川っぺりムコリッタのレビュー・感想・評価
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映画を観る目を養わないといけないと思いました。そして、塩辛ご飯食べたくなりました。
吉岡秀隆ご出演ということで鑑賞を決めました。
ですが、アホの私には静かすぎる作品だったです。
何か劇的なことが起きるわけでもなく、淡々と日常が流れるお話だったので。
「エルボーロケット!」バヒューン!とか、「巨大不明生物上陸!」ギャオラァ―ッ!とかを期待するわけもないんですが。当たり前なんですが。
“静の余韻”や“行間の妙”を楽しむには、私の脳髄はキャパ不足だったです。
そんなことを考えさせられた作品でした。映画を観る目を養わなきゃ。
ムロツヨシの奇行的な演技が刺さるかどうかで、評価が変わる作品だと思いました。
私は中間だったかな?
いかにもムロさんっぽいところは、正直冷めて観ていましたが、違ったお芝居をされていたシーンがよかったです。
飲みに行った後でゲロを吐いて泣くところとか。ムロさんの新境地を見たかったです。
演技していることを感じさせない満島ひかりの自然体が、大変素晴らしかったです。
吉岡さんについては、出番をもっとプリーズと思いました。墓石を売って歩くとか面白い設定だっただけに、惜しく思いました。欲を言えば、彼こそ準主人公に据えた作品だった方がよかったと思いました。
吉岡さん大好きですから。←だから!衆道展開とは違いますってば!何度言えば…!←誰も何も一回も言ってないし
そうですよね、何よりも主演の松山さんですよね。
その役柄がどうにも『GANTZ』の加藤と重なって見えて、既出感を覚えてしまったんですよ。
タイトルの『ムコリッタ(牟呼栗多)』これ、ハイツの名前以外の何かに引っ掛けているのかな?と思ったんですが、やはりアホの私にはわかりませんでした。意味を調べてみたんですが、時間の単位で約48分。仏教での気の遠くなるような数の単位に比べてみたら「しばらく」「少しの間」「瞬時」の意味くらいしかわかりませんでした。
妙に耳に残る音楽が奏でられる優しいラストシーンが印象的でした。最後に取ってつけたようなテーマソングなんて不要です。
エンドロールを見て「えっ!」となりました。田中美佐子に薬師丸ひろ子もご出演だったのですね。
不注意にも、どのシーンだか見落としていました。
物語を観終えて思ったことがあるんです。私のお葬式ってあんな感じにしてほしいなぁ…って。涙も墓石も何もいらないです。
ただただ日常の中に、明るく埋めてほしいかな…と思いました。
【オマケ】
恥を晒すのですが。
幼少のころの我が家って本当に赤貧だったです。
ガス代を節約するために、近くの山で母と兄弟で焚き木や松ぼっくりを拾ってきて。それを七輪で燃やして調理してたりする日常だったんですね。
オモチャを買ってもらえる余裕なんてあるはずもなく。
そんな私たち兄弟にとって、近くの不法投棄のゴミの山って宝の山だったんですよ。
そこに行けば、壊れて汚れたゴミとはいえ、運がよければオモチャを手に入れられたから。
壊れたテレビから抜いた真空管が宝物だったりしました。←なんでやねんな(哀)
劇中のゴミ山を見て、そんなことを思い出しました。
とても悲しいけれど、今となっては亡き母とのよい思い出です。
九九の七の段。確かに難しいですよね。語呂が悪い。7×6が咄嗟に出てきません。
そして塩辛で食べるご飯って美味しいですよね。おかず不要でお茶碗三杯はイケます。←食べすぎ!
KADOKAWAですよ
人間の闇を映し出す。
☆☆☆★★ 原作読了済み。ちょっとだけの感想。 荻上監督の描く『フ...
