「ストイックな物語。感激の映像。子役ケイリン・スプリンゴールの天性の演技力にも驚嘆」ミッドナイト・スカイ 高森 郁哉さんの映画レビュー(感想・評価)
ストイックな物語。感激の映像。子役ケイリン・スプリンゴールの天性の演技力にも驚嘆
Netflixのドルビービジョンで鑑賞。ジョージ・クルーニーは俳優として多様なジャンルをこなしてきたが、監督としては社会派寄りの人という印象があった。なので小説が原作のSFで監督・製作・主演と聞いて意外だったが、これは期待以上に本格の味わいだ。まず宇宙船の外観や船内、宇宙服などのデザインがオリジナルな要素を加味しつつリアリティも堅持。宇宙空間でのレンズフレアやゴーストのCGによる再現もアングルに応じてダイナミックに変化するので見惚れてしまう。クルーニーやフェリシティ・ジョーンズなど、アップになった時の肌の質感も格別だ。
話の筋としては「ゼロ・グラビティ」「オデッセイ」といったリアリズム重視の宇宙SFに、マッツ・ミケルセン主演のサバイバル映画「残された者 北の極地」を足した感じか――今気づいたが、「ゼロ~」と本作はリアルが優勢な中での非現実的な要素が一緒だな…。
主人公の孤独を癒す美少女を演じたケイリン・スプリンゴールは映画初出演の新人。台詞がほぼない点にも助けられただろうが、全シーンの演技にワンテイクでOKが出たというから驚かされる。活躍が楽しみな天才子役がまた一人登場した。
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