トゥルーノースのレビュー・感想・評価
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恐ろしい現実を直視する難しさ
とにかく恐ろしい。ナチスのユダヤ排斥と共通する。
このような扱いをされても、他人への思いやりを忘れないように諭す母親は素晴らしい。
その事で人としての尊厳を守ってる。
果たして自分はそう居られるを自問自答する。
この映画が一人でも多くの人に触れられる事を祈ります。この事がこの恐ろしい現実を打破する力となるのなら。
ヨハーン!泣
たまたま空いてる時間と上映時間が合ったと理由で見に行きました。
予想外に見に来てる人が多くてビックリしました。
最初は暗いだけの話かな?と思ったのですが、気が緩んで泣きそうになりました。
収容所はおぞましく、これが遠い過去の話ではなく現在進行形なのかと思うと胸が苦しくなります。
お隣の韓国ではアイドルがドラマがと賑やかで...まさに天国と地獄
収容所では人を人として見ないので、収容されている人の心もおかしくなって当然なのですが、それでも人の心を失わず頑張ろうとする人たちもいます。
ヨハンもその一人です。
少しずつ変わって、周りの人の為に行動を取るようになっていきます。
単純な私にとってはどんでん返しのラストでした。
「ヨハーン!泣」です。
アニメだから直視出来るけれども…
何が人民のためなんだ、と。このセリフが痛烈に胸に響く。これだけ脱北者もいて事実が世界に公表されているにも関わらず何も変わらないことがなんと歯痒いことか。アニメなのにこの無情感。一見の価値あり。
打ちのめされた
脚本・メッセージ・構成・映像・音楽…
社会的でありながらエンタメ性もしっかり。
とにかくよくできている。
ただ、結果としてそんな技術的なことなんか些末なことだと思い知る。
私の心に、おそらく一生残る傷を残してくれた。
これ以上は私の拙い文章では伝え切れないので、是非劇場で鑑賞して頂きたい。
あと、時間がかかってもいいから今後数多くの劇場で上映されることを祈ります。
自由は当たり前のものではない
在日朝鮮人帰還事業で大阪から北朝鮮に渡った一家
いまの感覚だととても信じられないけど、北朝鮮が地上の楽園って喧伝されてて、そうかもしれないって移住した人たちの物語
あえて今の今、バーチャファイター2くらいの粗さのポリゴン画像なんだけど、マスゲームとか含めた北朝鮮のトチ狂った感じはどこかお伽噺のようでもあるのでその違和感が逆にリアル
主体思想と監視社会の中で、お父さんが検察に目をつけられていなくなり (ってのが怖い)、家族も危険思想持ちとみなされて、小さい兄妹ともども強制収容所に送られてしまう
非人間的な生活を強いられるモロクロームの閉じられた世界の中で、主人公に錯綜する自己中心な身勝手さと互助の思いやり、途中から音楽と一緒に流れ込んでくる色彩の素晴らしさ
よい映画でした、自由ってほんと大事
人類に存在する最大かつ最強の集団 「国家」
国家とはひとつ歯車が狂えば恐ろしい存在となり自分にとって脅威となりうるのだという事を思い知りました。
少し前の日本も似たようなもんじゃなかったのかな?
本当に怖い、
国が舵取りを間違えないように人民がきちんと監視し指摘できるような国家にしないとね・・・
今も尚、北はアウシュヴィッツ
監督のモットーとしている「難しいけれど重要なことを、楽しく分かりやすく伝える」が凝縮されている作品であった。
謎多く、嘘多い(これは日本も該当するが)北朝鮮のトゥルー(真実)を知る上で、この作品は非常に欠かせない秀作だと痛感した。
映画にするまでにかけた長き歳月は、辛く重たい時間であったことだろうと察します。
人間として【無関心】でいてはならない内容です。
今も尚、この環境が続いているだけでなく酷いことに増殖しているのであれば尚更。
収監された人の中に、【私は日本で拉致されてここに連れられて来た】とあったが、誰なのか非常に気になってしまった。
北朝鮮と言う名の
アウシュヴィッツだ。
あまりにも酷すぎる。
そもそも【一族が一国を永年に渡り牛耳る】こと自体大きな間違いであり、あってはならないことなのだ。
昨今、ネットやマスゴミに洗脳されやすい脳になってしまった【無関心が得意】な日本人は観るべき作品であり、もっと沢山の映画館で上映されるべき作品だ。
最低限のテクスチャとポリゴンが伝える現実
人は一定程度の辛い現実を見せられた時には涙を誘われるものだけど、限度を超えると泣くことすら忘れてしまう。
北朝鮮の現実について、わたしたちは漏れ伝わる一部しか知らないし、果たしてそれが真実なのかを当事者の証言だけで判断するのは難しい。けれどもこの映画は、憐憫の涙すら観客に許さないくらいの過酷な現実を突きつけてくる。
敢えて採用したと思われる、最低限のテクスチャとポリゴンで構成された3Dアニメーションの抑えた感情表現が、かえってものがたる体験に真実味を増している。生ぬるい現実を生きているわたしには想像も及ばない。けれどそんな中奏でられた「赤とんぼ」には揺り動かされた。
わたしには、おそらく眺めていることしかできない。こんな過酷な現実が本当にあるのなら、どうか人が人らしく生きられる時代が早く訪れるよう、祈ることしかできない。