☆☆☆★★
原作読了済み。ちょっとだけの感想。
荻上監督の描く『ファーザー・ウォーター』
(映画『マザー・ウォーター』に関するレビューを少しだけ参照願います)
ネットにて時々見かける「死ぬのを考えた…」とゆう意見。
それに対しての意見として、しばしば用いられるのが、、、
〝 下を見ろ! まだ俺がいる! 〟
…との言葉。
予想通りに(原作を読んでるので)監督の死生観が、良くも悪くも出ているのかな?…と。
主な登場人物
【山田】
父親の顔は知らず、母親からは数万円の手切れ金(ちょっと違うのだが)で捨てられた男。
最早、人生は投げやり。特に「生きたい!」との思いも持たず、「餓死するのもやむなし!」の境地になっていた。
だが、何とか死なずに給料日を迎え、念願の白米にありつけた事で、この世へしっかりと根っこを張る。
【大家の南さん】
美人の未亡人。
この人物像に関して、あくまでも個人的な意見として、勘違いを承知の上で〝 或る昭和の大女優 〟の存在を意識しながら見ていた。
それは『東京物語』の原節子。
『東京物語』の中で原節子は有名な台詞を言う。
「わたし…狡いんです、、、」
当然、監督は観ていない筈がない。
本編中に、満島ひかりは突然「妊婦の腹を見ると蹴りたくなる」…と言う。
原作を読んでいて思わず「何だこれ!」となった瞬間だった。
だが、こうも言っている。
「何故か無性にアイスが食べたくなるの!」
(この台詞だけでいいのに…とも思う)
愛する人はもう帰ってはこない。
この先の長い人生、果たしてアイスを我慢し続ける事が出来るのか?
思わず夜中に旦那さんの《アレ》を使って、、、
満島ひかり=原節子 穿ち過ぎだろうか?
【溝口さん】
半分〝 片足を突っ込む人生 〟を、息子と共に続けている。《いつその時》が来てもおかしくない。
現実に【赤い金魚の話】で思いとどまってもいる。
【ピアニカ少年(溝口さんの息子)】
幼くして【生と死】の狭間を隣り合わせにして行き来しているかの様な存在。
文明の発達によって〝 死んでしまった 〟 まだ使おうとすれば何とかなる物質を守る立場を担っている。
【非常識な隣人の嶋田】
いささか常識に欠ける人物。
…とは言え、現実には常識を知っているからこそ、山田の根っこをこの世に張らせた大事な人物ではある。
そして彼こそ主な出演者の中で、1番《生に対する執着》が強い。
よって、彼の目の前にだけ『蜘蛛の糸』がスルスルと垂れてくる。
この糸こそは、執着の強さの象徴であり、だからこそ彼だけが〝 アレ 〟を見ることが出来ない。
他にも、坊主のガンちゃんは勿論、役所の堤下さん等。《生と死》とを隣り合わせに仕事の生業とする人達がいて。画面には映らないが、川っぺりにはブルーシートを屋根として生活を営んでいる人達もいる。
そんな人達は、、、
〝 確かに川っぺりだけれども、まだ崖っぷちでもない 〟
例え水に流されたとしても、大海原ならばほんのすこしだけ可能性がなくはない。
まだ、ほんのすこしだけだけれど、、、
だから、父親を弔いながら彼等の無事も祈る。
原作を読んだ時に比べて、 作品中には《生と死の狭間感》がより一層感じられた。
…られたのだけれど。原作自体も最後は唐突に終わってしまう為に、「だから何?」…と言った思いは強かった。
本編には、そこに音楽を当て込めているだけに。より不思議な雰囲気を持つのだけれど、何か1つ突き抜けるだけのモノが足りない感じは否めず、最後の最後で一気に迷走してしまった気か、、、
江口のりこ・薬師丸ひろ子・田中美佐子等。見せ場もないのだからちょっと出演した意味があったのか?…とも。
監督曰く 「映画が撮れないから小説を書いてみた」らしいのだけれど。
昨年テレ東で放送された『珈琲いかがでしょう』自体も、全体的に今ひとつだっただけに。ファンとして、今後に少し不安感が募る。
2022年 9月16日 TOHOシネマズ錦糸町オリナス/スクリーン7
ムコリッタ、ささやかな幸せ
ムロさんだから観ていられました
