「優しい香り」パリの調香師 しあわせの香りを探して はなもさんの映画レビュー(感想・評価)
優しい香り
この映画は、ほとんど男女二人しか出ず、偏屈なアンヌが、運転手として雇ったギョームに次第に心を開いていくのだが、二人は、フランス映画にそぐわず、恋人にはならない。
ベッタリしていない、ほんのり香りが漂っているぐらいの関係性って所が、香りをテーマにしているからなのかなと、勝手に邪推。でもそこが良い。
劇中、週一で娘と会うギョームが、今度の娘の誕生日は何をしようと、アンヌに相談した時、いつもはどうしてるの? 相手の望む通りにしてるのね。じゃ、今度は、あなたがしたい事を一緒にすればいいじゃないと助言。
そして、助言を受け入れ、ギョームと娘との海辺のシーンは二人がとても楽しそうだし、幸福そうで良いシーンだった。
このシーンは、今後のギョームのあり方の伏線になっていたような気がする。
鼻が利くと言う言葉は、わずかな兆候から
役に立つ事を見つけ出す能力だ、という。
正にその通り、アンヌは、最終的にギョームの潜在的な鼻の能力を見出し、アンヌは、再び調香師として羽ばたこうとしていた。
中年男女のある意味、再生の物語だと思った。
そして、映画だから、流石に香りは漂って来ないけれど、あたたかな優しい香りが漂ってくるような映画だった。
はなも様
共感&コメントありがとうございます
…海辺のシーン私も印象に残りました
はなもさんのレビューを拝読しましたら
猛烈に再鑑賞したくなりました〜
配信やDVD発売になり次第
即・観ですね!!
今後もレビュー参考にさせていただきますね
今晩は。
コメント、有難うございます。
アンヌを演じられたエマニュエル・ドゥヴォスさんとギヨームを演じたグレゴリー・モンデールさんは、初見でしたが、最初のぎこちない出会いから、徐々に距離を縮めていく関係性の表現方法が良いなあ、と思いました。
今作は、大きな出来事がある訳でなく、けれど二人にとっては小さな大切な出来事(アンヌの荷物がひったくられそうになった時に、ギヨームが必死に荷物を守る場面など)の積み重ねがキチンと描かれているからこそ、二人の絆が深まって行く過程が、腑に落ちる素敵な映画だと思いました。
では、又。