景が映らないので川以外はどこかわからなかった(線路が並んで走ってる川は早月川だよね?)。
あの市営住宅風のボロアパートが魚津ってこと?
あとは山が低いので全部呉西地区での撮影よね?
映画見終わったらロケ地巡りしようと思ってたのに、寺以外に行きたくなる場所はなかったわ。
人は優しさでできている
知られたくない過去を持つ、人との関係を絶った男の雪解けがこちらの気持ちまで優しくさせる。
ご飯を食べて、風呂に入って、当たり前の事の小さな喜びが胸にしみる。観て良かったと心から思える映画。
「たま」の音楽
音楽を伝説のバンド「たま」メンバーだった知久さん(現パスカルズ)が担当。音楽的才能は未だ衰えず。
耳ざわりがよい。
物語的にはほぼ平坦のうちに進行する。
あえてそうしてるのか、登場人物の掘り下げがもう少し欲しかったところ。自分にはあまり刺さらなかった。
冒頭にムコリッタ「牟呼栗多」(仏教用語)の解説があるが(時間の単位で48分)この視点だと意味がわからない。わざとミスリード狙いか?
※転じて短い幸せ=ささやかな幸せ が正解
キャストに薬師丸ひろ子があったが
声だけなのね(笑)
ご飯と塩辛が食べたくなる
知らない町で一からやり直すお話かと思っていたけど違った。
身近な人の死と向き合うということは、法的な事は置いといて、人それぞれ正解も不正解もないと思う。
南さんの件を気持ち悪いと思うか否かでこの映画の評価が変わるのかなと思った。個人的には、南さんの亡き夫への深い愛を感じた。
おそらく他の映画よりも極端にセリフが少ない、でもなんだかそれが心地よい。
言葉の余白が多い分、登場人物それぞれのいろいろなことを感じながら観ることが出来る。
社長の声かけや気遣いが、お節介でウザいなとは思いつつ、悪い人ではなさそう、うん、やっぱウザい、嫌いじゃないけど。
ムコリッタというより、身近な人の死がテーマであったが・・・・・・
解説では「ムコリッタ」は「ささやかな幸せ」と言う意味もあると書かれていました。
それを感じれられる、ほのぼのとした映画かと思っていたら、そこではなく、
「身近な人(生き物)の死や遺骨とどう向き合うか?」がテーマになっていました。
それに向けて伏線が張られ、そして回収されて行きました。
俳優も良いし、テーマも良いけど、何か面白くなかったな。そんな映画です。
松田聖子が歌ったラブソングも、みな印象的な訳ではない。そんな映画でした。
でもひとつ印象的だったのは、工場長の「これを毎日毎日、そして10年続ければその価値がわかるよ。」という言葉。(ブラック企業ではない前提ではありますが、)
我々の日常生活も同じようなものかも知れない。
子供を育て上げ独立し、仕事も一段落付けた。
もう「これを成し遂げるまでは、死んでも死にきれない!」なんて大テーマを背負って生きているわけではない。
日々の積み重ね、そこに少しの「ささやかな幸せ」もある。
あっ、これがムコリッタか!・・・・・・・・・・・・・・ちょっとハメられたね。
日本映画はこれでいいのだ!
『さかなのこ』に続き、今年のベストというか個人的なお気に入りの作品が続けて観れて嬉しいなぁ~。
もう日本映画はこの独自固有路線で突き進めば良いという思いが、更に強くなってしまいました。
本作の予告編を観た時「めぞん一刻」を思い出して観たくなったが、監督が「かもめ食堂」の荻上直子の作品だと知ったのは後からです。
この監督、特別に好きだった訳ではありませんが、本作は監督作品中で個人的に一番好きな作品となりました。
監督の特徴でもあるマイノリティを扱った作品でしたが、自分探しなどではなくもっと普遍性のある人間への思いの詰まったテーマだったので、今までの作品より好きだったのかも知れません。
観終わって作品の世界は「めぞん一刻」そのままでしたが、テーマは盛り沢山で大きく一つにまとめると「現在社会を生き抜く為の心の持ちよう」という感じではありました。
タイトルの“ムコリッタ”とは仏教の時間単位のひとつだそうで、ここでは「ささやかな幸せ」の意味で使われ本作の軸となるテーマでしたが、もっと細かく分けると“孤独”“貧困”“喪失感”等々、幸せの反対語の様な状態の登場人物達の各々の生き方と関わり方が描かれた作品でした。
私が特に個人的に刺さったのは、主人公の父親の死に方と弔われ方になりますかね。
私は母親をちゃんと弔うことが出来るのか?私が死ぬ時はちゃんと弔われるのか?恐らくこの父親と同じ状況(孤独死)になると想像できるので、これはちょっと怖かったです。
