「【近しい人の死をきっかけに、人と人が繋がっている大切さや、生きている事の有難さを見つめなおす作品。”牟呼栗多”かあ。今作は”生”と”死”の間にある時間をユーモラスに描いた作品なのである。】」川っぺりムコリッタ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【近しい人の死をきっかけに、人と人が繋がっている大切さや、生きている事の有難さを見つめなおす作品。”牟呼栗多”かあ。今作は”生”と”死”の間にある時間をユーモラスに描いた作品なのである。】
ー 前科者故に、人との関りを避けて生きて来た山田(松山ケンイチ)は、イカの塩辛工場で働きながら、逐50年の”ハイツムコリッタ”で暮らし始める。
隣人の、ミニマリスト島田(ムロツヨシ)から頻繁に風呂を使われ、困惑するが・・。-
◆感想
・心を閉ざしていた山田の部屋に、ズカズカ入って来て、風呂に入るは、そのうちにご飯まで食べる島田の姿が、オカシイ。お土産は、庭で取れた不揃いな形の夏野菜・・。
そして、彼はボソッと”自分が死んだときに、寂しいと思ってくれる人が居る事が、細やかな幸せなんだ”と金言を口にしたりする。
ー ムロさんって、ホント良い味を出すよなあ。けれど、島田も、過去に辛い出来事があっただろうことも、さりげなく描かれる・・。-
・そんな山田の所に市職員(柄本佑)から4歳の時に別れた切りの父の遺骨を引き取ってくれ、と連絡がある。
ー 遺骨を引き取りに行った際の、数多くの無縁仏になってしまうだろう、遺骨の箱。荻上監督が行き場のない遺骨について、取り上げたTVのドキュメンタリー番組を見たことが、今作製作の切っ掛けであるそうだが、インパクトあるシーンである。
だが、荻上監督はこのシーンも暗いモノにはせず、慇懃な市職員に”こんなに、立派な喉仏はナカナカありません・・”と山田に見せる。確かに仏様が、合掌しているようだ・・。ー
・大家の南(満島ひかり)も、夫を亡くしているが、明るく生きている。
・イカの塩辛工場の社長も”一つ一つこなして行けば・・”と彼を励ます。
ー 正に、”牟呼栗多”である。-
■”ハイツムコリッタ”の住人である、墓石のセールスマン(吉岡秀隆)と息子がお金持ちの奥様(田中美佐子)に”犬用”の墓石200万円也を買って貰い、すき焼きを食べようとするシーンが可笑しい。
匂いを嗅ぎつけた島田や南とその娘。そして、山田までも集まって来て・・。
食事は、大勢で食べた方が美味しいよね!
これは、私の推測であるが、荻上監督は劇中、屡、食事のシーンを写しているが、食事を”生”のイメージとして表しているのだろうなあ、と思ったよ。
荻上監督の作品は食事のシーンがとても多い事はご存じの通りだが、今作でもフード・スタイリストは、飯島奈美さんが担当している。嬉しい。
<虫の声や、お盆の茄子や胡瓜の”精霊馬”を馴染の寺(僧侶は黒田大輔!無口である。)の欄干に島田と置いたりして、永遠に続くと山田が思っていた辛い時間を、”牟呼栗多”として、過ごすことが出来るようになった山田は、後半になるにつれ、笑顔が増えてくる。
今作は”生”と”死"の狭間にある時間を、ユーモラスに描いた作品なのである。>
なかった事にしちゃいけないし、
なかった事になんかならないけど、
これが現実です。
忘れちゃいけないですよね。(><)
ほんの小さな幸せの瞬間をかみしめて、また生きていこう。(T ^ T)
音楽をパスカルズがやってて、
元たまの知久寿焼さん!がホームレスで時々変なことやってるのが最高でした。セリフ無しもいいけど、なんか一言ほしかったなぁ〜
すごく面白いと思うので。f^_^;
生も死も、時に地獄のようで、時に天国のような時もある。
松山ケンイチ、やっぱり飄々と良い!満島ひかり、ムロツヨシも
最高!
地獄の日々も淡々と生き抜き、息抜きしながら生きましょう!
なるほど‼️
NOBUさんの荻上監督評を伺うと、確かに突き抜け方が半端ないかもと思えてきました。
一見穏やかですけど、見ようによってはジョーダン・ピールに通ずるところがあるようにも…
日常の中に入り込んでくるさり気ない不穏さを描くホラーとかもいけそうです。
今作は”生”と”死"の狭間にある時間を、ユーモラスに描いた作品なのである。
色々な見方ができる映画ですが、結局我々が生きてる中での煩悩は、そこに凝縮されるのかもしれませんね。
NOBU さん今晩は。
とてもおもしろかったです。
この作品の荻上監督好きです。
何処かほっとできる空間があります。音楽も和みますね~
松山ケンイチの食べる演技もムロツヨシの笑える演技も。
そして吉岡の演じる親子もいい味だしてました。
俳優の方々、皆さん魅力的でした。