「監督は冷静な判断をした」天外者(てんがらもん) Kicoさんの映画レビュー(感想・評価)
監督は冷静な判断をした
この映画の舞台裏を紹介するテレビ放送では五代友厚プロジェクトの方から、創作エピソードの多さについて反発があったととれる描写がありました。
事実、私も映画を観賞して、恋愛要素が社会活動に大きく関わっていたかのような展開には違和感がありましたし、肝心な所が抜けているようで、物語としての完成度は決して高くありません。
もっと五代の実業家としての活躍を見たかったとも。
普段カーティスやノーランの映画を好んで観るようなタイプには絶対におすすめできません。
それでも何とか想像力で欠けたピースを埋めながら楽しめたのは、ひとえに三浦春馬さんの演技の賜物でしょう。
ガラスの仮面でたとえるならまさに覚醒後の姫川亜弓。
努力によって獲得した素晴らしい演技力、技能がもともとの際立った美貌と相俟って確変を起こしています。
(私は亜弓派なので、最上級の誉め言葉のつもりです。)
商工会議所のシーンは観るものに細かいことを言わせない流石の迫力だったと思います。
結果として、それまで興味のなかった多くの人に五代友厚の名を広めることとなったのは、監督の判断が正しかったといえるでしょう。
二時間程度の枠の中で、あれもこれも描いてしまうと、きっと更にとっ散らかっていたでしょうね。
まさしく、これぞプロの判断です。
おそらく、海外でもこれくらい単純なストーリーのほうが理解されやすいのでは。
この映画は五代友厚のPRを最大のねらいとして創られたと思えば全てのことに納得がいきます。
三浦春馬さん自身がもう海外で活躍されることはないのだと思うと、本当に惜しく思いますが、代わりにこの作品が海を渡ってくれたら、と思います。
ご冥福を心よりお祈りしています。
星について、ご連絡ありがとうございました。
星の付け方はすごく悩みました。
脚本や編集に関してなど、映画としてはあまり満足していないからです。
このまま評価なしで、と思いましたが
少々ルール違反だったかと反省しました。
大変失礼いたしました。
作り手や後援者の皆さんによる五代友厚に対する純粋さが心に残り、レビューするまでに至ったということで、⭐️三つ付けさせていただきました。
せめて、あと一時間尺があったならなぁと惜しく思います
三浦春馬さんの頑張り、演技力には私も共感するところですが、一つ質問があります。評価の☆は何個塗られますか?
全く塗るおつもりではないのですか?
もし、☆を一個でも塗るおつもりでしたら、マイページの編集から入っていただけたらと思います。