作品のトーンはドラマチックよりファンタジックに寄り、そんなに深刻ではなくユーモアもありコミカルなシーンも多かったのですが、テーマが“死(川っぺり)と生(ムコリッタ)”についてだったので、フェリーニや寺山修司や鈴木清順や大林宣彦などの“死”を意識した作品群や「おみおくりの作法」等々、様々な監督や作品を思い出していました。そういう作品に、思い入れがある人は是非観て貰いたい作品でした。
私自身は「ささやかな幸せ」を見つけるのは得意な方だと思ってはいるのですが、主人公達よりも死に行く側の人達に思いを馳せる年齢になってしまったので、幸福感を感じつつもキツサも同等に感じた作品となりました。
結構、複雑なお話し…⭐︎
「かもめ食堂」でも感じたけど、なかなか複雑なお話し。
前科のある松山ケンイチ演じる山田が、ハイツ・ムコリッタの住人達(主にムロツヨシ)と関わり合いながら
再生していく物語と言えばそれまでだが、それだけではすまない。
墓石を子供と一緒に売り歩く吉岡秀隆も見方によっては、不気味な感じがするし、ムロツヨシも怖いようにも
思える。
それをギリギリのところで切り取っているのは、さすがの監督の力なのかと思った。
鑑賞前は、このところ暗めの作品を多く見ていたので、ホッコリ出来るかと思っての鑑賞だったが
その思惑は裏切られてしまったかなぁ。
…と言って、決して残念な作品ではなかった。
でも、自分にはそれほど共感できなかったし、むしろ悲しく切ない思いがした。
映像は美しくて、素朴な食事のシーンがとても美味しそうだったと思ったら、フードスタイリストが
飯島奈美だった。
やっぱり上手い(美味い)。
のんびり
した時間が流れる映画ですが、内容は人の死や、貧乏、犯罪者、若き未亡人等々 問題を抱えた人々の寄り添った生活を見せる作品です。ちょっとウザい人達が出ますが、それが最後には仲間としての意識ができます。
不思議な余韻がある
パスカルズの音楽が耳に残る
クセが強いムコリッタの住人達が、今も何処かで暮らしてるんじゃないか位キャスト達がこの世界に馴染んでました。
出てくる生き物達も印象的です。
余計な説明もなく、音楽も最小限で殆ど自然音生活音、余白がある表現が好み。
派手な事は起こらないので、若い人にはあまり刺さらないかも。
ゆったりタイム
ムコリッタは仏教用語で、刹那みたいな意味らしい。
ある事情で田舎に引越した主人公が、近所の人との交流し、自分を見つめ直す話し。
なんとも独特なゆるーい時間が流れるお話。近所の人も不思議な人が多く、なんかファンタジー。隣りのオヤジをムロツヨシが好演。コメディとシリアスのバランスが最高に上手い。マツケンも隣りにいそうな青年をナチュラルに演じてる。満島ひかりさんも良かったです。何気に名優ばかり出てる。
ストーリーは劇的ではなく、ゆったり進む。生と死ってなんだろなあと考えさせられるけど、どこかほっこりしました。テーマソングいいですね。
退屈!と思う人もいるかもしれない、好き嫌いが分かれそうな映画ですね。
ストーリー性はないのは分かっていたけど
最初からストーリー性はないのだろうと思っていましたが、静かな田舎暮らしの日常と都会から離れわざわざ単調な仕事を好んで選びゆっくりとした流れの生活を送る青年の姿をスクリーンでみてノスタルジーにひたりたいなと思いこの映画を選びました。スクリーンの中では個性的な登場人物、そして決して豪勢ではないが美味しそうな炊きたてご飯と塩辛、野菜の食卓で特に大きな展開もなく淡々と時間が過ぎていきます。こういう映画をのんびり見たかったのですが、流石に後半はちょっと物足りなく飽きてきました。もっと上映時間は短くても良かったのかな。
ご飯ができたよ
死や孤独で分かたれてしまったからこそ、貧しいながらも一緒に食卓を囲む喜びが引き立つ。それぞれが拭いきれぬ心の澱を抱えているけれども、日々の何気ない日常が、それを少しずつ洗い清めてくれる。
物語の力は此岸と彼岸の境を悠々と渡っていた。
パステル調の色彩を使った撮影に、写真集をめくるみたいな楽しさがあった。
💡「生きる」「生き続ける」ことの深層にある"どん底"?
人の刹那
生き続けることの糧
人の"生きること"を、考えるとき
ちょっとした"こと"で、
右にも左にも傾いてしまう、危うい状態の
連続の上にいる・・・
こんなことを
考えてしまうと
やはり、悲しいと思う。
ささやかな生活に幸せがある・・・
とは、言い切れない!
と、思うんだよね。映画をみて思うのは。
考えさせてくれる、いい映画だった。
ムロさん、吉岡さん
上手いなぁー!ナイスキャスティング。
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