「生と死が隣り合わせの世界」息子の面影 たいちぃさんの映画レビュー(感想・評価)
生と死が隣り合わせの世界
オンライン試写会にて鑑賞。
いやぁ、凄い映画を観てしまった!
「生と死が隣り合わせの世界」を描いたフェルナンダ・バラデス監督の傑作!
メキシコの貧困生活から抜け出そうとアメリカへ国境越えしようとした息子が消息を絶ったため、母親が息子を探し回る。どんな努力も惜しまずに。
そんな中、やはり母親を探す青年ミゲルと出会って、一緒に旅をするのだが…というドラマ。
「これは実際に現代のメキシコで起こっている事である」とバラデス監督の言葉を聞いて、ただただ驚くばかり。
国境越えをしようとする者、貧しい村の弱者を躊躇なく射殺する武装団の存在が怖すぎる。
そして、彼らの一人を見つめる「眼」には、武装団メンバーは「悪魔の姿」に見える。
このシーンは、イングマール・ベルイマン監督『第七の封印』の「死神」に匹敵するような名場面!
そして、壮絶な展開が続いた先の結末には本当に驚いたが、「結末口外禁止映画」だと思うので記載はしない。
今年(2022年)に日本公開される作品の中では、今のところベスト級の傑作!
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