川っぺりムコリッタのレビュー・感想・評価
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近い
お隣さんとの距離感が
50年前くらい
さかのぼってます。
いつから
知らない人とは
話さないように
なったんだろう。
すき焼きを
皆で
食べるシーンが好きです。
呼ばれてないのに
集まってくる…
虫が鳴くお堂で
坊さんと島田さんの
やりとりも
なんかいいです。
どうしてるかな。
あいつ。
薬師丸さん
どこにいたんだろう…
小さな喜びをひと匙で笑顔が生まれる
荻上直子さんの小説を読んでとても良かったので、延期してからずっと楽しみにしていた映画です。観れて嬉しかった。
白米ときゅうり、トマトにイカの塩辛、なんて美味しそうなことか。俳優さんたちが素直に頬張ってモグモグしてる姿を見ているだけでも笑顔になるというか、あたたかさが伝わってきました。個性豊かな住人たちの会話にクスッとしたり、切なくもなったり、ゆっくりとした時間が流れていくのが良かった。
小説では冒頭の方から主人公山田の過去や境遇について説明があったけど、映画では中盤や後半に語られていて、無口な男の子が山田と少しずつ距離をつめていくところとかも、映画では始めから男の子が喋っていたりとアレ?となったけど、映画では違う入り方にしたようですね。それは自然で良かったんですが、小説版の中島さんが好きだったので、彼女とのエピソード(山田が仕事で手を切っちゃうところとか)が減らされていたのはちょっと残念。彼女の静かで真面目な雰囲気がとても好きです。社長さんの言葉もじんわりする。ああいう気にかけてくれている人がいるっていうのは大事なんですよね。あと市役所職員の堤下さんも好きです。素朴で誠実なところが行き場をなくした人たちの救いになっている。そんな人たちがいるから、小さな喜びも生まれるんだと思う。
私も小さな日常の喜びを大切にしていきたい。自分がいなくなったとき、一人でもさびしいと思ってくれる人がいたら幸せですね。
味わい深い作品
うーん...
ご飯を美味しく炊く才能
とくに事件が起こるわけでなしドラマチックな展開があるわけでなし、コメディーでもなし。前科者が淡々と日々を過ごすだけの映画。
私は前科者では無いけれど、昔この映画の主人公と似たような貧乏生活をしてました。
だからかもしれないけど最後まで飽きずに観ることがてきましたが、人にオススメとかはどうかなぁ?
ほんと淡々としてるのよ。
良い作品だとは思うけど感動するわけでなし、面白いわけでなし、見終わってスッキリもしないし。
なかなか不思議な作品だとおもいます。
たぶん観おわった人の多くが白ご飯を食べたくなるのではないでしょうか?めっちゃ美味しそうでした。
今も一人暮らしなのでね、ご飯を美味しく炊く才能は本当に羨ましく思います。
イカ宇宙人
ほのぼの映画の中の大切な言葉
久方ぶりの邦画心地でした。
いやはや全く期待していなかったのですが“松山ケンイチってやっぱ良いよね”と言いたくなる作品です。
ムロさんは通常かなと思ったら裏があったり、満島ひかりの割烹着が色っぽいなと思ったら裏があったりで、非常に楽しめました。
何よりも出演者が豪華過ぎて、、緒方直人・柄本佑・吉岡秀隆など。久しぶりに、江口のりこさんの用法・容量が守られていてグッと来ました。笑
公衆電話、お墓(魂の形?)、お風呂など色々、暗喩というかメタファーがありそうです。
最近、まったりした邦画観てないなぁーと言う方は是非ご観賞下さい。損はしないと思います。個人的には、「護られなかった者たちへ」に本質的に似たテーマかなと思いました。
是非映画館で!!(あの齧る音は映画館こそ!!)
暖かく優しい物語
食べる、働く、育てる、怒る、泣く、笑う、生きて行く
かもめ食堂の監督作だから、どんな美味しそうな料理が出るのかと思ったら、まさかの白米!
