「【コカ・コーラの香り】」パリの調香師 しあわせの香りを探して ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【コカ・コーラの香り】
コカ・コーラの香りのくだりで、娘の顔が映し出されて、なんか、ちょっと泣けてきた。
この映画で泣ける僕はちょっと変なのだろうか。
この「パリの調香師」は、思いがけずとても素敵な映画に出会った気がする。
再生であり、チャレンジであり、香水に限らず様々な香りを合わせて新たな香りを作り出していくところは、僕達の世界に足りない調和を生み出す作業のようでもあり、上手い表現が見当たらないが、とても和らいだ良い気分になる。
アンヌと、ギョームの感情表現も対照的で、それが少しずつ絡まり合って、調和していく様も、実は調香のようでもある。
人は、異性が、自分より遠い遺伝子を持っていれば、その異性の香りを良い匂いと感じるセンサーを先天的に持っているのだそうだ。
そう、体臭をだ。
強い遺伝子の子孫を残すための能力なのだそうだ。
不思議だ。
それに匂いを感じられなくなると、味覚も感じられなくなったり、嗅覚はとても大切な感覚器官だ。
嗅覚が衰えると認知症になりやすいという話を聞いたこともある。
香りをリセットするとは、自分の体臭を嗅ぐことだったり。
これからは、もっといろいろ香りに、匂いに気をつけて過ごしてみようと思う。
ちなみに、香道の体験コースを受講したことがあるが、あれはお高いし、難しすぎました。
追伸:
「香道」は知人が主宰していて、ガイド本も頂き、僕も強く誘われたのですが、数種類のお香を回し聴いて、同席の方たちと源氏物語の題材に関連付けて講評を交わし、しかも正座にお着物です。
「花粉症なのでお許しください」と逃げた思い出があります(笑)
げに雅なるかな、ですね。
ワイン業界にいました。
ワインの利き酒も、鼻を洗うために(ちょっとカッコ悪いんですが)自分の体臭を嗅ぐためにジャケットを開いて脇に鼻を突っ込んだりします。嗅覚のリセットです。
これって面白い行為なのですよ。つまり逆に言えばベースたる自分の臭いを知ってこそ新しい別世界の臭いにも出逢っていけるという発見。