「【静寂な空間】」Malu 夢路 ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【静寂な空間】
この映画には静寂に包まれてるような感覚を覚える。
しかし、その奥底には、押し潰されそうになる苦しみや悲しみ、つらさ、痛々しいまでの心の叫びが閉じ込められている。
静けさが貫かれている世界は、人間の生きる世界ではないようにも感じる。
日本では至る所にお墓があり、人の住む場所と隣接していることが珍しくない。
そんなことも、後半の舞台設定が日本だった理由なのだろうか。
ホンとラン。
姉妹でありながら、異なる道を歩んだことで、わだかまりを抱えたままだった。
再び、わだかまりを抱えたまま、別の道を生きる。
もう、赦しはないのか。
だから、生と死のはざまで、赦し合おうとしたのではないのか。
そして、赦すことが出来たのではないのか。
今、生きている僕達の間でも、赦し合うことが出来るのではないかと思わせる作品だと思う。
ストーリーだけに依らず観てほしい気がする。
また、心の叫びを抱えながらも独特の静けさとマッチした細野晴臣さんの音楽が印象的だし、永瀬正敏さんはもとより、水原希子さんも注目だと思う。
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