「ディズニー×マーベル」シャン・チー テン・リングスの伝説 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
ディズニー×マーベル
MCU劇場鑑賞2作品目!アメリカでの評価の高さから期待大にして劇場に突撃!
序盤のフルCGの美しさが際立つ鮮やかな男女の戦闘シーン、主役というわけでもないのに見入ってしまうしなやかさに終始惚れ惚れしてしまいました。
そこから現代のシーンへ。ホテルマンのショーンとケイティの仲の良さが伝わる車庫へと持っていく車での暴走や、ケイティ宅での食事シーン。親友以上恋人未満という感じですが、全編通して恋愛的な場面はあまり映らないので、物語の本筋に集中することができるのも見事な塩梅だと思います。ショーンの優しい雰囲気が表情からも仕草からもじわじわ伝わってくるのも良いです。
しかし通勤途中のバスで、いきなり敵が強襲してきますが、ショーンからシャン・チーに一気に覚醒してバス内を駆け回り、手が剣先になってる敵の攻撃をスレスレでかわしまくり、ケイティは制御の効かなくなったバスを乗りこなし、パソコンを盾代わりに使い、ジャッキーばりのバスの屋上やドアにへばりつきながらまたバス内に戻ってきて、連結部分での攻防を制し、敵をぶっ倒すという脳汁ドバドバのアクションが最高すぎました。力封印とかもうそんなのどうでも良いくらいの暴れっぷりに大興奮でした。
そこから妹の元へと向かい、賭けに勝手に賭けられ、そこで妹シャーリンと戦うという高速展開ですが、ここでも力強い戦闘シーンが短時間で繰り広げられます。女性のしなやかさではなく圧倒的パワーで勝利するのも最高です。脳汁ビッシャビシャ。
そしてテンリングスがやって来るという、もう連続でビンタを受けているような感覚ですが、そのテンリングスとの戦闘も最高です。竹で作られたビルの足場で繰り広げられる戦闘で、常にいつ壊れるか分からない、いつ落ちるか分からない状態での殴り合い、蹴り合い、蹴落とし合い、もう脳汁がドバーしてます。ドバー。
父親が仕向けたものと分かり、父親のアジトへと向かいますが、方向性の違いにより父親と対立します。完全なる毒親ということもあり、父親を共通の敵として認知することができます。ここでシャン・チーの過去が明かされます。母親の死後、特訓という名の虐待に近しいものを受けており、それはシャン・チーを最強へと導いてはいましたが、それと同時に孤独にもなってしまうという重いストーリーを見事な尺で描ききっていました。脳汁タップタプ。
ここまでは良かったんです。ここからなんです。急にファンタジーになってしまったんです。そういえば舞台アジアだったなーというのを思い出させるような九尾狐や渾沌が出てきます。世界観が一気にディズニーに寄ってきたなと思いました。もちろんCGのクオリティは素晴らしいのですが、観たかったものとは少しズレてきてしまいました。
村VSテンリングスの展開は最終決戦の導入としてとても良かったと思います。ただ、この戦闘が何か活きたのかと聞かれるとイマイチです。割とパパっと戦闘は終わり、シャン・チーVSウェンウーの親子バトルになるのですが、シャン・チーが武器を持って戦うのでコレジャナイ感が出てしまいました(まぁ持たないと不利ではあるので仕方ないのですが)。ウェンウーの10個の輪の圧倒的強さの前に湖に沈んでしまいます。ただ10個の輪がただ強いってだけだったので、1つ1つの輪の力についての描き込みが欲しかったです(原作準拠だったら申し訳ありません)。
そこからシャン・チーが母親の声を聞くと同時に龍を従わせるというまさかの神話系に突入。いよいよカンフーどこいった感が出てしまいます。でっかい龍の迫力は凄まじいんですが、うーんやっぱりコレジャナイ。アジアってまだこういう感じの描かれ方なんですかね。ケイティの援護もまさかのヒットというケイティを活かすには不十分な場面だと思います。
最終的にもっとでっかい龍が出てきますが、新たな10個の輪を龍に纏わせ、ライダーキックをするのかと思いきや、ハッ!で龍が粉砕されます。割と肉片が飛び散る感じで笑
終盤は納得のいかないストーリーでした。こればかりは期待していたもの違いだったので、自分の問題でもあります。
ただそんな大きな戦闘を終えた後に、その話を土産話にしたりする感じはとても好きです。この優しく狂った感じはほっこりしました。そして「ドクター・ストレンジ」からウォンが新たなサーカスへと導き、シャン・チーもアベンジャーズの世界へ。でもやっぱりカラオケへ!っていう明るい感じで物語は幕を閉じます。まずは顔見せということで、多少なり粗がある作品ではありましたが、次回作やアベンジャーズとしての活躍に期待大です。
鑑賞日 9/3
鑑賞時間 15:30〜17:55
座席 Q-26