詐欺師だったらしい青年が出所後、北陸の塩辛工場に流れついて、社長の紹介で川縁のアパート、ハイツ・ムコリッタに一人住まい、奇妙な隣人たちとの交流で、細やかながら生きる喜びを得てゆくお話、見どころはストーリーと言うよりはムロさん演じる図々しいが憎めない本音で生きる隣人をはじめ、部類の善人の社長、訳アリの大家さん、墓石売りの親子など風変わりなキャラで醸し出す雰囲気を愛でるつくりでした。
死後の魂の行方、供養のあれこれ、亡霊、宇宙人まで出てきて宗教映画的、哲学的であるがSF、ファンタジーにも手を広げ、貧しいながらも生を紡ぐ人々への励ましのような社会派ドラマ的でもある、実に奇妙な、作家性の強い映画でした。
正直、どうでもいい流れなのですが風景が良く、ムロさんが出ていたから最後まで観ていられました。
米の飯をこんなにも旨そうに食べるシーンを観たのは初めてだ。
人類が克服したであろうと言われ続けてきた問題に「飢餓」があった。でも問題は克服はまだされていないようだ。誰もがお腹を空かせて日々暮らしているように思えてきた。この映画を観ているとそんな気分になってきたんだ。
主人公の山田が最初の給料を貰い買い物して帰るシーンでそれまで欝々としたオーラ全開の足取りが妙に軽やかになっていて、次のシーンを予感させた。それは見事に裏切られ米を揉むシーンだった。そして実に嬉し気に水の量を調整する山田の顔のアップ。
もうこれだけで充分だった。この映画を創った理由が万感の思いで伝わってきた。
米さえあればそれでいい。日本人に生まれて良かったと思えた。
人工物に囲まれての暮らしが本当はいかに暮らしずらいのか、
息苦しくないかい?生きている実感はあるのかい?頭で考えてばかりいて幸せなのかい?
そんな問いかけばかりが聞こえてきた。この映画からは・・・・・
もうすでに飽和状態に陥ってしまっている人間が作り上げた世界はこれから先の行き場をなくしてしまったようだ。通り過ぎてしまうだけの死んだ情報に惑い、腐ったものを吐き出す力も失くしてしまっている。もはや山田くんのようにノタウチながら生きていくしかないようだ。
孤独を望み都会を抜け出して静かに過ごす。身体が千切れるしまうほどの寂しさと空腹を体感してしまえば、ひょっとしたら細やかな幸せを掴むことができるかもしれない。
政治や科学では見ることのできないものをこの映画で観たような気がする。
キャスティングがいいな
死に寄り添う生
亡くなった人も一員にする優しさ
山田が新しい仕事に就き住居も新しく住み始めると‥‥。
勝手に一番風呂に入り冷蔵庫を開けビールを飲み挙げ句の果てに炊き立ちのご飯も食べる島田。
夫を亡くし娘と二人力強く生きつつも家賃滞納する住居人にもほんわか優しく接する大家の南。
なぜか幼い息子と墓石のセールスをする溝口。
住居も世話してくれた勤め先の社長沢田。
気遣いができよく話しかけて仕事のやりようも褒めてくれ、土産に塩辛を持たせてくれる。
島田のことを昔からよく知っているようで口が堅いとも教えてくれる。なぜ島田を雇わないのか、は疑問。
200万円の墓石が売れた溝口。早速すき焼きを食べていると匂いを嗅ぎつけた島田、山田、南が箸を持ってつつきに来た。そこで岡本さんの話題。
亡くなった人でも違和感なしに仲間に入れる人たち。
前科があろうが気になどしない。
本人がいい人なら、それでいい。
九九七の段逆読みして一人で耐えて来た山田。
父親は早くに出て行き、高校生の時、母親に2万円だけ渡されて蒸発された。
いつの間にか道が逸れてしまっていた。
突然父の死を知らされた山田。
引き取るか躊躇する山田に島田から(父の存在を)無かった事にしてはいけないと諭され引き取りに行き市の職員の堤下に父の事を詳しく教えて貰い改めて自分との共通点を見つけ父と思う。
米研ぎを丁寧にし炊き立ちのご飯の香りを嗅ぐ。
ごく普通の暮らしのようだけど、山田には、なかなか手に入れる事はできなかった。
今やっと一般に言う普通の暮らしができるようになった。
ずっとこのまま続いていって欲しい。
(余談)不燃物置き場、綺麗すぎで、スタッフが並べたそのもの。映し出される度に、気になって気になって、電話やハーモニカに目が行かなかった。
けっこう深い内容だけど、暗くなく、独特なキャスト陣のキャラクターに...
