「リンゴの飯テロ」林檎とポラロイド せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)
リンゴの飯テロ
人々が記憶を失う謎の病が蔓延する世界でその病気を発症し、身寄りがない人のための新しい人生を生きるプログラムを受ける男の話。
まず、題名にもあるリンゴをとにかく主人公が大好きでずっと食べてるんだが、その食べ方が上品でめっちゃ美味しそうに見える。海外の人ってリンゴをそのまま電車の中とかでかじってたりするけど、この主人公はちゃんと適量ナイフで切ってそれをちょっとずつ頬張る。その食べ方したいけど、絶対自分の手切って終わる。
そして、リンゴと言えばやっぱり聖書の禁断の果実を連想するんだが、この物語ではリンゴを食べない人が記憶力低下しているとも言える(リンゴが記憶力低下を抑制させると市場のおじちゃんが言った後リンゴを食べるのを辞める主人公や最初隣のベットになった人がリンゴを食べない)ので、楽園追放と逆だなと思った。
でも主人公からしたら記憶を無くしたい(たぶん亡くなった妻の記憶があるのが辛すぎて忘れたい)と思ってるのにリンゴ食べてるから記憶全然無くならないという、確かに「楽園追放」だなと思った。聖書に詳しくないから、楽園追放の解釈間違ってたらごめんなさい。
何はともあれ、記憶なくしたふりしててもたまに隠しきれてない主人公が面白い。特に箱の中を答えるという記憶力テストで覚えてるのに間違ったものを答えようしてる姿が笑える。中身がサイコロをサッカーのミニチュア台って答えてるの、絶対サッカーボールにサイコロがちょっと似てるから連想したんだろうな(笑)
あとは新しい人生を生きるためのプログラムがパーティ行く、高いところから飛び込む、ホラー映画見る、事故起こすだとか意味あるのかないのかよく分からんと思ってたら、終盤慈善事業寄りになっていくのが上手く誘導してんなと思った。