やっと観れた。観て損することはない
し、是非に見てほしい映画ではあるけれど、映画としてと言われると、ドキュメンタリーとドラマの中間の感じで振り切れてないように感じましたし、振り切るの難しいと思いました。
ポリゴン粗めに関しては確かに気になりません。
批判しづらい題材だし、創作と現実の割合も分からなくなるし、考えさせられることがたくさんある映画だと思います。
一番心揺さぶられたのはエンドロール最初の文章です。大音量の音楽とともに協力した方々の名前から色々想像させられます。
一見の価値あり。
ポリゴン顔に泣かされる
他の方も書いておられるように、重い話が敢えて解像度低めのポリゴンアニメのオブラートに包まれる事で逆にストーリーに自然に惹き込まれ、重さ軽さのバランスが絶妙な、見事な作品。気づいたら途中ギャン泣き。
最終的にリアルに戻されるものの、1番印象的だったのはやはりストーリーど真ん中。
我々の日常風景と化してる近所付き合いとか助け合いとか葬式とかの意味が、この映画ではポリゴンとは裏腹にめちゃくちゃ高解像度でズシンと響いて、泣いた。
敢えてこれ以上は伏せておきます故、是非劇場にて味わって頂きたい逸品。久々に☆ほぼ全部つけた。
#44 何のための強制収容所?
本人達は身に覚えがないのに強制収容所に入れられてしまう、本当の目的は何?
見せしめ?安い労働力が欲しいから?
こんなことしてたら国民の理解が得られず国が崩壊してしまうと言われ続けて何十年。
未だにかの国が存続していられるのは何故だろう?
この映画を全編英語のセリフで作ったのは世界の人に北朝鮮の事実を知って欲しいからだよね?
色々話は聞いていたから本作を観て衝撃を受けるほどではないにしろ、誰かあの国を植民地化して欲しい。そして民主化して欲しい。
この映画がきっかけで少しでも🇰🇵の人々の暮らしが良くなればな。
生きる指針を問われる映画
『トゥルーノース』を見る前にこのレビューを読んでいるあなた!
さては、見るかどうするか迷っていますね。
大丈夫です。このレビューに辿り着いた時点で既に興味があるのですから、絶対に見て損はありません。
ものすごい映画の誕生に打ちのめされることでしょう。
ガッツリ社会派ながら、しっかりエンタメ!
ドキドキハラハラにユーモアやロマンスまで。決して堅苦しくて重いだけの映画ではありません。むしろ人間の営みや自然の摂理を描くシーンに大号泣。
替えのマスクが必要でした。
タブーに切り込み、映画が持つ力を再認識させてくれる骨太な作品。
個人的には第3回大島渚賞を差し上げたい!
人間の尊厳や生き方を問いかける映画ですが、決してこれは過去ではなく“今”の物語。見上げる空は繋がっている。
カクカクしたキャラクターに違和感がある人。
はい。よくわかります。私も予算が足りなかったのかな?なんて思ったクチですから。
監督がトークショーでおっしゃっていたのですが、今も現実に12万人が収容されている強制収容所の事を知って欲しいけれど、リアルに描くとトラウマになりかねない。
適度にリアルだけど一定の距離を置いて観られるように調整した結果、あのデザインになったそうです。
(詳しいトークショーの内容はtumblrや公式サイトで読めます)
映画産業でもユダヤ系の方々が力を持っているのは紛れもない事実なので、ドイツの強制収容所の物語が映画化される機会は多めですが
北朝鮮の強制収容所に関しては、まだまだベールに包まれており、暴くことで少なからず軋轢が生まれる…韓国では作るのが難しいであろうテーマを、なんと日本/インドネシア合作で作り上げたところが凄い!
在日コリアン4世である監督ならではの偉業と言えるのではないでしょうか?
私が子供の頃、近所の焼肉屋さんの友達が日本人の名前とは別の名前を持っているのが羨ましかったけれど、後で歴史的な背景を知ってショックでした。
日本からの帰還事業で朝鮮に渡った約9万3千人の内の2割~3割は、そのまま収容所に送られたそうです。
監督の家族も、私の友達の家族も“日本に残ることを選択した家族”になるわけですが、“帰る”選択をしていたら、運命は大きく変わっていた。
もちろん、収容所に送られた中には、日本人妻や子供たちも含まれています。
間違いなく、日本の問題でもあることに気づきました。
インドネシアが出資しているところも興味深いのですが、実は監督が東南アジアのアニメーターネットワーク「すみません」を作ったからで、
映画の前後に可愛いワンちゃんの絵で「すみません」と謝ってきますww
監督は本当に面白い方で、物議をかもす映画だから、とりあえず先に謝っておこうと団体名にしたそうです。
(詳しくはトークショー記事をお読みください)
時に映画は社会を動かす力を持っている。
『トガニ』や『ロゼッタ』のように1本の映画が社会を動かすことだってある。
それは映画のエンターテイメント性が人々の心を動かし、どんな映画でもドキドキハラハラの中で主人公の喜びや悲しみに寄り添った半擬似体験を生むからに違いない。
ちょうど従兄弟ぐらいの距離感の出来事に感じられます。
12万人と数字で聞くと驚き圧倒されるけれど、そこに一人一人の顔や人生が見えた時に初めて身近なものに感じ、向き合うことができるのではないでしょうか?