宙を泳ぐ金魚が見えた!! 人が亡くなること、食を通して生きていく幸せを描いた作品🎆
富山の自然の山、川べりにある電話は
亡くなった親族に通じているかのように
見えるストーリーでした。
ハイツムコリッタに来たときは
なるべく人と関わることを避けていた青年の
山田が、島田と出会ったことがキッカケに
して、段々とささやかな幸せを感じる状況が
図々しくもあり、可笑しく思いました。
人が亡くなり、見送るカタチは風変わりに
見えても心が込もっていました。
食事や作物を育てることを通して、生きていく
術を学ぶことができました。
大家の南さんや、工場の社長は山田を偏見の
無い目線で見てくれていました。
汗だくになる夏に、墓石を売る親子の姿は
人生の最期を安心感で迎えたいと思える
場面でした。
島田が食べようとしたイカの塩辛が
『別物』だったシーンも面白かったです。
夕焼けの空の下、お見送りしたシーンは
宙を泳ぐ金魚が見えた!!
ことをイメージする
人間の魂が空に舞っていたように見えました。
奥の深い作品だった
もっと他の作品も観たくなりました
大学でアパート暮らしの頃、敷地のいちばん手前にある私の部屋にいちばん奥の部屋の住民である同級生のK君は、毎日まず我が家にあがって冷蔵庫を開けて中の飲み物を断りもなく勝手に飲むというルーチンでした。
実家から食材が送られてきた時もなんだか鼻が効くのか必ず夕食時に訪れてきて料理を堪能して部屋には寝るためだけに帰るという毎日でした。
まさにこの映画のムロツヨシさんそのもの!図々しさもルーチン化すると恐ろしいもので、年に数回様子を見にくる両親がいても勝手に冷蔵庫を開けて飲む習慣は出てしまうもので、両親も呆れていたことを鮮明に記憶しています。ところが当の本人は「そんな事したっけか?」といけしゃあしゃあと言ってのけます。ムロさんとマツケンさんと同様(?)今も腐れ縁で何故か喧嘩しながらも付き合いが続いてます。
そう本題ですが先週『波紋』を観てとても興味が沸いた荻上監督作品を是非観たいなと思った矢先、WOWOWで狙ったかのように(間違いなく狙っていたでしょう!)この映画が放映され思わず観入ってしまいました。前半のなんだか不思議な空気感、登場人物に首を傾げながらも観ていると世間と距離を置こうとしていたマツケンさんがムロツヨシさんや満島ひかりさん、柄本のお兄ちゃん、寅さんちの満男くん(というより純の方がメジャーかな?)たち隣人たちのおかげで自分自身を取り戻す姿はとてもほっこりと気持ちのいいものでした。
緒方直人さんも大事な役どころで、かつてドラマで(今ならストーカー規制法に引っかかるだろう)キョンキョンに一目惚れしてしつこく追っかけるお兄さんも、そういえば蛍の初恋の相手でしたよね!なんだか誰にもわかってもらえそうもないのでこのあたりでやめときます。
総じていえば『波紋』とは違うものの登場人物たちの心の中を見事に描写できる類まれな才能を持った監督さんだなぁってつくづく思いました。マツケンさんもムロさんも満島さんもとってもいい役者さんですね。面白かったです。もっと他の作品も観たくなりますね!
予想を覆す堂々の22年邦画No.1
2022年劇場鑑賞77本目 名作 80点
大傑作です
当方劇場の上映前予告で公開前にやたら見るし広告力入れてるけど、テーマといい規模小さい感じがして正直つまらないだろうしスルー確定でしたが、他作品鑑賞しに劇場に訪れ会いた時間に見たら、とんでもなく大正解。
予想を大いに裏切り超えてきたという意味でも今作は2022年劇場鑑賞103本の中で純邦画1位の作品です
まず登場人物みんな過去に問題なり思いを馳せる出来事があって、その中で生きづらさを感じながら日々に幸せを感じ生きていく。その哀愁と間とやり取りがこちらに絶妙なユーモアを届けてくれます
すき焼きのシーン、隣人が勝手に忍び込むシーン、ご飯が炊けてこちらまで香りが伝わるシーン、他にも沢山名シーンがありますが、一番は満島ひかりが演じる亡き夫を今も想うシーンで、石を身体中に当てて色々なものを感じているシーンがもう素晴らしすぎる。
2022年一番はもちろん、生涯でも指折りの名シーンであり印象的なシーンになりました
早くまた見たいので、アマプラかネトフリ、Huluで配信してほしいです
是非!
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