劇場公開日 2021年6月4日

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「強制収容所ストーリー。」トゥルーノース caduceusさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0強制収容所ストーリー。

2021年6月12日
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北朝鮮を描くものには、ドキュメンタリーが多いが、この映画はアニメを用いて、ストーリー性を持たせている。
そして、仏教の輪廻転生や、キリスト教の愛の精神、そして、それらの世界観をベースとした、自己犠牲の精神を描こうとしている。
共産主義、全体主義の国家に、宗教はなく、神は存在しない。
現代の科学は、人間の存在は「脳」であるという。「脳」が死んだら、人の死であるという。
しかし、自己犠牲とは、「脳」の仕業なのか?母の愛は「脳」の作用なのか?
私は、自己犠牲や愛の中に、「魂」を感じる。
実際の強制収容所はもっと無表情で無感情で殺伐としたものだと思う。
しかし、この映画の作者は、その殺伐とした世界の中に、人の愛を、慈しみの心を描きたかったんだと思う。
「死んだら、また会おう」という、言葉の中に、愛があり、肉体を超えた、人知を超えた、広大な世界がある。
この世界には、効率や合理性を超えた世界があるんだ。
だって、そっちの方が美しい世界だから。

caduceus