「+武術」シャン・チー テン・リングスの伝説 U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
+武術
新規軸のマーベルレーベル。
体術を駆使するHEROは居なかったように思う。だが、今回は違う。
修練をベースに体得した武術を使う。
…なんか、どんな形で組み込まれていくのだろうか?
たかだか10個の輪で面白いくらいに、よく遊ぶ。アイデアがとても良かった。
まさか巨大生物がラスボスとは思わなかったのだけど、ちゃんと倒しちゃう。アレを倒せるなら、物理的に倒せない敵はいないんじゃないかと思ってしまう。
特筆すべきは、さすがの功夫。
美しい。
冒頭に始まるお家芸とも言われるワイヤーワークは健在で、功夫との相性はすこぶるいい。
大気を操る所作というか形というか…ホントに違和感がない。空気の流れを誘うような体捌きが流麗かつ美しいのだ。ミシェル・ヨーの参戦は格式さえも与えるようだ。
懸念がないわけではなく、カッコいいはカッコいいのだが、完成されすぎた感のある功夫を使う事によって生じる「見栄」ともとれる静止の間。
歌舞伎でいう「見栄をきる」と同義のものなのだけど。
コレの扱いが、多少の不協和音を起こしそうだ。
果たして西洋文化的に許容できる範囲のアクションなのであろうか…。
だがしかし、動ける人間から湧き出る体の説得力ってのはやっぱりある。その体捌きから繰り出される変幻自在の「テンリングス」は、やはり相性がいいのであろう。
物語は丁寧に作られていて、お披露目作品としては申し分ない。
とんでもないレベルの地下格闘界には驚いたけど、シリーズのキャラが登場してくると期待感も膨らむ。
につけても、中国の俳優の英語力の高さよ…。
母国語と遜色なく扱う。
他国の言語に対応し、功夫を修得し、演技をこなす。なんと多才な事か…。日本人だと真田さんくらいしか思い当たらない。とんでもない層の厚さだよなぁ…。
何はともあれ、異色のキャラが参戦した今回。これからどんな風に馴染んでいくのか、楽しみでもあり、不安でもある。
人の武力を外側に求めた西洋と、自身の鍛錬に向けた東洋と…いったいどんなバランスを見せてくれるのであろうか。いや、功夫である事の特色をどこまで誇示してくれるのか…ドキドキハラハラ。
あんな高いビルを竹の櫓を組むのは、伝統とはいえどうかと思う…wアクションの偏差値は高かったけど、さすがにちょっと、馬鹿げてるというか、馬鹿にしてるというか…。
竜のCGが変に可愛くて…アレはまだ幼体とかなんだろうか。台詞に「kamehameha」があったような気がして、和訳上の「カメハメ波」じゃなかったと思うのだが…DBの認知度ってすっげえんだなと心底驚いた。