もう、おにぎりですらない
でも、この白米を訳あり松山ケンイチと、空気読めないムロツヨシという最強の二人コンビが食べると美味しそうなんだ☺️
何かしら抱えた人々が、近すぎない距離を保ちながら寄り添い生きる日々の暮らし
なにも解決しなくても、ただ毎日を懸命に生きる尊さが、川を渡る風や流れる雲、木に降りかかる雨や炊き立てのご飯の白さから伝わってくる
生と死と、いわゆるルートから外れた人々を描いているから、かもめ食堂のイメージで見に行くと、あれ?となりそう
ただ、監督の持ち味のユルいほんわかした空気感と、美味しい料理は健在
脇役まで豪華な役者陣がみんな魅力的で、2時間あっという間でした
個人的に、亡き夫を愛し続ける満島ひかりが印象的だった
健気な未亡人という綺麗事じゃなく、生身の女として美しかった
ラストシーンを彩るエンディング曲もよき😊
ご飯は誰かと一緒に食べた方が美味しいよ、というセリフが、鑑賞後の心に余韻として広がる映画でした
生きているって、当たり前じゃない
予告からして、すごく心が温まるホッコリ系の映画だと思っていた。松山ケンイチ、ムロツヨシ、満島ひかり、吉岡秀隆というメンツからもそう想像できた。だけど、想像とはかなり違くて、「生死」という重いテーマを扱った、深みのある人間ドラマでした。とても良かった。
登場人物全員、生と死の狭間で生きている。
4歳の時に母親と離婚して以来、1度もあってない父親が死んだ山田(松山ケンイチ)。
庭で野菜を育て、自給自足の生活を送る島田(ムロツヨシ)。
何年も前に死んだ旦那を未だに愛する南(満島ひかり)。
子どもと一緒に墓石の訪問販売を行う溝口(吉岡秀隆)。
死を間近に感じながらも生きている彼らは、生きることに一生懸命で、命をとても大切にする。4人の演技力は流石なもので、中でも松山×ムロは息の根ピッタリ。「マイ・ダディ」「神は見返りを求める」と、少し重い映画に近年出演し続けているムロツヨシだが、福田雄一作品では気付けなかった、演技のうまさに驚かされるばかり。柄本佑も同じく、役幅の広さに驚かされ続けています。
重いテーマながらも、終始居心地が良くて、しっかりと胸に染みながらも沢山笑える。日常の些細な幸せを描く映画で、この映画を見たらご飯がいつも以上に美味しく感じること間違いなし。陽気なシーンと考えさせられるシーンが交互になっている構成なため、飽きることもないし、交互だからこそより一層深みが増しているよく出来た映画です。
雰囲気がとてもいいのは、役者全員が優しい雰囲気を作り出しているというのもあるのだけど、「パスカルズ」の音楽があるからこそだと思う。「さかなのこ」でも音楽担当をしていたパスカルズだが、映画をとても暖かく包み込んでくれる素晴らしい音楽集団。ラストシーンなんて、心が一気に浄化される落ち着く曲でした。
それぞれ何かを抱え、少し歯車がズレている。
だけど、みんなが一緒ならその歯車もキレイにハマる。ギリギリの生活ながらも、支え合いながら生きている。「自分が死んだ時に1人でも悲しいと思ってくれる人がいたらそれでいい。」生きるって難しいけど、生きていないと幸せは感じられない。ハイツムコリッタの住民たちには癒されながらも、すごく胸に刺さるセリフがいっぱいで、とても味わい深い映画です。
前半の歯切れの悪さ、そして社長の説教臭いセリフに嫌悪感を持ってしまったり、断片的なところがいいところなのかもしれないけど、ちょっと物足りなさを感じてしまった。だけど、誰でも確実に刺さるものがあるだろうテーマを扱った、ちょっぴり重くてちょっぴり泣ける、コメディタッチの質の高い人間ドラマでした。ぜひ、映画館でこの雰囲気を堪能してください。
でんでんむしのかなしみ