(『パトリオット・デイ』のレビューでも書きましたが)
映画のタイトル『トゥルーノース』には英語の慣用句としての「絶対的な羅針盤」の意味が込められているそうです。
この映画が描くのは「北の真実」だけではなく「どう生きるのか?」自分の生きる上での指針を問われる映画です。
拡張し続ける収容所が不気味
試写会で鑑賞。
思ったほど重くなくスルリと鑑賞できる。
ポリゴンの粗さが逆にいい味になって、変にアニメしてないし、実写ほど重くないし狙っているのだろう思ったら、鑑賞後のトークイベントで監督が同じようなことを言っていたので、まさに狙い通り。
娯楽映画というより教材っぽいかな…いい意味で。
北朝鮮ドキュメンタリーとしても“プリズンもの”としても出色の出来
北朝鮮の政治犯強制収容所に生きる家族を、ポリゴン粗めのアニメーションで描くと事前に知った時は、いくらなんでもチープ過ぎるのでは…と思っていた。
しかし実は、あえて粗いポリゴン作画にする事で陰惨さを軽減し、客観視して観やすくしたという監督の狙いとの事で納得。実際観ると、キャラクター全員にしっかりと血肉が通っていて、「本当に生きている」と感じられる。人形みたいなキャラばかり登場するCGアニメを作る連中は猛省すべし。
閉ざされた北朝鮮の闇を追った映画はジャンル問わず数あれど、本作はそれらの中でも出色の出来。いやもっと言えば、収容所・監獄を舞台にしたあまたの“プリズンもの”の中でも上位に入るかも。
ナチスドイツのような非人道的迫害が、現在でも行われているという実情。でもそれが公になる事は殆どない。まさに『真実の北=トゥルーノース』が詰まっている。
あと、最初ポスターアートの意味がよく分からなかったが、ちょっと見る角度を変えたら腑に落ちた。
驚異の“顔芸”
東京国際映画祭2020で鑑賞した。
童謡の「赤とんぼ」が流れるので、何故だろう?と思ったら、主人公の一家は「在日朝鮮人の帰還事業」で北朝鮮に渡ったのだという。
2ヶ月以上前なので、かなり忘れてしまったが、今でも鮮明に覚えているのは、キャラクターの“表情の豊かさ”である。
一見すると、一昔前のCGで、お世辞にも美しいとも、滑らかとも言えない。大げさな表情はしないし、身体の動きも少しぎこちない。
ディズニーなどの、目・口・眉毛などのパーツを大きく動かして、分かりやすい表情を作っていく、人形的なCGとは異なる。
にもかかわらず、微妙な表情や目線や身体の動きで、感情が伝わってくるのだ。怒り、悲しみ、傲慢、そして飢餓・・・。
観ている側の“日常感覚”が呼び覚まされるためかもしれない。同じ東アジア人であることは、表情を読み取る助けになっている。
また人物だけでなく、荒れた収容所のようすや、寒々した月夜など、“環境”の表現も真に迫っている。
アニメであることによって、表現は純化され、実写にありがちな作り物っぽい“嘘くささ”がない。
長編にもかかわらず、クオリティは一貫しており、妥協の跡がない。
映画の内容は、過酷な環境で生き抜く人々を描いた、リアルで恐ろしいストーリーである。“看板に偽りなし”だ。
そして、「ネタバレ厳禁」と言えるだろう。
ラストで「えっ?!」となることは、請け合いである。
北朝鮮
謎が多い北朝鮮。
腐敗する中でも、必死に生き
探求する人生の尊さを、考えさせられました。
北朝鮮の問題や、他の国も
決して無視出来ない、
拉致問題や抱える社会問題は
改めて、啓発活動し改善が必要なんだと
考えさせられる作品でした。
酷すぎる現実
東京国際映画祭2020で鑑賞。
邦題にすると、「北朝鮮の真実」になるかな?
取材して作ったセミドキュメンタリーテイストのアニメ。
泣けるし、憤る。
連帯責任の名の下、非のない家族ごと罰するため、相互監視により密告される社会であることが、支配する側としては上手く、される側としては恐怖以外の何ものでもない。
あえてポリゴンバリバリのCGアニメを選択したのだろう。
拷問、暴力、殺人、遺体放置などをアニメで描写するのに、実写はもちろん、CGをリアル系に振っても、ディズニー的なヌルっとツルツルしたかわいい系に振っても、セルアニメにしても、グロテスクでショッキングに感じるだろうからね。
見た目明らかに人間じゃない、としないと描写できない残虐シーンばかりだったもの。
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