「私が母親だったら?!」息子の面影 Socialjusticeさんの映画レビュー(感想・評価)
私が母親だったら?!
メキシコの映画ということで飛びついたが、み終わって、大きな衝撃を受けて
しまった。不法移民の米国侵入問題をよそに、母親マグダレーナ(メキシコの俳優メルセデス・エルナンデス)の心理状態を察すると、気分が重くなった。この映画で初めのへんで息子、リゴの行方がわからなくなってから、最後の最後のシーンの母親の険しい顔つきのところまで、母親の心の中を描き出し、結論は我々の判断に任せるという形をとっていると思う。
1)不法侵入して戻されたーミゲルのケース
2)国境まで行かないうちに殺されたーリゴの友達や目医者の息子のケース
3)国境にいかず戻ったー母親、マグダレーナのケース
上記の3点を何らかの形で国境を越えて米国入国を希望する人が一時宿泊する場所で母親があった女性に言われたが、
そこに、4点目、ギャング(金品巻き上げたり、レイプしたり、虐殺したりしたりする)の若者リクルートの餌食になった息子。『自分の道を探したい』と言って母の元を去った息子だが。
4点目は闇の動きで、バス会社も営利追及が目的なので、公にしないが、『知る人ぞ知る』なので、中南米からビザなしで米国侵入存在をより、不可解で、闇に葬られている。それに、バスの運転手とギャングも営利関係でつながっているのかも??
現在、米国はバイデン政権なので、トランプ政権と違って、ビザがあってもなくても。米国入国しやすくなったと人々は思っているらしいと聞いた。だから、以前はメキシコ、グアテマラ、エクワドル、などの国から、米国入国したが、現在はブラジルや南米アメリカ以外の国から、米国に入国したく国境でで待ち構えていると。ウクライナの男性が、メキシコ、アカプルコに飛行機で到着して、その後無事に米国入国を果たしたという話をどこかで読んだ記憶がある。 以前は『キャラバン』と言って、主に地元のギャングにリクルートされたくないから、身の危険を考え、親が子供たちのため大金をコヨーテに払って、米国に送ったり、列を作って米国入国の機会を待っている記事を読んだことがある。 それに、この映画でもわかるように、貧困家庭でなくても(目医者の息子、土地と家を持っているマグダレーナの息子)希望や夢や一攫千金を狙って、国境を越えたい人もいるだろう。また、家族に会いたくて行く人もいるだろう。
この映画で、法律、社会、外交問題を論じる気になれない。母親の気持ちに寄り添うことも苦痛になって、もし、私がこの母親ならアリゾナに行こうとしてギャングになった息子、リゴとの関係をピッタリ切って、死んだものとみなすとも言い切れない。
しかし、この結末が、グアナフアトのサン・フェリーぺで暮らそうとミゲルに話すところや、生き残った老人、アルバート・マテオとあってから、『あなたのために帰ってきた』とミゲルのところに戻ってきたシーンを考えると、もう、息子、リゴを完全に諦めていたと思う。それに、生き残った老人の言葉『悪魔にとられた』という言葉も、母親マグダレーナにとってみると、息子リゴは悪魔に取られたと諦めたと思う。しかし、息子が悪魔だとは。
オーカンポでミゲルを息子として扱い、自分の息子がミゲルで、死んだが、、、でも、まだやりきれない複雑な怒りが、ギャングになった前の息子リゴにあるように思われる。
蛇足、
撮影場所はグアナフアト州であると。この映画はそこの四季の移り変わりを待ってとっていると。四季が違うことで、地域感を出していると。あと、主なクルーでは一人だけが男性で、あとは女性らしい。
ミゲル(メキシコの俳優、ダビ・イジェスカス)とマグダレーナ(メキシコの俳優メルセデス・エルナンデス)が俳優のみらしい。後の人々は素人を訓練したらしい。