予告から、孤独な若者とおかしな隣人たちとのふれあいを描いたコメディ、くらいに思っていたら、意外にも奥が深かった。
誰しもが哀しみを背負って生きている。
他者とのつながり、自らの過去とのつながり、死者とのつながり、いのちのつながり。いろんなつながりを感じる(考えさせられるよりも感じる)作品だった。
松山ケンイチ、ムロツヨシ、満島ひかり、吉岡秀隆、柄本祐、緒方直人、みんなそれぞれがこの人じゃなければ考えられないという役を上手く演じていた。
他者との関わりを避けて暮らしている山田君。迷惑ながらも人とふれあうことでだんだんと表情がいきいきとしてくる。松山ケンイチがただご飯を食べているだけなのに飽きることなくいつまでも見ていられる。
満島ひかりの亡き夫の遺骨とのラブ・シーンは哀しくせつなくも美しい。満島ひかりだから生々しくならず美しく哀しい。
風呂を貸してくれと勝手に上がり込んでくる隣人。ムロツヨシでなかったら、すごい嫌な奴になってたろう。ムロツヨシだからなんか憎めない。
薬師丸ひろ子、どこに出てたんだろうと思ったら、声だけだった。確かにいい声だった。あの声で優しく語られたら死ぬのを思いとどまるだろう。
吉岡秀隆演じる墓石のセールスマンも、あの声で空に浮かぶ金魚の霊の話を聞いたんだな。だから生きているんだ。(どですかでんの三谷昇のまんまのシーンも良かった)
蝉の声、キュウリを齧る音、炊き立ての白米、生きていれば何にだってしあわせを感じることができる。
ラストの葬送行進は現実離れしていたけど、この映画にはぴったりの美しい(画も音楽も)シーンでした。
花火でドーーーンッ!!
ささやかな日常の尊さを、奇跡的なまでの煌めきで捉えた超絶大傑作
タイトルにあるムコリッタは、どうやら時間の単位を表す仏教用語らしい。
ムコリッタは1日の三十分の一、つまり48分で1ムコリッタになるとのこと。
こうした説明が映画の冒頭ではさまれる。
そこから松山ケンイチ演じる訳ありっぽい男が富山県の田舎町に越して来るところから物語は始まる。
イカの塩辛を作る工場で働き始め、そして川っぺりにあるムコリッタというアパートで暮らし始めるというシンプルなストーリーだ。
この映画はストーリー自体がシンプルだからこそ、日常の生活を捉える細かい描写がとにかく素晴らし過ぎました。
まずは、素晴らしかったのはご飯のシーン。
炊きたての炊飯器のアップとか、イカの塩辛とか、採りたてのトマトとかきゅうりとか、みんなで食べるすき焼きとか、出てくる料理全てがどんな高級料亭の料理よりも美味しそうに見えました。
やっぱり、ご飯は何を食べるかじゃなくて、誰と食べるかってことが重要だということを改めて教えてもらったような気がしました。
他に素晴らしかったのはお風呂のシーン。
昔ながらの大人1人がギリギリの入れるくらいのせまい風呂場なんですが、松山ケンイチとムロツヨシの表情も相まってめちゃめちゃ至福の時間なんだろうなっていうのがとても伝わってくる良いシーンでした。
あと印象に残ったシーンは、満島ひかりがアイスを食べながら妊婦のお腹を蹴りたくなるって話すシーンとか、満島ひかりが夫の遺骨を口に含めりして亡き夫に想いを馳せるシーンとか、台風の日に松山ケンイチとムロツヨシが九九の7の段を逆から言うシーンとか、お風呂上がりに牛乳を飲む習慣が実は父親からの影響だったと気付くシーンとか、決してドラマティックな訳ではないけれど深く心に染み入るようなシーンたちが本当に素晴らしかったです。
全体的に横長のスクリーンサイズを活かした平行線が幾重にも折り重なった横長な画作りが素晴らし過ぎました。
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