「北朝鮮が題材というだけでもう面白い。」トゥルーノース せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)
北朝鮮が題材というだけでもう面白い。
父親が政治犯の疑いで逮捕され、強制収容所に入れられた家族がその中で生き抜いていく様子を描いた話。
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日本人の監督が作ったと知らずに、全編英語だし最初にTED Talkが出てくるから完全に海外のアニメだと思って見に行ったら、随所に日本への目配せがされていてこれは拉致問題とかあるけどあんまり北朝鮮とは関わりたくないな(少なくとも私はそう思ってた)と思ってる日本人には絶対刺さる。
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主人公のお父さんは50年代に在日朝鮮人帰還事業により日本から北朝鮮に戻った人だったり、強制収容所には日本から拉致されてきた人がいたり、そして中盤に流れる「赤とんぼ」よ。
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過酷な強制収容所にいる普遍的な家族の話を描いた先に、北朝鮮についての政治的なメッセージを入れる。政治的でかつエンタメになってるこういう映画って日本では珍しいからね。
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ちなみに私は「赤とんぼ」のとこも良かったけど、最初の太陽節の描写があれだけで北朝鮮!という感じですごい好きだった。豪華にガチガチに固められたあの国の中には、自分たちと同じような人が生きてて、そういう人達が犠牲になってできてる国なんだとあそこだけで表されてる。
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