「優しくしよう‥」83歳のやさしいスパイ はなもさんの映画レビュー(感想・評価)
優しくしよう‥
離れて暮らす、年老いた母に会いたくなった映画である。
主人公のにわか探偵セルヒオは、83になっても、何とかスマホで報告をし、眼鏡型の隠しカメラを使えるなんてすごいぞー。歳を取るとなかなか新しい事は身に付かないのに、頭が柔軟で、耳もいいし、とってもチャーミング。
日本の老人施設に行くと、中にいる人たちのたいていは、目立たない色の服を着ているが、この施設の人たちは比較的綺麗な色の服装をして、ネックレスまでしていたのが驚き。
この映画の施設建物は、出入り口のすぐ前が大通りになっていたから、簡単に出入り出来ない様に、頑丈そうな鉄の門、そこで「出して〜」と哀願するおばあさんの姿は何故か切なかった。でも中の人たちは、比較的自由に過ごしている感じだった。これは老人ホームだからか?
施設に馴染んだ探偵セルヒオは、中のいる人たちと交わるうちに「施設の粗探しをするよりも、親族自身もっと頻繁に施設の人たちを訪ねるべきだ」と報告する。
この映画は、老人の孤独とあるが、老人でなくても、家族と切り離された場所に自分がいて、その自分に対して、過去自分が関わった人たちの誰からも気にかけてもらえない状況にある‥としたら、誰だってひどく孤独を感じるだろう。歳をとって過去の記憶の中に生きている人だって感情は死んでいないのだから。
誰でも等しく歳をとる。歳を取るということは、老眼鏡が必要になり、耳が遠くなり、ヒトによるが 足腰が衰えてきて、そして何より記憶を溜めておく壺がいっぱいになり溢れて出て、新しい記憶はなかなか留まらず、底に沈んだ澱の記憶つまり昔のことばかり繰り返す。そんな話に付き合うのが面倒くさくなり、つい、年老いた母にぞんざいに接していたワタシ、反省させられた。
コメントありがとうございます。
人に優しく、痛みを理解すること。
孤独な老人を見事に理解できたセルヒオがすごいです。
勢いで『94歳の小学生』まで見ちゃいました~
今晩は。
ドキュメンタリー風のイロイロと考えさせられる佳き映画でしたね。
私は、今作の舞台になった様な施設に入った事がないので、興味深く鑑賞しました。仰る通り、孤独な人はイロイロなところにいるのでしょうね。
あと、私のレビュー数を観れば”お気楽小僧”に思われるのも当然だと思いますが、労働基準法に守られない立場で月~金までフル稼働しています。(但し、定時以降会社のすぐ近くにある映画館に駆け込む事多数)頻度高く、土日も働いています。では、何故映画を観ているのか?
答えは簡単で、体質的にショートスリーパーなのです。なので、家庭、仕事、ロック、読書、映画をバランスを考えながら楽しんでいます。
(あ、けれどショートスリーパー特有の”一度寝たら、水を掛けられても起きない”という致命的な欠陥があるため家庭の平穏が第一です・・。怖いなあ・・。優しくしてほしい・・。)
これからも、宜しくお願いいたします。
コメントありがとうございます。スパイの任務を追行するより、もっと大事な事があるじゃないか!という視点。なんだか大きな人生の課題を突きつけられて、静かに内省しております。